■新レーベル“Echoes”がキュレーションする、音楽に限らない新しいエンタテインメント体験が楽しめる「Echoes Baa」
4月4日(金)~6日(日)の3日間に渡って開催された、いくつものイベントが横浜の街で響き合う、音楽とエンタテインメントの最新都市型フェス『CENTRAL MUSIC & ENTERTAINMENT FESTIVAL 2025』。赤レンガ倉庫 赤レンガパーク特設会場では5日(土)、6日(日)の2日間、2024年4月に設立された新レーベル“Echoes”がキュレーションする「Echoes Baa」が開催された。“音楽や様々な表現があらゆる垣根を超えてこだまし、呼応し、成長していくための発信基地”というEchoesの理念を具現化したこのイベント。極上のライブパフォーマンスのみならず、様々なクリエイティブで表現される新しいエンタテインメント体験が、赤レンガ倉庫にこだました。
YOASOBIを始めとするEchoes所属アーティストを中心とした豪華ラインナップによるライブパフォーマンスに加え、DJフロア、アートウォール、数量限定のEchoesオリジナルグッズを販売する初のポップアップショップ「Echoes Maaket」の出店。さらにYOASOBIと移動式書店・BOOK TRUCKのコラボレーションによる「旅する本屋さん YOASOBI号」や、シルクスクリーン体験やタフティング体験といった、ここでしか参加できないワークショップも出店。集まったオーディエンスが、音楽に限らない新しいエンタテインメント体験を楽しんでいた「Echoes Baa」。
■「今年、初めて日本でやるライブなんです」と明かしたYOASOBI
雲ひとつない快晴に恵まれ、絶好のフェス日和となったDay 1。メインステージに登場したのは、YOASOBI。OPナンバーの「アイドル」で超満員のオーディエンスを沸かせ、派手やかに開会を宣言すると、「夜に駆ける」、「UNDEAD」と序盤から人気曲を連投し、圧倒的な歌唱力とパフォーマンスで魅了。2025年は昨年末から続くアジアツアーを行っていたYOASOBI。MCでは「今年、初めて日本でやるライブなんです」と明かし、オーディエンスを眺めてうれしそうな笑顔を見せたikura。初代プレイステーション30周年記念プロジェクト「Project: MEMORY CARD」から生まれた3月にリリースしたばかりの最新曲「PLAYERS」をライブ初披露すると、サビでは“もう一回 もう一回”の大合唱が生まれた。「ハルカ」、「ハルジオン」と春にピッタリな曲でしっかり魅せると、ラストの「群青」に会場中のシンガロングが起き、最高潮の盛り上がりでフィニッシュ。トップバッターとして、Echoesを代表するアーティストとして、十分すぎる役割を果たした。
続いての登場はKAFUNE(「E」は、アキュートアクセントありが正式表記)。「大人ごっこ」、「脳内反省会」の人気曲と新曲「案外、誰も見ていない」でオーディエンスを沸かすと、「カッコいいMC考えてきたんだけど、気持ちが溢れちゃって感謝が…本当にうれしい」と、大盛り上がりのオーディエンスへの感謝を告げた人生(Vo)。不器用ながら想いの伝わるMCに、思わずグッときてしまう。「最後、ブチアガって帰ろう!」と、ラストは「メルティラブ」を披露。渾身のパフォーマンスで、会場中を踊らせた。
「盛り上がっていけるか!?」とみきまりあ(Vo)が煽り、ツミキがノイジーなギターをかき鳴らす「INAZMA」で勢いよく始まったNOMELON NOLEMONは、堂々とした歌と演奏でオーディエンスをリード。MCでは4月1日からEchoes所属となったことを報告し、「世界をびっくりさせる音楽を作りたい」と野望を語ったみきまりあ。「どうにかなっちゃいそう!」や「イエロウ」、TVアニメ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』挿入歌の最新曲「ミッドナイト・リフレクション」と振り幅のある楽曲でオーディエンスを魅了した。
■asmiは、SNSでバイラルした「PAKU」の振り付けをオーディエンスと合わせて盛り上がった
キュートな笑顔を振りまいて登場したasmiは、「ドキメキダイアリー」で明るく元気にライブをスタート。チルなサウンドの「memory」や、バラードソング「例えば」といった楽曲で豊かな表現力と多面的な魅力を見せると、「な、なんと!今日は発表があります」と4月からレーベルがEchoes所属になったことを発表。ラストはSNSでバイラルした「PAKU」の振り付けをオーディエンスと合わせて大盛り上がりし、とびきりの笑顔を見せた。
「インザバックルーム」の攻撃的なパフォーマンスで始まったのは、スペシャルゲスト・syudouのステージ。イントロに歓声が上がった「ビターチョコデコレーション」にオーディエンスがクラップを合わせたりと、ライブが進むごとに一体感が生まれていった会場。MCで5月に日本武道館ワンマンを行うことを告知すると、「あいきるゆぅ」で始まった終盤戦は激しい曲が続き、アグレッシブなパフォーマンスでオーディエンスを沸かせた。
■住人たちがバラエティに富んだ楽曲を繋いでいくMAISONdesのステージは実に贅沢かつ華やか
そして初日のトリは、MAISONdes。“住人の部屋を覗き見していって欲しい”というオープニングVTRの管理人の説明から、asmi&すりぃの「アイワナムチュー」で始まったスペシャルステージ。乃紫&かやゆー、meiyo&Pii、りりあ。、水槽と次々とドアが開き、住人たちがバラエティに富んだ楽曲を繋いでいくステージは実に贅沢かつ華やか。
みきまりあ、れん、『ユイカ』&KAFUNEと続き、ライブ仕様のパフォーマンスで観る者のボルテージを上げ、アユニ・D、くじらが圧倒的な表現力で自身の世界観に惹きこんでと、ライブならではのリアルさや迫力、説得力のあるステージにオーディエンスは釘付け。煽りVTRから派手やかに登場したのは、ライブ初お披露目となる日曜日のメゾンデ。「モドキスキップ!」と新曲「ふり」の2曲をボーカル礼衣が披露すると、その圧倒的歌唱力に大きな拍手と歓声が起きた。
さらにステージ上のスクリーンに映るバーチャルシンガーの花譜が、ツミキがドラムを叩く生演奏で歌う「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ」と続き、ラストに登場したのはasmi。「あ~、楽しかった!」と素直な感想を語って笑顔を魅せると、「これはみんなの歌です」と「ヨワネハキ」を披露。オーディエンスの歌声も響く中、MAISONdesのステージ、そして 「Echoes Baa」初日を締めくくった。終演後、横浜港には大きな打ち上げ花火が上がり、この日の記憶を美しく残してくれた。
■“かわいい”を会場中に振りまいたFRUITS ZIPPERでDay 2がスタート
Day 2のトップバッターとしてメインステージに登場したのは、スペシャルゲストのFRUITS ZIPPER。あいにくの小雨が降る中にも関わらず集まった、超満員のオーディエンスの拍手と歓声に迎えられ、「NEW KAWAII」で可愛く派手やかにDay 2の幕を開ける。1曲目から大盛り上がりのオーディエンスに、「あれかわいい、それかわいいっていうけど、わたしは雨の中待っててくれたみんながNEW KAWAIIと思います!」と笑顔を見せた松本かれん。メンバー紹介ソングの「うぇるかむとぅ〜ざ〓ふるっぱー!」(〓は白抜きハートが正式)、ライブ定番曲の「ぴゅあいんざわーるど」と続いて“かわいい”を会場中に振りまくと、MCでは8月にさいたまスーパーアリーナで3周年記念ライブを行うことを告知。ラストは代表曲「わたしの一番かわいいところ」で、オーディエンスのハートを撃ち抜いた。
雨も上がり青空が広がる中、メインステージに登場したのはHALDONA(Vo.&Gt.)、Takakuzo(Ba.&Trackmaker)、Natsumi(Dr.)からなる、結成して間もない新進気鋭の3ピースバンド、Luov。Dr.Natsumi、Ba.Takakuzoのリズム隊から音を鳴らし、「大脱走計画」でVo.&Gt.HALDONAがギターをかき鳴らし勢いよくライブをスタートすると、「透明シャボン」で軽快に駆け抜け、「Luovって“自由な”って意味があって。みんなにも自由に楽しんでほしいと思います」と挨拶。今年2月に結成されたばかりとは思えない、自由でのびのびしたステージングで「DIVE」、「ラッキープラザ」を披露すると、「ちょっと楽しすぎません?晴らしたよね、私たちが」と無邪気に笑うHALDONA。バラードソング「てんつなぎ」は、透明感あるHALDONAの気持ちを込めた歌声が美しく伸びやかに響き、青空に溶けていくようだった。
■胸を突き刺すハイトーンボイスで魅了し、「Echoes Baa」のステージにしっかり足跡を残したChevon
北海道札幌市からやってきたスペシャルゲストのChevonは、「ノックブーツ」でライブの幕を開けると、重厚かつ独創的なロックサウンドと谷絹茉優(Vo)の胸を突き刺すハイトーンボイスで魅了し、初めて観るであろうオーディエンスの心をガッチリ掴んでいく。新曲「さよならになりました」、「サクラループ」と春ソングを届けると、MCでは「今年からChevon第二章。派手な動きをしていきます!」とここからの“「大行侵」”を宣言。ラストは「ダンス・デカダンス」で会場中を踊らせて、ハイトーンシャウトを高らかに響かせ、「Echoes Baa」のステージにしっかり足跡を残した。
続いての登場は、スペシャルゲストのTOMOO。「Ginger」で軽快にライブをスタートすると「はじめましての人もいると思いますが、楽しみましょう!」と、オーディエンスと対話するようにライブを進めていった彼女。アニメ『アオのハコ』のEDテーマとして描き下ろしたエピソードを語り、「空の青、海の青。この雰囲気に似合うな」と鍵盤を奏でてしっとり歌い上げた「コントラスト」や、「私から見えるこの平和な景色にピッタリの曲かも」と軽やかに届けた「Present」と、開放感ある野外の雰囲気によく似合う楽曲たちを披露し、自身もこの環境を思い切り楽しんでいたTOMOO。ラストは代表曲「Super Ball」を披露すると手を挙げ仰ぎ、ともに口ずさむオーディエンスと一体感を生んだ。
フィールドを埋める、オーディエンスの期待が溢れる中で登場したのはAooo。1曲目「アパシー」から会場中が掛け声やクラップを合わせ、フィールドの熱気は急上昇。コール&レスポンスで心を繋いだ「ネオワビシイ」、「横浜、もっとブチアゲていくよ!」と石野理子(Vo)が煽り始まった「BAQN」と前半戦を駆け抜けた彼女ら。MCでは秋にツアーを開催することを発表し、アニメ『ウィッチウォッチ』のEDテーマとなる、4月16日リリースの1st EP『Fooocus』収録曲「魔法はスパイス」をライブ初披露。ライブ終盤は「イエロートイ」、「水中少女」、「リピート」と人気曲を立て続けに披露し、ラストは「サラダボウル」でフィニッシュ。オーディエンスの熱気は、終始冷めることが無かった。
■「祝福」で“花火と音楽のコラボレーション”という凄まじすぎる演出。圧倒的だったYOASOBI
そして、2日間に渡って開催された「Echoes Baa」メインステージのアクトもいよいよラスト。陽の落ちた会場に響くオーディエンスの大歓声に迎えられ、ステージに登場したのは、YOASOBI。派手やかなライティングに照らされて歌う姿が神々しくさえ見えた「アイドル」でライブの幕を開けると、「『Echoes Baa』ラストのステージ、全員全力で楽しんでいきましょう!」とikuraが力強く告げる。新曲ながら、会場中がクラップや歌声を合わせた「PLAYERS」、みんながスマホの光を掲げて心繋いだ「優しい彗星」とたくさんの魅せ場を作った中盤戦を経てのMCで、「日本の音楽は世界に絶対届いてる。もっと誇っていこう!」と熱く語ったAyase。ライブ終盤、「祝福」では横浜港に打ち上げ花火がガンガン上がり、“花火と音楽のコラボレーション”という凄まじすぎる演出が施され、オーディエンスのボルテージは最高潮。「あの夢をなぞって」では、同様にボルテージの上がったバンドが圧倒的な演奏を見せて会場をさらに沸かせ、ラストは会場中が歌声を重ねた「群青」の大合唱で美しすぎるエンディングを迎えた。“音楽や様々な表現があらゆる垣根を超えてこだまし、呼応し、成長していくための発信基地”というEchoesの理念をそのまま形にしたようなYOASOBIのライブはこの2日間を締めくくるに相応しいものだったし。Ayaseが熱弁したように日本の音楽を誇らしく思い、日本の音楽にさらなる可能性を感じさせてくれる2日間だった。
TEXT BY フジジュン
■セットリスト「Echoes Baa」Day 1、Day 2
『CENTRAL MUSIC & ENTERTAINMENT FESTIVAL 2025』
2025年4月5日(土)、6日(日)赤レンガ倉庫 赤レンガパーク特設会場
Echoes Baa
<Echoes Baa Day 1>
◎YOASOBI
1.アイドル
2.夜に駆ける
3.UNDEAD
4.ミスター
5.PLAYERS
6.ハルカ
7 ハルジオン
8.祝福
9.怪物
10.群青
◎KAFUNE
1.大人ごっこ
2.案外、誰も見ていない
3.脳内反省会
4.踊れない
5.透明な屍
6.メルティラブ
◎NOMELON NOLEMON
1.INAZMA
2.透明水曜日
3.rem swimming
4.どうにかなっちゃいそう!
5.イエロウ
6.ミッドナイト・リフレクション
7.SUGAR
8.night draw
9.SAYONARA MAYBE
◎asmi
1.ドキメキダイアリー
2.こっち向いてほい
3.memory
4.破壊前夜のこと
5.開青
6.例えば
7.手紙
8.Call me
9.ラヴィウス
10.PAKU
◎syudou
1.インザバックルーム
2.笑うな!
3.ビターチョコデコレーション
4.コールボーイ
5.キュートなカノジョ
6.あいきるゆぅ
7.爆笑
8.ギャンブル
◎MAISONdes
1.アイワナムチュー(Vo.asmi,Vo.&Gt.すりぃ)
2.アリバイゲーム(Vo.乃紫,かやゆー)
3.ラリー、ラリー(Vo.meiyo,Pii)
4.夏風に溶ける(Vo.りりあ。)
5.ダブル・プッシュ・オフ(Vo.水槽)
6.バイマイダーリン(Vo.みきまりあ)
7.bathroom(Vo.れん)
8.いたいの、いたいの、とんでけ(Vo.『ユイカ』,人生,Ba.Takakuzo)
9.春紛い(Vo.アユニ・D)
10.本当は夜の端まで(Vo.くじら)
11.モドキステップ!(Vo.礼衣)
12.ふり(Vo.礼衣)
13.トウキョウ・シャンディ・ランデヴ(Vo.花譜、Dr.ツミキ)
14.ヨワネハキ(Vo.asmi)
<Echoes Baa Day 2>
◎FRUITS ZIPPER
1.NEW KAWAII
2.うぇるかむとぅ〜ざ〓ふるっぱー!
3.かがみ
4.ぴゅあいんざわーるど
5.Going!
6.フルーツバスケット
7.完璧主義で☆
8.わたしの一番かわいいところ
◎Luov
1.大脱走計画
2.透明シャボン
3.DIVE
4.ラッキープラザ
5.てんつなぎ
◎Chevon
1.ノックブーツ
2.冥冥
3.銃電中
4.さよならになりました
5.サクラループ
6.大行侵
7.Banquet
8.ダンス・デカダンス
◎TOMOO
1.Ginger
2.オセロ
3.Grapefruit Moon
4.らしくもなくたっていいでしょう
5.あわいに
6.コントラスト
7.Present
8.いってらっしゃい
9.ベーコンエピ
10.Super Ball
◎Aooo
1.アパシー
2.Casablanca
3.ネオワビシイ
4.BAQN
5.魔法はスパイス
6.フラジャイル・ナイト
7.イエロートイ
8.水中少女
9.リピート
10.サラダボウル
◎YOASOBI
1.アイドル
2.夜に駆ける
3.UNDEAD
4.セブンティーン
5.PLAYERS
6.優しい彗星
7.勇者
8.祝福
9.怪物
10.あの夢をなぞって
11.群青
イベント情報
『CENTRAL MUSIC & ENTERTAINMENT FESTIVAL 2025』
04/04(金)神奈川・Kアリーナ横浜、臨港パーク
04/05(土)神奈川・Kアリーナ横浜、横浜赤レンガ倉庫 赤レンガパーク特設会場、KT Zepp Yokohama、臨港パーク
04/06(日)神奈川・Kアリーナ横浜、横浜赤レンガ倉庫 赤レンガパーク特設会場、KT Zepp Yokohama、臨港パーク
『CENTRAL MUSIC & ENTERTAINMENT FESTIVAL 2025 in Taipei』
04/19(土)Zepp New Taipei
『CENTRAL MUSIC & ENTERTAINMENT FESTIVAL 2025 in Kuala Lumpur』
04/26(土)Zepp Kuala Lumpur
『CENTRAL MUSIC & ENTERTAINMENT FESTIVAL 2025』公式サイト
https://central-fest.com/