■「我々はジェフから教わったスピリットを皆さんと一緒に楽しみたいと思ってここに集まりました」(布袋寅泰)
『A Tribute to Jeff Beck』の日本版が、2月11日、東京・有明アリーナで開催された。本稿ではそのオフィシャルレポートを掲載する。
2023年1月のジェフ・ベック急逝より2年。同年の5月、エリック・クラプトンが中心となりロイヤル・アルバート・ホールで行われた追悼コンサート『A Tribute to Jeff Beck』は世界中で話題となった。そしてこのたび、ジェフ・ベックのマネージメントからの正式な許諾を得た日本版がされた。
ジェフ・ベックのバンドに在籍したメンバーのロンダ・スミス(Ba)、アニカ・ニールズ(Dr)、ジミー・ホール(Vo)、ゲイリー・ハズバンド(Key)が来日。その豪華メンバーをバックにギターを弾いたのは、Char、布袋寅泰、松本孝弘。
一番手はChar。お馴染みの曲「レッド・ブーツ」で始まったCharのセットリストは大半が第1期ジェフ・ベック・グループの曲という意表をつく展開。ジェフ・ベック・モデルのストラトキャスターを使って、ジェフの奏法を意識したフレージングやヴィブラート・アームの操作がファンの心をくすぐる。
2番手の松本は人気曲「哀しみの恋人達」などフュージョン期の曲からの選曲。彼らしいテイストを織り交ぜながらも慣れ親しんだフレーズを忠実にカバーしたプレイは観客の涙腺を刺激する。
3番手に登場した布袋はジミー・ホールを交えた「ピープル・ゲット・レディ」でジェフのギターの歌心をクローズアップ。そのままCharとジョイントした「フリーウェイ・ジャム」や「ブルー・ウインド」では、もはや普段の自分モードに突入したワイルドなふたりのギターの絡みに、バックのメンバー達も演奏が熱くなっていくのが感じ取れる。
最後のアンコールは3人揃っての「ゴーイング・ダウン」で、圧巻のトリプル・ギター・バトルを聴かせて締めくくった。
すべてが聴き慣れたジェフ・ベックの曲だけに、あっという間に過ぎた全18曲約2時間のステージ。
「我々はジェフから教わったスピリットを皆さんと一緒に楽しみたいと思ってここに集まりました。ジェフはいないけれども、ジェフの愛した素晴らしいミュージシャンたちが、本物のジェフの音を届けてくれています。きっと天国のジェフはそこが違うよなんて笑ってるかもしれない」(布袋寅泰のMCより)
そう、大切なのはまさに最後まで進化し続けたジェフのスピリット。Char、布袋寅泰、松本孝弘、3人ともまさか自分がジェフの本物のバンドでジェフの曲を弾く、こんな日が来るとは思ってもいなかったはず。そして3人は、その大役を見事に務めてくれた。これからはそれぞれがジェフから受け継いだ何かを使って、彼らでなければ表現できない音楽を聴かせてくれることだろう。