■”ロックな俳優”のんが魅せたメロディアスから激情のロックまで七色を超えて変化するパフォーマンス
のんの初となるバレンタインライブ『NON Valentine Live 2025 “bitter is better”』が2月9日に東京・Zepp Hanedaにて開催され、大盛況のうちに幕を閉じた。
最強寒波襲来の予報がもあり天候が心配されたが、Zepp Hanedaは雲ひとつない快晴となった。満員御礼の会場に響き渡る重低音のロックサウンドに、シネマティックな照明が彩る新しいオープニング演出が観客の期待値を煽るなか、ライブがいよいよスタート。
白い衣装に統一されたバンドメンバーがスタンバイする中、ステージ中央にまっ赤な意匠に身を包んだのんが颯爽と登場。「みんな愛してるよ」の第一声から、いきなりキレキレのロックナンバーでスタート。その後も人気楽曲や、のんの敬愛するアーティスト達からの提供曲など休む間もなく立て続けに披露され、寒風の中でライブを待っていたオーディエンスはあっという間に甘い熱へと包まれていく。
改めて挨拶からMCを挟んだ後は、カバー曲やメジャーナンバーで再びアクセルを踏み込むようにステージも客席も盛り上がっていく。そしてのん作詞曲から場内は少しずつメロディアスな空気に染まり、心地よいエモーショナルな雰囲気に包まれていく。魂を震わすようなのんの熱唱で紡がれる”心が震える楽曲”に、オーディエンスの中には涙を浮かべて聞き入る人の姿も。のんの天性の声質と、彼女のバックグラウンドが重なり合って彩る、決して苦しいだけではない”爽やかな痛み”が場内を優しく包んでいった。
のんの一時退場と共に始まったバンドインストパートでは、Gu・ひぐちけい/Ba・なかむらしょーこ/Dr・ナガシマタカトらがまるで映画の劇伴のように美しく力強い、タイトでキレのある演奏でグルーヴを紡ぎ出していく。
そして前半とはガラッと変わったホットで楽しいダンスナンバーでのんが再びステージに。花束を抱え、目が覚めるほど真っ白なホットパンツとロングブーツに着替え、その姿はまるでお伽話の王子様のよう。しかも曲中ではなんとのんから観客へのサプライズも。この模様は、3月22日にU-NEXTで配信されるのでチェックしてみてほしい。
“bitter is better”のタイトル通り、バレンタインをイメージした粋な演出が随所に盛り込まれ、ポップなロックナンバーの途中で挟まるおとぼけシーンに観客の笑い声が響き、ライブハウスならではの盛り上がりと共に「のん」らしさの溢れるステージが繰り広げられる。
そうかと思えば観客を煽りまくってロックへと焚き付け、激情を露わに歌う。ステージの上で七色を超えてめまぐるしく変化するのん。一瞬たりとも目が離せないステージにオーディエンスの興奮は最高潮に達する。ラストを飾るのは、この公演を締めるに相応しい、きっと誰もが期待したであろう、先月末に配信リリースされたばかりの新曲「春よ受けて立つ」。この春”旅立つ”全ての人の背中を力強く押すのんの叫びで場内にいる全ての者の胸が締め付けられる。バレンタインと春がテーマに、爽やかな痛みとそれを凌駕する力強さが、まるで春の竜巻のように折り重なってZepp Hanedaを通り過ぎていき、ライブは大団円で幕を閉じた。
今回のライブ演出は、のんが中心となって構成。音楽にも演技にも全力投球するセルフプロデュースの光った今回のライブは、改めて彼女が”ロックな俳優”なのだと見せつけるものになった。繰り返しになるがこのライブの様子は、3月22日にU-NEXTで配信される。新曲「春よ受けて立つ」以外のセットリストで、のんがどんなライブを描いたのかは、是非配信で目に耳に焼き付けてほしい。
フォトグラファー:Kentaro Minami(FOCUS STUDIO)
リリース情報
2025.01.25 ON SALE
DIGITAL SINGLE「春よ受けて立つ」
のん OFFICIAL SITE
https://nondesu.jp/