■音楽的な交流とアーティスト同士のケミストリーに溢れたステージ
イベント「SMA 50th Anniversary presents『ありがとうSMA ~冬~ by OKAMOTO’S』(決)」が12月14日(土)、神奈川県 KT Zepp Yokohamaで開催された。
Sony Music Artists(SMA)の創立50周年を記念したライブシリーズの一環として行わられた同イベント。デビュー15周年を迎えたOKAMOTO’Sを筆頭に、木村カエラ、氣志團、Cody・Lee(李)が出演し、音楽的な交流とアーティスト同士のケミストリーに溢れたステージが繰り広げられた。
開演前の影アナは、OKAMOTO’Sのオカモトコウキ(Gt)、そしてDJはオカモトレイジ(Dr)。選曲は「初恋」(村下孝蔵)、「シャングリラ」(チャットモンチー)、「Wonderland」(iri)など“SMA”縛り。最後にイベントのタイトルにもつながる「ありがとう」(井上陽水奥田民生)をスピンし、ライブがスタートした。
■インフルエンザのために欠席したハマ・オカモト(Ba)からの手紙を朗読
最初に登場したのは“オープニングアクト”のOKAMOTO’S。オカモトショウ(Vo)、コウキ、レイジ、そしてサポートのブライアン新世界が登場し、アッパーチューン「青い天国」でイベントの開幕を彩る。
「今日はSMA50周年のイベントということで。俺たちがまだ対バンしたことがない、素敵なアーティストをお呼びしました。新宿から来たOKAMOTO’Sです!よろしく!」(ショウ)という挨拶に続き、この日、インフルエンザのために欠席したハマ・オカモト(Ba)からの手紙を朗読。「本日はMCの代わりに手紙という形で参加したいと思います」という言葉に、会場から大きな拍手が送られた。
ここからは出演バンドの“ありがとう”をテーマにした楽曲をカバー。「ほんの気持ちですが!」(Cody・Lee(李))では、ニシマケイ(Ba/Cody・Lee(李))、「ありがとう ばかやろう」には白鳥松竹梅(Ba/氣志團)が登場。さらにOKAMOTO’Sの新曲(1月22日リリースのアルバム『4EVER』収録)「ありがとう」をショウ、コウキ、レイジ、ブライアン新世界、ニシマケイ、白鳥松竹梅の6人で披露し、いきなり貴重なセッションが実現した。
■独創的にしてポップなロックミュージックで観客を惹きつけたCody・Lee(李)
ステージ転換中は、バックステージからショウ、コウキ、レイジのトークを中継。ライブの趣旨や出演アーティストの関わりを改めて紹介したあと、Cody・Lee(李)のステージへ(ギタリストの力毅は、OKAMOTO’Sの最新アーティスト写真に合わせ、赤のタータンチェックの衣装でした)。まずは最新アルバム『最後の初恋』からパワーポップ直系の「涙を隠して(Boys Don’t Cry)」、「ストロベリーエンジェル ~Don’t Say Goodbye~」を披露。90年代後半~00年代前半あたりの音楽をアップデートさせた、独創的にしてポップなロックミュージックで観客を惹きつけた。
その後もアグレッシブなパフォーマンスが印象的だった「烏托邦」、アジア・アメリカを中心にバイラルヒットを記録した代表曲「我愛你」、そしてパンキッシュな勢いに貫かれた「When I was cityboy」などを放ったCody・Lee(李)。「今日みたいな日もみんなの記憶のなかに残り続けてくれたら。あと、ハマさんお大事に!」(高橋響)という言葉も心に残った。2025年5月25日には日比谷野外音楽堂のワンマンライブも決定!
■氣志團の“GIG”は、ドラムソロが鳴り響くなか、綾小路 翔のバイク登場でスタート!
幕間には、SMA所属の奥田民生、土屋太鳳、渡辺大知(黒猫CHELSEA)のビデオメッセージが映し出された。さらにOKAMOTO’SとCody・Lee(李)のトークを挟み、氣志團の“GIG”がスタート。ドラムソロが鳴り響くなか、綾小路 翔がバイクで登場! エンジン音でリズムを刻む“Axel Call”で会場を沸かせる。オープニングは「俺達には土曜日しかない」。さらに地元への強い思いを歌った「房総魂」を打ち鳴らし、フロア全体をロックしまくった。
「もっともっとイケるかい!? 今夜の氣志團、全力で始めるぜ!」という煽りから「Baby Baby Baby」「スウィンギン・ニッポン」「萌え萌えROCK’N’ROLL」とロックンロール3連発。イナたくてカッコいいパフォーマンス、タイトに決まったバンドサウンド、綾小路の圧倒的なカリスマ性が響き合い、会場中が氣志團のスタイルで染まっていく。
「みんなが楽しみにしてきたハマくんがいない。(ヨコ)ハマなのに。だから今日は“ヨコ”だ。ハマくんが元気になって、早くヨコハマになりたいな」というトーク、今やお馴染みになった“QRコード”タイム(QRコードが印刷されたプラカードを掲げる告知コーナー。この日は2025年の全国ツアーの情報)を挟み、クリスマスソング「SECRET LOVE STORY」でロマンティックなムードを演出。(綾小路と星グランマニエのハーモニーが素敵でした!)。そして「One Night Carnival」で一気にクライマックスへ。初見のお客さんも間違いなく全力で楽しめる、最高のエンタテインメント。25周年を超え、氣志團のロックは今も前に進み続けている。
真心ブラザーズ、成田凌のメッセージビデオ、OKAMOTO’S×氣志團のトークのあとは、もちろんOKAMOTO’Sのステージ。
■すさまじい熱量、高い演奏技術がせめぎ合うバンドサウンドがとにかく素晴らしいOKAMOTO’S
「カモン、コウキ!俺達の歌、歌います!」(ショウ)というシャウトに導かれたのは、「90’S TOKYO BOYS」。濃密にしてしなやかなファンク・ロック・グルーヴが響き、オーディエンスは気持ちよさそうに身体を揺らし始める。“倒され 汚され 笑われそれでも今また俺は立ち上がる”という勇敢なフレーズから始まったのは、「ROCKY」。
性急な勢いとすさまじい熱量、高い演奏技術がせめぎ合うバンドサウンドがとにかく素晴らしい。そして、ブライアン新世界のベースプレイがうますぎる&すごすぎる!!
ここで登場したのは、ベーシスト・まきやまはる菜(使用機材は、ハマのベースでした)。さらに木村カエラが呼び込まれ、「この曲知ってる?サビでジャンプする曲なんだけど。みんなで楽しく遊ぼう!」(木村)と「Magic Music」を演奏。華やかな高揚感が広がっていく。
■OKAMOTO’S×木村カエラにしか生み出せない激レアなステージ
木村とショウが「氣志團、すごかったですねー」というトークを繰り広げたあとは、「STARs」(木村カエラ)。ショウはコーラスと氣志團リスペクトのダンスでスペシャルなコラボを盛り上げる。さらにコウキが奏でるギターリフから「リルラリルハ」。オルタナティブとポップがせめぎ合う、OKAMOTO’S×木村カエラにしか生み出せない激レアなステージだった。
「SMAってすげえな。すげえ先輩、後輩がいてビックリする。ここから俺たちがブチ上げるぞ!」(ショウ)という叫び、「この愛に敵うもんはない」(TVアニメ『アンデッドアンラック』第2クールエンディングテーマ)からライブはクライマックスへ。
鋭利なダンスチューン「Dance With You」、“俺のことわかるやついるか?”という切実なメッセージと先鋭的なロックサウンドが響き合う「BROTHER」、そして、「“ありがとうSMA”というタイトルを付けたときは、ここまで感謝することになるとは思わなかった!マジでありがとう、SMA!」(ショウ)という言葉から「Beautiful Days」。エンディングでは出演者全員がステージに登場し、イベントは大団円を迎えた。
OKAMOTO’Sは現在、15周年を記念した全国47都道府県を廻るツアー『OKAMOTO’S 15th Anniversary FORTY SEVEN LIVE TOUR -RETURNS-』を開催中。2025年1月22日リリースの10thアルバム『4EVER』を含め、彼らの現在地をぜひ体感してほしいと思う。
TEXT BY 森朋之
PHOTO BY 橋本優
SMA 50th Anniversary presents『ありがとうSMA ~冬~ by OKAMOTO’S』(決)
2024年12月14日(土) KT Zepp Yokohama
セットリスト
OKAMOTO’S
1.青い天国
2.ほんの気持ちですが!<Cody・Lee(李)曲>
3.ありがとう ばかやろう<氣志團曲>
4.ありがとう
Cody・Lee(李)
1.涙を隠して(Boys Don’t Cry)
2.ストロベリーエンジェル~Don’t Say Goodbye~
3.おどる ひかり
4.烏托邦
5.DANCE扁桃体
6.我愛你
7.When I was cityboy
氣志團
1.俺達には土曜日しかない
2.房総魂
3.Baby Baby Baby
4.スウィンギン・ニッポン
5.萌え萌えROCK’N’ROLL
6.SECRET LOVE STORY
7.One Night Carnival
8.One Night Jamboree
OKAMOTO’S
1.90’S TOKYO BOYS
2.ROCKY
3.Magic Music<木村カエラ曲> w/木村カエラ
4.STARs<木村カエラ曲> w/木村カエラ
5.リルラリルハ<木村カエラ曲> w/木村カエラ
6.この愛に敵うもんはない
7.Dance With You
8.BROTHER
9.Beautiful Days
Sony Music Artists 50th Anniversary 特設サイト
https://www.sma.co.jp/s/sma/page/50th?ima=0000#top