■「(ナイナイについて、おじいちゃんみたいだと思っていたが)今回のステージを見て、おじいちゃんじゃなくなった」(ano)
ナインティナイン(岡村隆史・矢部浩之)がパーソナリティを務めるラジオ番組、ニッポン放送『ナインティナインのオールナイトニッポン』(毎週木曜25時~27時)の番組イベント『ニッポン放送開局70周年記念 ナインティナインのオールナイトニッポン歌謡祭』が10月26日に横浜アリーナで開催された。
チケットは1万2,000枚が完売。番組ゆかりの鈴木雅之、DA PUMP、ano、久保史緒里(乃木坂46)、秋山竜次、ネクライトーキー、高須克弥、そしてサプライズゲストとして原口あきまさも登場。番組は放送開始から30年、そしてニッポン放送開局70周年という節目の年での開催となり、ナインティナインのふたりにしかできない豪華ステージと一夜限りのコラボレーションで、リスナーを熱狂と爆笑の渦に巻き込んだ。
【ライブレポート】
会場内が暗転すると、ワクワクした面持ちでステージを見つめ、開幕を待つリスナーたち。そしてTHE WAVES の「WE ARE THE CHAMP~THE NAME OF THE GAME」が流れ始めると、メインステージ2階に設置されたバルーンにスポットが当たる。まばゆい光に照らされて浮かび上がったのは、左手にサッカーボールを持った矢部のシルエット。一方の岡村は、下手側の客席通路から登場。その姿はまるで、パリ五輪で話題となったトルコの狙撃選手「無課金おじさん」ことユスフ・ディケチのよう。
そんな岡村が銃を手にすると、なんと矢部の入ったバルーンに向かって発砲。バルーンを撃ち抜くのかと思いきや、跳ね返って岡村が撃たれてしまうという展開にリスナーからは大爆笑が巻き起こる。しかし、岡村の胸にはお守りが入っており、そのおかげで無事だったというようにニヤリ顔。そのままバルーンに照準を合わせて撃ち抜くと、キングカズ(三浦知良)をイメージした真っ赤なスーツの矢部がやっと登場。「もう(時間が)押してるわ」と嘆きながら、ふたりの「ナインティナインのオールナイトニッポン歌謡祭! in 横浜アリーナ!」という掛け声でイベントがスタートした。
最初の1曲は、やはりこの曲「POISON ~言いたい事も言えないこんな世の中は~」。サビの「POISON!」を一緒に歌ったり、「元気ですか!?」と聞いて反応を伺ったりと、さっそくリスナーとの交流を楽しむふたり。「最後までバカになってください!」と呼びかけ、これから続々と登場する豪華ゲストのパフォーマンスやたくさんの企画に向けて勢い付けた。
盛り上がる準備万端のリスナーの前に現れた最初のゲストは、DA PUMP。番組お馴染みの「Feelin’ Good -It’s PARADAISE-」や“いいねダンス”で話題になった「U.S.A.」、そして2024年7月にリリースした「Pump It Up! feat. TAKUMA THE GREAT」では岡村とダンスでコラボレーション。岡村はDA PUMPに負けず劣らずのキレキレなブレイクダンスを見せつけた。2023年はアキレス腱断裂でなかなか思ったように動けなかった岡村。しかし今回は完治させ、万全な状態でこのイベントに挑むことができたよう。「今年はめいっぱいやらせてもらおうと思って」と意気込みを明かしたり、DA PUMPメンバーの印象を話したり、番組やナイナイと関わりの深いDA PUMPとだからこそ繰り広げられるトークを展開した。
続いても番組お馴染みのゲスト、カリスマボイストレーナーの秋山先生こと秋山竜次(ロバート)。よく「あやしい」と言われる彼の釈明ソング「あやしくないから」、「東京都内の公共施設、都が運営しているのか? 区が運営しているのか?」という永遠のテーマを歌詞にした「TOKAKUKA」、番組で「大黒摩季さんの『熱くなれ!』ですが、キーが高すぎて歌えません。 上手に歌うにはどうしたらいいですか?」というリスナーの質問に対し、「これ、ある“ワンフレーズ”で歌いきれば上手に歌えるんです!」と秋山が答えたことで生まれた「熱くなれ」の3曲を披露。「熱くなれ!」は「ペニゲリオン」という言葉だけで構成されているのだが、今回は「リスナーが飽きないように」とオリジナルの歌詞も加わったスペシャルなものになっていた。
ナイナイからのムチャ振り「質問FAX」攻めに大苦戦するお馴染みの展開で大爆笑をさらったあとは、毎年恒例、高須克弥院長のプレゼントコーナーへ。ヘリコプターのプロペラ音と共に、ヘリコプターを模したトロッコに乗って客席を通って登場した高須院長は、今回「ヘリコプタークルーズの旅」を持ってきてくれた。リスナーがこれをGETするには「矢部浩之のそう!そう!そう!そう!クイズ」で正解を導き出さなければならない。この説明の間に急に高須院長が服を脱ぎ出してナイナイが慌てる場面も。なんと高須院長が秋山のTシャツモノマネを仕込んできており、プリントされていた人物は、なぜか高須院長自身。矢部は「何をし出すかと思いました」、岡村は「W高須先生ですね」などツッコんでいた。
続いて『ナイナイ歌謡祭』初参加となる乃木坂46久保史緒里が登場。乃木坂46の「おひとりさま天国」をナイナイと一緒に、また『ナイナイのお見合い大作戦』が大好きだったという久保がソロで、いきものがかりの「キミがいる」を歌唱した。久保とナイナイの交流は、久保の“シソ好き”がきっかけ。ちょうどベランダでシソを育てていた岡村がそれを聞きつけ、「(自身の育てた)シソの天ぷらを食べてもらいたい」とニッポン放送の局内に「天ぷら おかむら」を出店。その後、岡村がパクチーまで育て始めてしまい、再び久保に食べさせたいと「餃子の岡村」をオープン。パクチーしか入っていない「パクチー餃子」に対し「あれはすごかった…!」と久保が振り返っていると、2025年1月に開催される久保の番組イベント『乃木坂46のオールナイトニッポン presents 久保史緒里の青春文化祭 in 横浜アリーナ』の話に。岡村が「フードコート出そうか?」と提案すると、久保は「本当ですか?」と目を輝かせた。
「来年は干物パーティに呼んでもらいたい!」と再びナイナイとの交流を願った久保に「いつもステキなあの方!」と紹介された次の出演者は、矢部。Mr.Childrenの「everybody goes ~秩序のない現代にドロップキック~」を歌いながら、2023年と同じく矢部の顔が印刷された紙幣の小道具を派手に客席にバラまく。
また、中学生のときに憧れた一世風靡セピア風の衣装に着替え、さらにサプライズゲストとして原口あきまさを迎え「前略、道の上より」をパフォーマンス。原口は「ハッ」のところで明石家さんまのモノマネで歯を強調したり、と思えば室井慎次や石橋貴明、勝俣州和、高田純次、東野幸治に切り替わったりと、モノマネのレパートリーをこれでもかというほど披露した。そしてリフティングしながら「匂艶 THE NIGHT CLUB」を歌うというチャレンジ企画も。歌唱前に「成功したら、今日いちばんの拍手をください」とリスナーに求めていたが、惜しくもボールを落としてしまう。それでも再チャレンジしながら歌い切った矢部に、リスナーからは賞賛の拍手が。客席にこぼれたボールだけでなく、今回から設けられた「親子席」の子どもに向けてサッカーボールをプレゼントする場面も。矢部からボールを渡された男の子は嬉しそうな笑顔を浮かべていた。
続いて登場した岡村も、「長い夜」を観客とハイタッチしながら歌唱。白いスーツにピンクのスカーフを巻いて松山千春になりきっていたが、次曲のCreepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」では上着を脱いで派手な柄シャツへとチェンジ。早口のラップシーンもしっかり口が回っており、「半年以上練習した」と入念な準備をしたことを明かした。2023年もYOASOBIの「アイドル」を必死で練習していたことから、「同じパターンを作ってしまったのでは」と次回公演も難解な楽曲にチャレンジしなければならないのではと戦々恐々としていた。そして3曲目でも着替えを挟み、「ドン・キホーテ」で揃えたという金の着物とちょんまげのカツラを被り、リスナーから募集した歌詞で構成された替え歌「パクチーサンバII」(原曲:マツケンサンバII/松平健)も高らかに歌い切った。
いよいよ後半戦に突入。「はじめましてanoです!」と元気いっぱいに登場したanoは、話題のアニメ作品の主題歌「ちゅ、多様性。」「許婚っきゅん」「絶絶絶絶対聖域」でロックな歌声を会場に響かせる。その後のトークでは、先ほどまでステージ上でデスボイスを発していたとは思えない話し方に「ギャップすごいな!」と驚くナイナイ。一方のanoも、ナイナイについて「おじいちゃんみたい」だと思っていたが、今回のステージを見て「おじいちゃんじゃなくなった」と印象が変わったと語る。そんなナイナイとやりたいことがあるというanoは、TikTokにあげたいと「許婚っきゅん」のダンスを一緒に踊りその様子を撮影したり、以前番組にゲスト出演したときと同じくナイナイの似顔絵を描いたりと、ステージとはギャップあるほのぼのとしたコーナーを展開した。なお、動画は実際にanoのTikTokに投稿されている。
番組エンディングテーマを務めるネクライトーキーは「bloom」と、もちろん番組のエンディング曲「明日にだって」も披露。「今年のメインビジュアルと一緒の色にして、最後まで全力で楽しんでください!」という矢部の声をきっかけに、リスナーがサイリウムの色を変え、客席が赤色に染まる。そしてふたりの「わーわーゆーております」「お時間です」というお馴染みの挨拶で「明日にだって」の演奏がスタートすると、会場後方のスクリーンにこの1年間の番組写真が映し出され、会場をエモーショナルな空気で包み込んだ。
しかし、イベントはこれで終わりではない。大トリを飾るのは、ナイナイ憧れのアーティスト、鈴木雅之。「違う、そうじゃない」「DADDY ! DADDY ! DO!」「ランナウェイ」「夢で逢えたら」という最近のヒット曲から往年の名曲まで豪華なナンバーを披露し、リスナーを魅了した。ナイナイは、鈴木に対してこれまでも何度か出演依頼をしていたそう。だが、なかなかスケジュールが合わず、これまで出演に至っていなかった。それは鈴木もずっと心苦しく残念に思っていたようで、MCで「ついにステージに立つことができました!」と喜びをあらわに。オープニングからずっとステージを見ており、「歌謡祭って言いながら、MC長いね」と率直な感想で会場を和ませる。その一方「アウェーになるかと思いましたが、皆さんが迎えてくださってうれしかった」とナイナイの作り上げた空気と、リスナーの温かさに感謝。するとナイナイも「日頃ラジオを聴いてくれて、こういうイベントでもバカになってくれる」とリスナーへ感謝していることを明かしていた。
エンディングでは、出演者が全員集合。今回のエンディングはこれまでと違い矢部が「毎回のように『HOWEVER』をむりやり“歌わされていた”んですが(笑)…解放していただきたい。今年からは締めるべき人にキチンと締めていただきたいと思います!」と、鈴木の歌う「め組のひと」で締めくくることに。最後の「めッ!」では銀テープが飛び、この日いちばんの盛り上がりを見せていた。
ゲストがはけてナイナイふたりだけがステージに残り、改めてイベントの感想を。岡村が「FNS歌謡祭を目指していたけど、本当に歌謡祭らしくなってきた」と言うと、矢部は「本当に目指していたんですか?(笑)アーティストの皆さんのおかげですね」とアーティストたちに感謝。そして「わーわーいうております!」(矢部)「お時間です!」(岡村)の声をきっかけに、リスナーと一緒に「さようなら~!」と掛け合って、大盛り上がりままイベントは締めくくられた。
同イベントの見逃し配信は、11月3日23時59分まで。なお、ニッポン放送では本公演の配信視聴券の購入者を対象に、抽選で合計20名にナインティナインのサイン入り特製ポスターが当たるキャンペーンを実施中。詳しくは『ナイナイ歌謡祭』のイベントホームページまで。また、10月31日の『ナインティナインのオールナイトニッポン』生放送でも、裏話満載で歌謡祭を振り返る。
『ニッポン放送開局70周年記念 ナインティナインのオールナイトニッポン歌謡祭』イベントサイト
https://event.1242.com/events/99ann_fes2024/