■1999年9月8日にシングル「アポロ」でメジャーデビュー
9月8日、ポルノグラフィティが野外ワンマンライヴ『因島・横浜ロマンスポルノ’24 〜解放区〜』の最終公演を神奈川・横浜スタジアムで開催した。
ポルノグラフィティは1999年9月8日にシングル「アポロ」でメジャーデビュー。この横浜スタジアム公演の日はまさにデビュー25周年の記念日にあたる。今年は全国ツアー『PG wasn’t built in a day』を開催したり、ベストアルバム『ポルノグラフィティ全書 〜ALL TIME SINGLES〜』をリリースするなど、25周年に向けて精力的に活動を行ってきた。そして、8月31日・9月1日の2日間、岡野昭仁と新藤晴一の地元の広島・因島運動公園と、9月7日・8日の横浜スタジアムで『因島・横浜ロマンスポルノ’24 〜解放区〜』を開催。因島の初日は台風の影響で残念ながら中止となってしまったが、2日目、そして横浜2デイズは無事に開催された。
約6年ぶりの野外スタジアムライヴとなった横浜スタジアム公演は、「おいでよサンタモニカ」でスタートした。岡野が「1999年の9月8日にデビューして、今日で25年になります!この素晴らしい横浜スタジアムでライヴができて幸せです!ポルノグラフィティは幸せ者でーす!」と感謝の気持ちを伝えると、ファンから大きく温かい拍手が返ってきた。そして「ネオメロドラマティック」に突入し、会場はさらにヒートアップしていく。「メジャー」、デビュー曲「アポロ」とたたみかけ、すでに会場には一体感が生み出されていた。
新藤が「“音楽でメシ食う”って因島を出てきて、25年、音楽でメシ食ってんだけど、食ったもので体って出来てるじゃん。調べたら、新陳代謝で体全体が入れ替わるのが5年なんやって。ということは俺、5回ポルノグラフィティとして入れ替わってる。俺は100%ポルノグラフィティやなと思ってる」と25周年を新陳代謝のサイクルに例えて話し、ソロ活動の経験のある岡野に向かって「キミは99%くらい?」と振ると、「ミュージカルやっとるけぇ、あなたも97%くらいでしょ」と返されてしまう。そんな新藤は「今日、100%にして帰ります!」と声高らかに宣言した。
岡野は因島公演の初日が中止になったことについて触れつつ、「悔しい人の気持ちを拭うくらいに、因島の2日目と昨日(横浜初日)が盛り上がってくれて、今日もここまで盛り上がってくれてるので安心しております」と伝え、「先週は因島でライヴをやってきたので、因島の匂いがする、そんな曲を皆さんにお届けします」と言って「狼」を聴かせ、火柱の特効を使った派手な演出の「OLD VILLAGER」も続けて披露した。
■晴れ続きの浜スタはレアなケース
横浜スタジアムでライヴをするのが5回目だと伝えた岡野は「こんなに穏やかな横浜スタジアムは僕ら初めてでした!2日間こんな晴れたことある?」と新藤に聞くと「ない」と即答。“雨男”というのはファンに知られているふたりだけに、晴れ続きの浜スタはレアなケースだという。
そんな穏やかな天候の下、「FLAG」「カメレオン・レンズ」「シスター」「愛が呼ぶほうへ」、そして「ライヴでやってなかった曲」と言って「むかいあわせ」(シングル「瞬く星の下で」のカップリング曲)も演奏した。
新藤のギターが印象的な「螺旋」から後半戦に突入。「Zombies are standing out」では炎の特効を使用し、歌と演奏にも熱がこもる。「まだまだ元気ですか?」とオーディエンスを煽り、「ヒトリノ夜」では会場中が大合唱。「Jazz up」では金テープが舞い、「最高じゃー!」と最高潮。「ミュージック・アワー」ではサビの部分をみんなで振り付きで踊って盛り上げていく。「アゲハ蝶」ではハンドクラップと♪ラララの大合唱。
岡野が「わしらにとっても君らと過ごす時間が最高の“解放区”となってます。ホンマにありがとう!」と感謝の気持ちを伝えて、本編最後は「解放区」で、ステージセットをより彩る花火と共に締めくくった。
■11月8日・9日・10日の3日間、9月1日の因島公演の模様が全国の映画館で上映される
アンコールで、岡野は「ここで皆さんにお知らせがあって」と言って、9月1日に行われた因島公演の模様が全国の映画館で上映されることを発表した。上映日は11月8日・9日・10日の3日間。「すげえ熱いライヴで、気温的にも暑くて…、直射日光を浴びた茹でられたポルノグラフィティが見られるので楽しみにしててください。見れなかったという人もこの3日間に映画館で、現地の空気はなかなかそのままは感じれんけど、少しでも感じてください!」とアピールした。
そして、メインステージの反対側になるサブステージに移動し、未発表曲「ヴィヴァーチェ」を初披露。「多様性という言葉をよく聞く世の中だけど、見えない枠に囚われてそこから出られない窮屈な思いをしてる人も多いと思う。その枠から飛び越えたときにやっと自分らしさを出せると思います。自分を鼓舞して、その枠を飛び越えれば。この曲がそんなきっかけになれば」と、この曲に込めた思いも語った。
新藤は「デビュー直後にいろんな人の力を借りて武道館をやれたりして、それはそれで素晴らしい経験だったけど、25年でこんな大きいところで、たくさんの人に祝福してもらえるのは意味が違うんだよね」と感慨深げに語り、「ここにまだ立てるのは我々の自己新記録を打ち立てた気分だし、これからも自分たちなりの自己新記録を更新できたらいいなと思います。どうもありがとう」と伝えた。
岡野は「個人的なことを言うけど、25年で一番いい歌が歌えました。それはみんなが背中を押してくれたから。20周年のときに東京ドームをやって、そこからも山を登っている感覚があったけど、この頂上に来たとき、本当に最高の景色が見えています。5年後も10年後も、山の頂上でこんないい景色を見続けられたらと思います。今日は来てくれてありがとうございます」と思いを伝えた。
そのあとは「Ohhh!!! HANABI」でお祭り気分で大騒ぎし、花火も打ち上がった。ラストは「ジレンマ」を演奏し、「あんたら、あんたら、最高!あんたら、まじ最高!あんたら、胸はれ!あんたらは、自信もって行け!最高の記念日になりました。ありがとう!」と言って岡野のジャンプで締めた。
■球場のウグイス嬢が「デビュー25周年を迎えたメンバーを紹介します」とアナウンス
これで終わりかと思いきや、球場のウグイス嬢が「デビュー25周年を迎えたメンバーを紹介します」とアナウンスし、岡野と新藤を改めて紹介。ふたりはビールの売り子にビールを注いでもらい、ステージの上で乾杯しておいしそうにビールを飲み干した。新藤が「またね!」と、岡野が「これからもよろしく!」と生声で挨拶して、握手を交わして横浜スタジアム公演の幕が下ろされた。
TEXT BY 田中隆信
PHOTO BY 入日伸介
ポルノグラフィティ「因島・横浜ロマンスポルノ ’24 〜解放区〜」
2024年9月8日 横浜スタジアム
セットリスト
00. おいでよサンタモニカ
01. ネオメロドラマティック
02. メジャー
03. アポロ
04. 狼
05. OLD VILLAGER
06. FLAG
07. カメレオン・レンズ
08. シスター
09. 愛が呼ぶほうへ
10. むかいあわせ
11. ギフト
12. THE DAY
13. 螺旋
14. Zombies are standing out
15. 今宵、月が見えずとも
16. ひとひら
17. ヒトリノ夜
18. Jazz up
19. ミュージック・アワー
20. アゲハ蝶
21. 解放区
アンコール
EN1. ヴィヴァーチェ
EN2. Ohhh!!! HANABI
EN3. ジレンマ
ロマンスポルノ’24 ~解放区~ 因島SP DELAY VIEWING
<日 時>
2024年11月8日(金)19:00開演
2024年11月9日(土)14:00開演
2024年11月10日(日)14:00開演
<会 場>
全国各地の映画館
ロマンスポルノ’24 ~解放区~ 因島SP DELAY VIEWING特設サイト
https://liveviewing.jp/pg25th-innoshima/
ポルノグラフィティ OFFICIAL SITE
https://www.pornograffitti.jp/