■派生ユニットの楽曲や、田中洸希主演ドラマの主題歌「Sweets」もパフォーマンス!
今年3月にメジャーデビューを果たし、7月29日にメジャー初の全国ホールツアーを終えたばかりの9人組ミクスチャーユニット・SUPER★DRAGONが、8月3日に『コカ・コーラSUMMER STATION音楽LIVE』に出演した。
毎年、夏休み時期に開催されている『テレビ朝日・六本木ヒルズ夏祭りSUMMER STATION』(通称“サマステ”)の一環として行われ、多数の人気アーティストが日替わりで登場する本ライブに彼らが参加するのは今年で4度目。2019年よりサマステ自体が開催されなかった2年間を経て皆勤賞となっており、勝手知ったるステージにはBLUEと呼ばれるスパドラファンたちが朝から大勢詰めかけた。
そんな彼らに応えるかのように、ツアーで得た進化を天井から風が吹き込む半屋外のSUMMER STATION LIVEアリーナ (六本木ヒルズアリーナ)に持ち込んで、9人は終始“攻め”の姿勢でパフォーム。まさかの派生ユニットの楽曲も盛り込んで、容赦なく全力で1時間のイベントを務め上げた。
SとDを象ったグループロゴをフィーチャーしたオープニング映像が流れるなか、真っ白な衣装の9人が登場してジャン海渡が「楽しんでいこうぜ!」と呼びかけると、センターで古川毅が朗々たる声を放ち、最新アルバムの収録曲「Tap tap tap!」でライブは開幕。力強さを前面に押し出したロックチューンで、ステージの横幅いっぱいに広がってBLUEを沸かせたかと思いきや、一気にセンターへと収縮する立体的なダンスパフォーマンスと伸びやかなボーカル、リズミカルなラップで、気温35度に迫る会場の熱をさらに上げていく。
続く「Breakdown Anthem」の英詞ラップを松村和哉が放つと客席はドッと沸騰。シンクロ率が高く緩急の利いた緻密なダンスを繰り広げる9人に、BLUEは自然光のなかでも青く灯るペンライトを振り上げて、通常のホールライブではあり得ないほど近距離のステージと親密な空間を分かち合う。「Don’ t Turn It Down」では低音のうねるようなグルーヴが客席を揺らし、田中洸希はヒューマンビートボックスでスクラッチをお見舞いするや、颯爽と黒いサングラスを外して場内を黄色い声の嵐に。ステージ上のカメラをうまく使って、身体のみならず顔面と表情でもアピールする余裕はさすがである。
猛暑日の真昼間に「盛り上がってますか! 太陽の暑さに負けないくらい熱いライブをカマしていきたい」と宣言したジャンは、「派生ユニットのパフォーマンスで、より盛り上げられるんじゃないか」と口にして、なんと派生ユニット2組が単独でパフォーマンスすることに。
まずは古川毅が「あの太陽よりも熱くいけますか!?」と煽って、志村玲於、ジャン海渡、飯島颯の年長組4人によるファイヤードラゴンで「Let’s Get Down」をドロップする。曲が始まるやメンバーと一緒に踊りだすBLUEに、ジャンは「よく(振りを)覚えてるな!」と驚きながら、4人でステージを右へ左へ。普段は歌うことのない志村と飯島も含め、全員がボーカルを取るファンクなナンバーでクラップを誘い、スラングで“踊ろうよ”という意味のタイトルを具現化していく。
入れ替わりに伊藤壮吾、田中洸希、池田彪馬、松村和哉、柴崎楽の年少組・サンダードラゴンが登場し、ロックな「リマカブロ!」のイントロが流れるや待望の選曲に大歓声が。曲頭に声を合わせて“せーの!”と掛け声をあげるBLUEがペンライトを振りあげれば、真夏の野外というレアなシチュエーションはメンバー自身のエンジンをも暴走させていく。
バイクの運転を模した振り付けのさなか、池田が伊藤をつついたり、松村が突然「見てください!」と腕の筋肉を見せつけたり。田中のヒューマンビートボックスをBGMに他の4人がファイティングポーズで打ち合う真似をしたりと、平均年齢20.6歳のヤンチャなエナジーを弾けさせた。
さらに志村、飯島、伊藤、柴崎のダンサー組のみで歌い、踊る「SAWAGE!!!!」になだれ込むと、客席の熱狂はクライマックスに。昨年のサマステでも発表直後にもかかわらず、すさまじい盛り上がりを呼んだお祭りソングだが、今年はイントロから曲中までみっちりとBLUEのコールが詰め込まれ、神輿を担ぐがごとく“SAWAGE!!!! SAWAGE!!!!”とペンライトが振りあがるのは壮観だ。柴崎も見事な背筋でのけ反り、最後はボーカル&ラッパーの5人も乱入して、歌詞の通りの“どんちゃん騒ぎ”を繰り広げてみせた。
そこでさらなる悲鳴をあげさせたのは、ちょうどライブ当日の深夜よりテレビ朝日で放送開始するドラマ『シュガードッグライフ』の主題歌「Sweets」。このドラマに主演する田中洸希がイントロで大きなハートマークを作ったのを皮切りに、恋心をデザートに例えた愛らしいリリックを、愛らしいサウンドと愛らしくもスタイリッシュな振り付けで描き出していく。
これまでのスパドラにはなかった“かわいい”楽曲はBLUEを胸キュンさせ、古川が“甘すぎる恋しよう”と歌って指を立てれば、田中は“甘すぎるKissをしよう”というラストフレーズで投げキスしてニッコリ。また、中盤では田中が歌う池田をバックハグする場面もあり、真夏のステージを彼ら自身も楽しんでいることが伝わってきた。
そこからは夏のラブソング2曲で、都心のアリーナを海辺へと変貌。遠距離で燃え上がる恋を歌う「Ringing, Love」でやりきれないエモーションをにじませると、古川と池田の切ないボーカルを軸に、浮遊感とタフネスを交互に表すダンスを対比させながら、ひと夏の秘密の恋を綴る「Summer Breeze」へ。ストーリーは異なるが、双方ともに歌詞に登場する“ソーダ水”のように儚くも弾けるようなトキメキをBLUEに届けていく。
拍手のなかで水分補給タイムを設け、あまりの暑さに古川は「ヤバいね」と漏らしつつ「やっぱ夏ってSUMMER STATIONで始まるところ、結局あるよね。いろんな思い出が詰まってる」とサマステ常連らしい言葉も。続いて「SUPER★DRAGONをよく知っている方は察していると思いますが、怒涛の追い込みラッシュです。一緒に大汗かけますか!」とジャンが煽ってからは、激ロック曲で全員一丸となって客席に食らいつく「BADASS」に「Untouchable MAX」と盛り上がり必至のヘヴィロック曲を連投する。
その双方で田中は攻撃力抜群のヒューマンビートボックスを投下し、後者ではBLUEの大合唱が。最後に“Untouchable!”と振り絞った古川は「タオルの準備できてますか!?」と「Reach the sky」へつなぎ、9人で一列に肩を組んでラインダンスで前に出て、BLUEと一緒にタオルを振りたくる。気温を超える高揚感と多幸感のなか、最後は「みんなの幸せを祈って、願って、歌いたいと思います」と古川が号令をかけて、9月11日にリリースされるメジャー2ndシングルに収録されている「Younger Forevermore」へ。
メンバー自身が制作して6~7月に行われていたホールツアーでお披露目されて以降、聴く者を勇気づける高いメッセージ性ですっかりBLUEに浸透したミドルチューンに、会場中からクラップが湧き上がった。“いつまでも若く”という意味のタイトルには、きっと人生をあきらめることなく、瑞々しい感性と衝撃を忘れることなく生きていきたいという彼らの想いが込められている。
「俺たちの夏は終わらないんで、まだまだ今年の夏も楽しみましょう!」と古川が宣言したとおり、9月11日にはメジャー2ndシングル「Downforce」がリリースされることが決定しており、それに伴い全国を回るリリースイベントも8月11日からスタート。9月27日には結成10周年を迎え、翌日の9月28日にはイベント『DRA FES』も埼玉・大宮ソニックシティ 大ホールで開催される。
『シュガードッグライフ』に主演する田中洸希をはじめ役者として活動するメンバーも多く、その経験はステージでの表現にも活きてくるに違いない。多芸多才なメンバーがそれぞれの武器を持ち込んで生み出すSUPER★DRAGONという生き物の進化が、この夏も楽しみだ。
TEXT BY 清水素子
PHOTO BY 米山三郎
<セットリスト>
01. Tap tap tap! MIXTURE ver.
02. Breakdown Anthem
03. Don’t Turn It Down
04. Let’s Get Down
05. リマカブロ!
06. SAWAGE!!!!
07. Sweets
08. Ringing, Love
09. Summer Breeze
10. BADASS
11. Untouchable MAX
12. Reach the sky
13. Younger Forevermore
SUPER★DRAGON OFFICIAL SITE
https://super-dragon.jp/