■「素敵な時間が過ごせるよう、サービス精神フル稼働でトークしていきたいと思います」(亀梨和也)
亀梨和也が主演を務めるWOWOW 連続ドラマW 東野圭吾『ゲームの名は誘拐』の完成披露試写会が5月28日、ユナイテッド・シネマ豊洲スクリーンにて開催された。
完成披露試試写会の前の舞台挨拶には、主演の亀梨和也、見上愛、渡部篤郎が登壇。さらに、MCは同作品への出演が決定している森香澄が務めた。本稿ではそのオフィシャルレポートを掲載する。
「キャストのみなさんをお呼びしましょう」とMCの振りから主要キャストである見上愛、渡部篤郎が拍手に迎えられて登壇。次は主演の登場…と場内の期待が高まるも、肝心の亀梨和也が現れない。MCの森が「主演の亀梨さんの姿が見当たらないんですけど、どこにいらっしゃるのでしょうか?」と投げかけると場内が暗転。突如、スクリーンにドラマの予告映像が流れ始める。
「全てはゲームだ。所詮はただの遊びにすぎない」「俺はエリートでい続けるためにこのゲームを仕掛ける――」。数々の印象的な台詞を刻みつける映像に続き、「すべてはゲームだ、この世界のすべては」と場内にリアル亀梨ボイスが響き渡る。後方からのサプライズ登場に声を驚きの上げる観客も。ゆっくりとステージに向かって進み、登壇すると改めて3名を紹介。
「後ろで小っ恥ずかしかったです(笑)」と照れくさそうな素顔を覗かせ、WOWOW公式YouTubeチャンネルでの生配信用にカメラに向かって手を振りながら、今まで訪れた国々の言葉でにこやかに挨拶を行い、「素敵な時間が過ごせるよう、サービス精神フル稼働でトークしていきたいと思いますので、よろしくお願いします」とコメント。
作品の魅力、台本を読んだ率直な感想を、という質問に対しては、「映像にするにあたって、これはなかなか大変だなと思う部分もあり、今回このチームでどう作っていくのかと思っていました。我々キャストもここでこういう流れが生まれますといった説明を現場で受けながらイメージを膨らませ、そこにはないものでお芝居をするということも多々ありました。出来上がりは本当に素晴らしい作品に仕上がっていたので、早くみなさんに観ていただきたいという思いでいっぱいです。本当に東京で撮れるのか!? という部分もあったので、そういったことも踏まえて観ていただいたら、またちょっと面白さがあるかもしれません」(亀梨)、「ラストにかけて私もしっかりと騙されました。ミステリーの仕掛けも素晴らしいのですが、そこに至る人間ドラマもどう描かれるのか、楽しみにしていました」(見上)、「20数年前に発表された小説で、当時と今とでは文化も変わってきているので内容的に少々変わってくる部分もある。それでも、物語が良ければ誰かが引き継いでいく。それが名作というものなんだなと」(渡部)とそれぞれに作品に対する思いを語った。
また、お互いの印象に関しても、亀梨と見上は早い段階から意思の疎通ができたのがよかったと語り、亀梨、渡部は初共演ながら、プライベートでは意外な場所で顔を合わせていたと告白。
「渡部さんとはプライベートで何度も、サウナでお会いしたこともあったりして。僕の中でも信頼感があって、キャストでお名前を見かけたときに、ああよかったと安心しました。いつお会いしても“亀ちゃん元気~?”と気さくに声をかけてくださる方で、現場でもフランクにいろいろお話ししてくださった。お芝居では佐久間として緊張感を持って集中させてもらったので、ありがたかったです」とうれしそうに語っていた。
見上から見た亀梨のイメージは、クールで怖そう、というものだったそうだが、「気さくに話しかけてくれて。探り合うような時間がなかったので、ありがたかった。樹理としては平等なバディというのを望んでいるので、並んでいこうという気持ちでやらせていただきました」とコメント。渡部に対しては、「テレビで拝見していた通りの紳士であり、こういう大人になりたいと憧れていた」と話した。
渡部から見た亀梨は「仕事の経験値も、生きてきた経験値もある、真面目な方」。「すごく真摯に作品に取り組んでいて、さすがだなと。彼がきちんとした生き方をしてきたからかなと」と大絶賛。
また見上に対しては「(見上が出演した)『幽☆遊☆白書』とかも大好きで」と語った瞬間、見上自身も「ありがとうございます!」と感極まった表情に。「とっても素晴らしい女優さんだなと。一緒のシーンは少なくて残念でしたが、これからの活躍を楽しみにしています」と締めた。
ミステリー部分ともうひとつ、気になるのが佐久間と樹理の関係性だ。犯人と被害者が恋愛に似た感情を抱くこと、いわゆる「ストックホルム症候群」についてどう思うかと聞かれると、「序盤のテーマに一番沿った部分でもある」と亀梨。
「恋愛というパートがたくさん描かれているわけではないので、いつふたりがそういう思いで繋がっていくのかというのは、ふたりで辿り着かないといけないよねと話していたんです。ひとつのことに対する目的意識をしっかり持って過ごすというのは、どこか恋愛と錯覚するのか、本当にそういう感情なのか。弱さを共有し合うと恋愛という感情になっていくのかなと僕は思いましたけど…」と熱を帯びた語りからハッと我に返ったかのように「いかが思いましたか?」「しゃべり過ぎちゃった」と苦笑いしながら、丁寧に見上に振る。「そう思います。秘密を共有するというのもひとつあるよねと監督とも話し合ったので」と見上と息のあったやりとりを展開した。
続いては番組公式Xで募集した質問に答えてもらうコーナーへ。「佐久間と亀梨さんとの共通点は?」という質問でMCが噛んだところも見逃さずに突っ込んで笑いに持っていく。
「ステージに上がって“亀梨くん”をやっているときの、360度観られている感覚というのを引っ張り出してやっていましたね。何か考えているときも、オフィスにいる人の目がすべて自分に向けられているというぐらいの意識でやっていました」
佐久間というプライドが高く自信家なキャラクターを演じるにあたって、“手を使う”ボディランゲージを意識的に取り入れたという役作りの裏話も。「そうなんですよ」と手を前に出してポーズも披露した。
続いては見上への「亀梨さんのおちゃめな行動は?」という質問に対して、「意外な行動でもいいですか?」と前置きをして「撮影が終わったあとビルを降りたら、亀梨さんが普通にたこ焼きを買っていて。変装も何もせずにマネージャーさんの分まで買っていたのが意外でした(笑)」と語ると、「あの部屋は何度か使ったことがあって、たこ焼き屋さんがあることも知っていたから。撮影中は節制していたのでご褒美的な感じです」とエピソードに肉付けした。
最後は渡部へ、「俳優・亀梨和也の魅力は?」という気になる質問が投げられる。「やっぱり真面目にやっている人って素敵じゃないですか。あとはもう僕なんかが言えることじゃない。大スターですから」と真顔で答えると、「やめてください(笑)」と亀梨が照れまくっていたのが印象的だった。
生配信の終了後、WOWOW公式YouTubeチャンネルから1話が配信されるとアナウンスがあると、「おお!」と盛り上がり、「とにかく我々の台詞、映像から送られる情報に身を委ねて。そこから得られる情報をしっかり楽しんでいただけたら、いいラストに繋がるのではないかなと思います。ぜひ楽しんでください!」
ここで配信が終了し、会場での最後の質問へ。それは「最近、思わず家に連れて帰りたくなったもの」というクエスチョン。亀梨は「買ったものとかでいいでしょうか。MLBのドジャースの開幕戦、韓国に仕事で行ったときに、しっかりグッズを手に入れました。Tシャツは普通におうちで部屋着として着ています」と話し、そのまま見上、渡部も買ったもののエピソードを披露していく。
「撮影の合間に寄った道の駅で金柑の木を買いました。観葉植物用のプランターで育てています」という見上に、「ほう!」とリアクションし、トーク泥棒になっちゃいますけど、と亀梨が話し続ける。
「ブーゲンビリアを長いこと育てていて一生懸命水をあげたりしているんですが、トゲばっかりできて年にひとつ花が咲くか咲かないかといった感じで。今年は自然の天気に任せてみようと思って放っておいたら、めちゃくちゃ花が咲いていたんです。手をかけすぎるのは良くないんだなって。今年の学びです。すみません、トークを誘拐してしまいました」と結ぶと「うまい!」と見上も笑顔に。「座布団はのちほど」と粋な応酬を見せた。
最後に答えた渡部が「何でも持ってますから(笑)」と言うと「カッコイイ」と亀梨が盛り上がる。「買うのは子どものものばかりです。靴とかすぐにサイズが大きくなるので」と語り、「じゃあ僕も養子に(笑)。足のサイズは変わりませんから、26.5で」とつなげ、会場をほっこりさせた。
そして主演の亀梨からのメッセージでイベントが終了。
「改めて、今日お越しいただき、ありがとうございます。この作品をこの環境でみていただけるのはうれしく思いますので、体中のすべてをつかって浸っていただけたらと思います。貴重なお時間ありがとうございました」
立ち去るときは見上を先に進ませて、客席に会釈をして一旦場をあとにした亀梨。フォトセッションで再登壇し、出ていくときも見上、渡部と道を譲り、自らは前と後ろに向かってお辞儀をして手を振るという完璧なファンサービスで素敵な余韻を残した。
番組情報
WOWOW 連続ドラマW 東野圭吾『ゲームの名は誘拐』
06/09(日)22:00より放送・配信スタート(全4話)
第1話無料放送:WOWOW プライム、WOWOW4K、WOWOWオンデマンド
出演:亀梨和也 見上 愛
武田航平 平山祐介 泉澤祐希 赤間麻里子 松村沙友理 山崎樹範
飯田基祐 小林隆
渡部篤郎
原作:東野圭吾『ゲームの名は誘拐』(光文社文庫刊)
監督:鈴木浩介
脚本:小峯裕之