■あらゆるリミッターが解除されてのリベンジマッチ
LiSAが、4月19日、20日に東京・日本武道館でワンマンライブ『LiVE is Smile Always~i SCREAM~』を開催した。2日間の公演は見事にソールドアウト。ここではソロデビュー13周年を迎えた記念日当日、4月20日(土)に行われたライブの模様をレポートする。
LiSAは、2011年4月20日1stミニアルバム『Letters to U』をリリースしソロデビュー。圧倒的なボーカル力とパワフルなバンドサウンドを武器に、大勢のLiSAッ子(LiSAのファン)を巻き込みながら爆進してきた。前回2022年4月に行われた武道館公演『LiVE is Smile Always~Eve&Birth~』は、コロナ禍により声援無しでのライブだった。まさに今回の武道館2デイズは、あらゆるリミッターが解除されてのリベンジマッチと言ったところ。ステージ横の客席までびっしりとLiSAッ子が埋め尽くす超満員の武道館で、大熱狂のライブが繰り広げられた。
場内が暗転すると、荒野をドライブするアニメ映像が流れ会場に大歓声が響く。するとスポットライトに照らされた小さな女の子が「LiTTLE DEViL PARADE」をワンフレーズ歌い、ステージセット上段にLiSAが登場。「LOSER ~希望と未来に無縁のカタルシス~」から本格的にライブはスタートする。観客のピンクのペンライトに包まれる中、彼女はミッドテンポのグルーヴサウンドでダンサーとともにパフォーマンス。じわじわと会場の熱量を上げると「武道館!」とシャウトし、上着を脱ぎ捨てる。チェック柄の衣装となった彼女は「ROCK-mode’18」を投下した。“i SCREAM”の看板が掛かったダイナーのセットをバックに、LiSAと彼女のライブを支えるバンドメンバーが爆音を鳴らす。LiSAの気合いの入ったボーカルと疾走感溢れるサウンド、そして観客の歌声とクラップが一体となり武道館はヒートアップした。
「ようこそ『LiVE is Smile Always~i SCREAM~』日本武道館!こんばんは、LiSAです!」と挨拶するとLiSAッ子は大歓声。「今日は大切な大切な記念日です。この記念日、叫び倒す準備いいですか!ここにいる全員の声で武道館を埋める準備はいいですか!」
「今日は、13周年にたどり着いたアイスクリーム屋さんです。初めての人もそうじゃない人も叫ぶ準備はいいですか!愛と思いやりを大切に、みーんなで最高に楽しんでいきましょう、ピース!」と声を上げた。
タイトなドラムビートが鳴り響きソリッドな「ANTIHERO」が披露されると、観客はボルテージを上げる。ヘヴィなギターリフがうなり「confidence driver」でスロットル全開。LiSAが曲中に「今日皆さんはどこに来たんですか?“i SCREAM”しにきたんじゃないですか!もっと声聴かせてよ!」とシャウトすると、会場内の「オイ!オイ!」の歓声はますますボリュームアップ。LiSAが銀のバットを持って観客を煽ると、武道館にウェーブが巻き起こった。
ギターを手にしたLiSAは「リスキー」を歌唱。続けてエレクトリックなサウンドが交差する「覚醒屋」を披露すると、LiSAと観客のコールアンドレスポンスはパーフェクトなまでのコンビネーションを発揮する。ブルーのライトが場内をぐるぐる照らし、観客も青い光を掲げると、LiSAは「L.Miranic」をたたみ込む。感情をたぎらせ歌うLiSAとバンドの掛け合いは圧巻。さらに観客の声がプラスされ、武道館は完全にLiSAワールドとなった。
熱気に満ちた会場のLEDビジョンに突如“NO SCREAM”のアラートが映される。しかし“Find out by youself”の声が高まり、ポリスに扮したダンサーが必死に静止を促す。そこに拡声器を持ったLiSAが現れ「”PROPAGANDA”」を歌唱。全観客が“Find out by youself”を叫び、会場はさらなる一体感を見せた。アコースティックギターとピアノが切ないメロディを奏で、黒いタイトな衣装となったLiSAが「愛錠」を披露する。深い愛の想いを歌う彼女は、ふたりのダンサーと椅子を使ったセクシーなダンスを見せた。
怒涛の勢いで進行するライブは、ここでダンスメドレーコーナーに突入。ラブリーな衣装のLiSAは「ノンノン〜エレクトリリカル〜WiLD CANDY〜スパイシーワールド」という、かわいくポップなナンバーを連続で届け観客を楽しませる。ポンポンを持ったダンサーとともにLiSAは「Rally Go Round」を弾けるように歌唱し、曲の終わりにはラインダンスで楽しませる。そしてLiSAは、ピアノロックチューン「I’m a Rockstar」で夢への思いを爽やかなメロディで歌い上げた。
■拳を突き上げ、自分をさらけ出して生きていこうと歌うLiSAに、観客は大きな歌声とコーラスで応戦
ライブが折り返し地点を迎えると、冒頭でも聴かれた「LiTTLE DEViL PARADE」がフルバージョンで歌われる。「アイ、自分自身、アイ、LOVE、アイ、悲しいとか全部アイスクリームにして食べる準備はいいですかー!全部おいしく召し上がる準備はいいですかー!」とLiSAが声を上げると、観客が「LDP!!」を連呼した。団結力を深めた会場に投下されたのは「一斉ノ喝采」。拳を突き上げ、自分をさらけ出して生きていこうと歌うLiSAに、観客は大きな歌声とコーラスで応戦。武道館の熱気はすさまじいまでに上昇した。
MCタイムで、LiSAは「本日、2024年4月20日、13周年を迎えましたー!」「いろんなことが開けて叫べるようになった武道館で、リベンジしたいなと思いました。前回の武道館、叫べなくてみんなの声が聞こえなくて、すごく悔しかったじゃないですか。私の曲は、みんなの声が一緒になって完成する曲ばかりなんです。それは、みんなと一緒にライブで作ってきた曲ばかりだから。みんなと積み上げてきた歴史があって曲が完成してるものばかりだから。だから今日は、そんな悔しい思いとか、お祝いの気持ちとか、いろんなものを詰め込んで、“i SCREAM”一緒に叫んでもらうライブ用意しました」とライブのテーマを口にした。
「行けるか武道館!最後まで叫んでってー!」「全員で武道館揺らせー!」の声からLiSAは「REALiZE」を届ける。ソリッドなビートともにタフなボーカルで熱唱した彼女は、続けて「Psychedelic Drive」をドロップ。混沌とした世界観をうねりのあるボーカルで彩る。そしてLiSAは、ここで新曲「Shouted Serenade」を披露する。キレッキレのギターサウンドが炸裂する疾走感あふれるナンバーで、LiSAは自分を解放し叫ぶように歌唱した。
痛烈な高揚感に満たされた会場で、拳を上げるLiSAが「歌ってー!」と声を上げると観客は「オ〜オ〜オ〜」と歌声を響かせる。LiSAの叩くフロアタムのビートが大きなリズムを刻み「ADAMAS」に突入。勢いたっぷりのラウドチューンで、LiSAと観客は歌とコーラスの絶妙なコンビネーションを爆発させた。
ライブ本編を締めくくるナンバーは「Hi FiVE!」。手を開き高く掲げ、未来への希望を爽快なメロディで歌うLiSA。曲中に彼女は「初めてこのステージに立ったあの日。悔しくて悔しくて帰って泣いたあの日。それから倍返しして、武道館を仲間にしたあの日。それからたくさんのお祝いの日を、この日本武道館で過ごしてきました。いつだって、みんなと過ごす、最高の日、最高の未来を思い描きながら、13年このステージに立ってきました。今日は13周年のお祝いです。ありがとー!まだまだ走り続けるから着いてきてー!」と、13年間走り続け武道館をホームにできたうれしさと感謝を語る。そこからラストのサビへと疾走し、場内には銀テープが噴射。キラキラの客席に向かってLiSAは渾身の歌を届け、ライブ本編はフィニッシュとなる。
1万人のLiSAコールが響き渡り、アンコールのステージが始まる。ピアノを弾くLiSAが歌うのは「HELLO WORLD」。この世界は奇跡で溢れてるというメッセージを、彼女は心を込めて歌唱した。
■「まだまだ叫びたいこと、歌いたいこと、叶えたい夢がたくさんある」
MCでLiSAは「初めて武道館に立ったあの日、この武道館にまた立っている景色は思い描けていませんでした。しかも今日は11回目の武道館です。13年前デビューした4月20日、この武道館で11回もみんなとデートできる未来は思い描けていませんでした。私は今、最高な未来に立っています。今日はほんとにありがとうございます!」と、改めて13年間の感謝をファンに伝えると会場から大きな拍手が送られる。続けて「13年経ってこんなに幸せな未来が待っていても、まだまだ叫びたいこと、歌いたいこと、叶えたい夢がたくさんある、このLiSAという歌手人生をとても幸せに思います。まだまだ着いてきてくれる?ひとまず今日は、ROUTE13のアイスクリーム屋さん、最高でした!ほんとにどうもありがとう!」と、これからも歌手人生を全うしていく思いを観客に伝えた。
さらにLiSAは9月から12月にかけての全国アリーナツアー『LiVE is Smile Always~COCKTAiL PARTY~[SWEET&SOUR]』の開催決定を告げる。ツアーは、各会場のDAY1がSWEET、DAY2がSOURという、2日間それぞれ違ったライブを見せるという。「カクテルにはいろんな意味がありますよね。来ていただいての楽しみで(笑)。期待しかしないでね!」と、観客に向けて声を上げた。
アンコールに戻ると、LiSAはポップパンクチューン「halo-halo」で観客と一緒に弾けまくって盛り上がる。そして、場内のライトがすべて点きまぶしすぎるほどの空間に向けて「Rising Hope」をドロップ。LiSAは、拳を突き上げ観客とともに未来への希望を大合唱。最高の一体感が作られたライブは締めくくられた。
「楽しかったですか。思いっきり叫ぶって最高じゃない?いろんな思いを、これからもたくさんたくさんみんなと叫ぶ、歌にします。また一緒に遊ぼうね」「今日もいい日だ、バイチー!」と叫び、投げキスを振り撒いてLiSAはステージを降りた。
LiSAの通算11回目の武道館公演は、13年の長きに渡り彼女とファンが作り上げてきた強力な絆をリアルに体感できる熱い熱いライブだった。果たして次回の全国ツアーでは、どんな空間が展開されるのか。LiSAの言葉通り、期待しかしないで待とう。
TEXT BY 土屋恵介
PHOTO BY Viola Kam (V’z Twinkle)
『LiVE is Smile Always~i SCREAM~』
2024年4月20日 日本武道館
セットリスト
1.LOSER ~希望と未来に無縁のカタルシス~
2.ROCK-mode’18
3.ANTIHERO
4.confidence driver
5.リスキー
6.覚醒屋
7.L. Miranic
8.“PROPAGANDA”
9.愛錠
10.ノンノン/エレクトリリカル/WiLD CANDY/スパイシーワールド
11.Rally Go Round
12.I’m a Rockstar
13.LiTTLE DEViL PARADE
14.一斉ノ喝采
15.REALiSE
16.Psychedelic Drive
17.Shouted Serenade
18.ADAMAS
19.Hi FiVE!
<アンコール>
EN-1.HELLO WORLD
EN-2.halo-halo
EN-3.Rising Hope
ライブ情報
ソニー銀行 presents
LiSA LiVE is Smile Always~COCKTAiL PARTY~
[SWEET&SOUR]
9/14(土)大阪城ホール ※SWEET
9/15(日)大阪城ホール ※SOUR
9/21(土)ポートメッセなごや 第1展示館(愛知) ※SWEET
9/22(日)ポートメッセなごや 第1展示館(愛知) ※SOUR
9/28(土)横浜アリーナ(神奈川) ※SWEET
9/29(日)横浜アリーナ(神奈川) ※SOUR
10/19(土)真駒内セキスイハイムアイスアリーナ(北海道) ※SWEET
10/20(日)真駒内セキスイハイムアイスアリーナ(北海道) ※SOUR
11/3(日)マリンメッセ福岡A館 ※SWEET
11/4(月祝)マリンメッセ福岡A館 ※SOUR
11/16(土)セキスイハイムスーパーアリーナ(宮城) ※SWEET
11/17(日)セキスイハイムスーパーアリーナ(宮城) ※SOUR
11/30(土)国立代々木競技場第一体育館(東京) ※SWEET
12/1(日)国立代々木競技場第一体育館(東京) ※SOUR
12/14(土)サンドーム福井 ※SWEET
12/15(日)サンドーム福井 ※SOUR
※DAY1がSWEET・DAY2がSOUR
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