■「お世辞抜きで本当に泣ける! 僕の人生と重なるところもあったので、泣きながら観ました」(JO1木全翔也)
アニメーション映画『トラペジウム』の初お披露目となるプレミア試写会が、4月25日に新宿バルト9にて開催。高山一実(原作)、結川あさき、木全翔也(JO1)、篠原正寛監督が登壇した。
本作は、高山一実が乃木坂46在籍時の2018年11月に発表した小説家デビュー作『トラペジウム』(KADOKAWA刊/『ダ・ヴィンチ』連載)が原作。アニメ化にあたって、原作者の高山一実がシナリオ制作などに参加、高山も脚本や音楽など幅広く携わった。
原作発表から約6年を経て、ついにアニメーション映画化となった本作。半島地域『城州』の東に位置する城州東高校に通う主人公の東ゆうは、他の3つの方角の高校へと足を運び、かわいい女の子と友達になる計画を進める。「東西南北の美少女を集めてアイドルグループを結成する」という野望を抱くゆうが東西南北の“輝く星たち”を仲間にし様々な困難にめぐり逢いながらも高校生活をかけて夢を追っていくという、高山自身の想いが詰め込まれた作品だ。
ついに本作が初めてお披露目されることについて、高山は「数年前に書いた小説がこんなに大きなものになるとは、ありがたい思いでいっぱいです。アニメ映画化は初めての経験でしたが、プロの方々がアドバイスと共に、小説では見えなかった風景や雰囲気についてもたくさん聞いてくださったのがうれしくて、それにお応えしたいと思って、一生懸命やらせていただきました」と感慨深げにコメント。完成した映画を観た感想を問われると、「小説と映画は全然違うものになっていて、同じ主人公の東ゆうも結構雰囲気が変わっています。みなさんはどっちのキャラクターが好きか、それぞれに魅力があるのでぜひ感想もいただけたら」と笑顔を見せた。
原作者としてシナリオ制作にも深く携わってきたという高山。共に映画の完成を目指し歩み続けてきた篠原監督は、「まず原作を読ませていただいて、高山さんの味や毒やいろんなものが詰まっていたので、それを大事に作らせていただきました。高山さんが小説で描きたかったもの、描き切れなかったものを、アニメの中で少しでも届けられたらいいなと、シナリオ段階から高山さんと意見交換しながら進めさせていただきました」と制作の裏側に言及。高山も「本当にたくさん話し合いをさせていただきました」と、原作者と監督が時間をかけて共に作品に向き合っていたことを明かした。
そんな映画『トラペジウム』は、“絶対にアイドルになりたい”と強い想いを抱く少女・東ゆうを主人公とする物語。(1)SNSはやらない(2)彼氏は作らない(3)学校では目立たない(4)東西南北の美少女を仲間にする、というルールを課して高校生活を送るゆうは、個性的で魅力的な仲間たちを集めてアイドルを目指すが、夢を追い求めるが4人の関係性はすこしずつ亀裂が走っていく。
主人公・東ゆう役をオーディションで掴み取ったのは、新人ながら『逃げ上手の若君』の主人公・北条時行役を務める結川あさき。映画初主演の結川は、「緊張や責任の重みも感じたのですが、高山さんを始め監督やスタッフみなさんに、私をゆうとして選んでいただけた事実が何よりも嬉しくて。アフレコの経験も少ない頃だったのつたないところもあったと思いますが、みなさんが本当にやさしく、高山さんからは『ゆうそのまんまです』というお言葉もいただけて、それがすごく力になりました。本当にありがたくて、その言葉を胸に収録に臨みました!」と、高山のお墨付きが心の支えになっていたことを明かした。
また、ゆうというキャラクターについても言及し、「ゆうは夢を叶えるために、とにかく必死にがむしゃらに、泥くさく頑張るところがあって。何をしてでも絶対夢を叶えてやる! という気持ちが、私も演じていて『大事だよな』とハッとさせられることがあったので、そういうところを大事にしながら演じました」と、演技のポイントについても語った。
全力で夢を追うゆうの計画に協力し、優しく見守る男子高校生・工藤真司を演じるのは、JO1の木全翔也。本作への出演が決まった時は、「友達も知ってる有名な『トラペジウム』という作品だったので、すごくびっくりしました」と驚きを隠せなかったという。
映画の声優は初めてで緊張したという木全だが、「原作を読ませていただいてアフレコもして、完成した映画を一足先に観させていただきましたが、お世辞抜きで本当に泣ける! 僕の人生と重なるところもあったので、泣きながら観ました。本当に真司を僕に巡り合わせてくださって感謝の気持ちでいっぱいです。僕は真司と共通点がめちゃめちゃあると思っていて、身長までほとんど一緒なんですよ。真司がすごく大好きです!」と、アイドルになる夢を追うという自身と親和性のある作品への参加できたことに喜び、そして自らが演じたキャラクターへの熱い思いを語っていた。
続いて話題は、夢を叶えるために全力で突き進む主人公・ゆうについて。高山は「小説だと、ゆうには結構私の思いを投影させていただいていたのですが、映画版のゆうは完全に私の手から独立、自立してくれたので、自分と被る部分はなかったからこそ、とあるシーンでゆうがすごく輝いていて、素直に『かわいい!』と思いました。」、結川は「役を任せていただくためにオーディションの機会は何度ももあるので、ゆうの必死さや『やってやる!』という熱意は自分にも近いものがあるなと思いました。ゆうが“東西南北”のメンバーを集めに行く行動力がすごくて、私も見習いたいなと思うぐらい」、木全は「僕もこの仕事をしているからこそ、身に染みる部分もあるし、業界に入る前からのところも、自分と重なる部分がありましたね。芸能界だけでなく、いろんなお仕事をしている方にも、夢を追いかけるという点で当てはまる部分があるのかなと思います」と、それぞれコメントした。
そんなゆう役のオーディションには、高山と監督も同席していたという。篠原監督は、『最初にテープでオーディションさせていただいた時点で、高山さんやスタッフ一同と『結川さんがすごくゆうだね』という話をしていて。実際にスタジオでオーディションをしてみたら、やっぱり『あ、ゆうですね』ということになって」と、結川のハマりっぷりについて言及。高山も、「第一声を発した時に、監督とふたりで無言でうなづき合ったのを覚えています! 雰囲気がゆうそのものでした」と即決だったことを明かした。これには思わず結川も「うれしい!」と感動する一幕も。
さらに、東西南北の美少女たちが参加するボランティアで、外国語通訳をしているおじいさん・伊丹秀一役の声優を務め、高山とも親交のあるお笑いコンビ『ウッチャンナンチャン』内村光良よりメッセージが公開。6ヵ国語を話すことができるボランティアで、外国人の観光客に向けてのガイドをしている伊丹秀一という老人役を演じた内村。「本編では一切英語とか話していません、オール日本語です」と笑わせながら、「監督から『もっとおじいさんで、もっとおじいさんで』とディレクションされ、すごくじいさんの声になっております」とアフレコを振り返った。また、高山の原作を「素晴らしい本」と絶賛し、「映画化にあたってオーディションやデザインやアフレコにも立ち会って、すべてに関わっている。全編高山一実の色が溢れておりますので、そこも楽しんでいただけたら」と太鼓判を押した。
これに対し高山は、「内村さんの持っている優しさみたいな部分はおじいさんの伊丹さんには共通してる部分だとおもったので、あらためて内村さんにやっていただけてうれしかったです!」と大興奮。高山は、結川や内村を始めさまざまなアフレコに立ち会い、「その道のプロフェッショナルの方ってすごいなと思いました」としみじみ振り返りながら、「でも木全さんのアフレコだけ立ち会えなくて、今日が初めましてなんですよ!」とまさかの初対面であったことを告白。木全も「すごく緊張していて…」とあらためて念願の対面を喜んでいた。
舞台挨拶の最後には、高山から映画を楽しみに待つ観客へメッセージが贈られた。
「作中でもゆうがさんざん言っているように、『トラペジウム』を制作する中で、『やっぱり私はアイドルがすごく好きだな』と感じました。この作品は、おこがましいですが、みなさんの背中を少しでも押せるような物語を作りたいなと思って描いたものです。私が小説を書いた時には想像できないぐらい、アニメ化にあたりたくさんの方にたずさわっていただいて、今から見ていただく物語が生まれました。映画『トラペジウム』には、いろんな方たちのいろんな思いと時間が詰まっているので、どうぞ楽しんでください!」
そして公開を目前に控えた本作の第1弾来場者特典が発表。「高山一実書き下ろしテキスト入りA5イラストカード」が5月10日の公開日より5月17日まで配布されることが決定した。こちらは数量限定となる。
さらに5月11日に公開記念舞台挨拶の実施が決定。高山一実、結川あさき、木全翔也、篠原監督に加え、西の星・大河くるみ役の羊宮妃那、南の星・華鳥蘭子役の上田麗奈、北の星・亀井美嘉役の相川遥花らの登壇も決まり、東西南北が大集結する。詳しくは作品サイトまで。
最後に公開に向けて、「トラぺジウム!」(高山)、「5月10日公開!」(結川)と会場いっぱいに声を響かせキャノン砲が発砲! 大きな拍手に包まれ、華やかなスタートを飾った『トラペジウム』のプレミア試写会は幕を閉じた。
映画情報
『トラペジウム』
2024年5月10日(金)全国ロードショー
<CAST>
東ゆう:結川あさき
大河くるみ:羊宮妃那
華鳥蘭子:上田麗奈
亀井美嘉:相川遥花
工藤真司:木全翔也(JO1)
古賀萌香:久保ユリカ
水野サチ:木野日菜
伊丹秀一:内村光良
<STAFF>
原作:高山一実(乃木坂46・一期生)「トラペジウム」(KADOKAWA刊/『ダ・ヴィンチ』連載)
監督:篠原正寛
スーパーバイザー:舛成孝二
脚本:柿原優子
キャラクターデザイン:りお
音楽:横山克
主題歌:MAISONdes「なんもない feat. 星街すいせい, sakuma.」(Sony Music Labels)
制作:CloverWorks
配給:アニプレックス
(c)2024「トラペジウム」製作委員会
映画『トラペジウム』作品サイト
https://trapezium-movie.com/