■これまで以上にSixTONESらしい熱量の高いパフォーマンス
SixTONESが4月22日(月)に東京・東京ドームにて、全国ドームツアー『VVS』のファイナル公演を迎えた。
今年2月からスタートしたキャリア初のドームツアーは、京セラドーム大阪、福岡PayPayドーム、バンテリンドーム ナゴヤ、東京ドームの全国4ヵ所で10公演にわたって開催。今年1月にリリースした4枚目のアルバム『THE VIBES』とかけたツアータイトル『VVS(バイブス)』はダイヤモンドの透明度のグレードを表し、“高級”“高価”という意味を持つ言葉で、「SixTONESのバイブス(熱量・雰囲気)はVVS(一級品)である」という思いが込められており、本ツアーではグループとして初となるバンドによる生演奏でのライブが実現。これまで以上にSixTONESらしい熱量の高いパフォーマンスが存分に発揮されたステージとなっていた。
また、今回は初の“360度ステージ”となっており、グラウンドの中央に位置するセンターステージの上空には聖火台のようなオブジェが施された巨大スクリーンを設置。6方向に伸びた花道の先には、音楽ジャンルの“ロック”とグループ名の由来である石(ストーン)の“ロック”、数字の“6(ろく)”に“クレーン”を掛け合わせた造語で、メンバーが命名した「ロックレーン」が装備されており、メンバーは開演と同時にスタンド3階席付近まで上昇したロックレーンの先端に設けられた箱をぶち破って登場。ジェシーが煽り、京本大我が“声を上げろ”と呼びかけた「アンセム」では早くも“Wow Wow”というシンガロングが起こると、「Rollin’」では京本が“キミとの思い出/明日に向かう/SixTONESの世界”と歌詞を変えて熱唱。クレーンから噴水が上がる花道を通ってセンターステージに戻ると、ジェシーが舌を出し、ハイキックやパンチを繰り出す「Outrageous」やファイヤーボールが上がった「ABARERO -Dark Electro Rock Remix-」といったラウドでヘヴィーなロックナンバーを連発し、オーディエンスの熱気を一気に引き上げた。
■重低音が効いたハードなミクスチャーロックだけではない多面的でカラフルな音楽性を見せた
高地優吾(※高地優吾の高は、はしごだかが正式表記)が「SixTONESがバンドを連れてきたぞ!今日がラストだぞ。バイブス上がってるか!!360度死角なし」と声を上げ、田中樹が「360度、上から下まで、誰一人気を抜くなよ!最後までお前らと俺たちの最上級のバイブスをぶつけ合っていこうぜ」と呼びかけたMCのあとのブロックでは、早着替えを経て、センターステージにラクジュアリーなレザーソファーが登場。デビュー前の楽曲をバンドサウンドによるロックにレアレンジした「Hysteria -Rock Rearrange-」ではメンバー同士の絡みに会場のあちこちから黄色い声が飛び交い、大量の白い羽根が舞い落ちる中でソファーに座ったままラップした「君がいない」でスクリーンにメンバーの表情がアップで映し出されると、さらに凄まじい歓声が沸き起こった。続く、ファンクポップ「Alright」では3人ずつに分かれて踊り、花道の移動中にはジェシーがさりげなくムーンウォークを見せて観客を沸かせた。また、R&Bバラード「House of Cards」では、噴水をバックにスタンドマイクでアンニュイな歌声を響かせ、京本と森本慎太郎が笑顔で向き合って歌ったユニット曲「希望の唄」では青春ロックのような爽やかな風を吹かせるなど、重低音が効いたハードなミクスチャーロックだけではない多面的でカラフルな音楽性を見せた。
“今”を逃さないように楽しみ尽くそう!というメッセージを込めた「“Laugh” In the LIFE」からはトロッコに乗り込み、グランドを周回。オーディエンスがジャンプした「フィギュア」ではジェシーがチャーミングな歌唱を見せ、クラップで盛り上がった「PARTY PEOPLE」では森本と田中が素肌を見せてアピール。“I love this vibe”という本ツアーに相応しいフレーズが盛り込まれている「S.I.X」では客席通路に“導火線に火を付けるようにBurn up”という歌詞にぴったりの炎のような赤い布がはためき、「DRAMA」ではシャツを脱いだ高地に続き、松村北斗が髪をかき上げる仕草をしただけで大歓声が上がった。そして、デビュー前の楽曲だが、生歌にオートチューンがかかった「JAPONICA STYLE」では、トロッコを降り、花道からメインステージに向かう6人の道行きに噴水が上がり、真っ白い紙吹雪が舞い上がるなど、見応えのある演出が随所に用意されていた。
■“楽屋トーク”のような、約40分!にも及んだMC
赤と白の照明にレーザー光線が飛び交い、風とスモークも出た森本のPayPayダンスや高地のサングラスキャラ、松村と京本(センターステージのリフター上昇!)の古畑任三郎のモノマネなど、メンバー曰く“楽屋トーク”のような、約40分!にも及んだMCを経て、ライブは折り返しへと突入。田中の「ゆったりしっとり聴いてください」という言葉のあとのアコーティックコーナーでは、英語歌詞の「Call me」に続いて、日替わり楽曲として「マスカラ」をパフォーマンス。京本と田中、森本と松村、ジェシーと高地という組み合わせでハーモニーを響かせ、最後はひとりずつフレーズを歌い継いでいくという構成となっており、メンバー個々のボーカリストとしての個性と魅力がじっくりと味わえる場面となった。
松村と田中による何気ない会話がシームレスでラップになっていく「スーパーボーイ」からは怒涛の展開だった。白い光の中で踊り、シルエットが浮かび上がった「Need you」、ジャジークラブとトラップがフィーチャーされた「TOP SECRET」、オートチューンがかかった「WHY NOT」とアップリフティングなEDMを続けるとドームは巨大なクラブへと変貌。ジェシーと高地のユニット曲「Blue Days」では電飾が施されたロッキングチェアを揺らしながらローファイヒップホップのようなチルなムードで満たすと、「DON-DON-DON」「RAM-PAM-PAM」「Bang Bang Bangin’」では一転して、メンバー全員で煙を噴き上げるド派手なデコトラに乗り込み、音玉と火薬が鳴り響き、火花も上がる場内を爆走。さらに、“Now look at us! SixTONES”という呼びかけに応えて、ヘドバンのようにペンライトが激しく振られた「Something from Nothing」、松村の“Call me girl”というフレーズに叫び声にも似た歓声が上がった「Telephone 1ST ver.」、ジェシーのカウントに合わせて観客全員が一体となってジャンプを繰り出し、高地が「SixTONESの魂を受け取ってくれ!」とシャウトした「BE CRAZY -Rock Rearrange-」で場内のボルテージは最高潮に達した。
■6人で肩を組んで“こっから、こっから始まんだ”と声を重ねて、ライブ本編の幕は閉じた
そして、センターステージで6人が向き合って歌い、どんな困難があっても、自分らしく、“今”だけを見つめて生きていこうというメッセージを込めたエールソング「Seize The Day」を観客ひとり一人の胸にしっかりと届けると、ライブはクライマックスへ。ラストは、10枚目のシングルの表題曲で森本が主演を務めたドラマ『だが、情熱はある』の主題歌「こっから」。軽やかなステップを踏みながらラップしていたメンバーは、最後に6人で肩を組んで“こっから、こっから始まんだ”と声を重ねて、ライブ本編の幕は閉じた。
アンコールは各公演でラップパートが日替わりとなっている「Good Luck!」でスタートした。“一回きりの人生だから/飾らずいきましょう”というラインが響き渡たる中で、ファイナル公演はグループ随一のラップスターである田中が担当し、「やっぱ俺が一番うめーな」と胸を張った。続く「この星のHIKARI」では「みんな一緒に歌って」という呼びかけに観客はこの日一番の大きな歌声で応え、“この星に溢れてる 光集めて/君を照らしてゆく Forever”というフレーズを会場がひとつとなって大合唱。メンバー日替わり曲としてパフォーマンスされてきた「WHIP THAT」ではジェシーがセンターに立ち、彼の振り付けに即興でメンバーがマネをするダンスで沸かせ、最後は観客全員を巻き込んでのジャンプで盛り上げて締めくくった。
ここで終わりかと思われたが、京本が「足りないね。みんなも俺らも足りてないね」と言い出し、5月1日のグループ結成9年の記念日にリリースされるニューシングル「音色」を初披露。“出会えただけで特別な毎日”“このまま一緒に歩いていこう”というエールを観客と共有し、ドーム全体をポジティブなムードで包み込む中で、6人は肩を組み、拳を上げて、銀テープが降り注ぐ中でエンディグを迎えた。
■「スタジアム行こうぜ」と新たな目標を掲げてグラウンドをあとにした
初のバンド演奏、初の360度ステージ、初のドームツアーという初モノづくしのツアーを大成功に収めたあと、大型ビジョンにはメンバーへのサプライズとして、ツアースタッフ一同からの感謝の詰まったメッセージが映し出された。「お前らにどうしてもやりたいって言った360度ステージは楽しめたか。お客さんとのバイブスは感じられたか。相変わらずMCはなげーし、つまらないときもあったけど、最高に楽しめたよ。また一緒にツアーやろうね。大好きだぞ!」という言葉に、森本は「Team SixTONESって最高だね」と感激。メンバー、バンド、スタッフの熱い絆に、観客は鳴り止まない拍手と歓声を送ると、メンバーはメインステージから6方向に分かれ、それぞれの花道を通ってグラウンドに降り、笑顔で手を振りながらベンチへと向かい、最後にMCで日本のプロ野球12球団のホームスタジアムを回りたいと語っていた森本が「スタジアム行こうぜ」と新たな目標を掲げてグラウンドをあとにした。終わったばかりではあるが、結成10周年のアニバーサリーイヤーに突入する彼らの次のツアーが早くも楽しみでならない。
TEXT BY 永堀アツオ
SixTONES「SixTONES LIVE TOUR 2024『VVS』」
2024年4月22日 東京ドーム
セットリスト
1.アンセム
2.Rollin’
3.Outrageous
4.ABARERO-Dark Electro Rock Remix-
5.Hysteria-Rock Rearrange-
6.君がいない
7.Alright
8.House of Cards
9.希望の唄
10.“Laugh” In the LIFE
11.フィギュア
12.PARTY PEOPLE
13.S.I.X
14.DRAMA
15.JAPONICA STYLE
16.Call me
17.マスカラ
18.スーパーボーイ
19.Need you
20.TOP SECRET
21.WHY NOT
22.Blue Days
23.DON-DON-DON
24.RAM-PAM-PAM
25.Bang Bang Bangin’
26.Something from Nothing
27.Telephone 1ST ver.
28.BE CRAZY-Rock Rearrange-
29.Seize The Day
30.こっから
<アンコール>
31.Good Luck!
32.この星のHIKARI
33.WHIP THAT
34.音色
リリース情報
2024.5.1 ON SALE
SINGLE「音色」
SiXTONES OFFOCIAL SITE
https://www.sixtones.jp/