■原作者の浅野いにおがイソベやんに扮して登壇!「着ぐるみの中でずっと中腰で…」
幾田りらとあのが声優を務め、3月22日に前章、4月19日に後章が公開される映画『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』。
2月26日に完成披露舞台挨拶が実施され、作中で登場する国民的まんが『イソベやん』を溺愛し、担任教師の渡良瀬に思いを寄せる小山門出役を務めた幾田りらと、門出と小学生の時からの親友で、戦争ゲームオタクの中川凰蘭(通称・おんたん)役を務めたあの、そして原作者の浅野いにおがイソベやんに扮して登壇。イベントではアニメ映画化の制作裏話や主演ふたりのキャスティング、コラボした主題歌の話題など、たっぷりと語りつくした。
ステージ上には劇中に登場する母艦を1/1000スケールで再現したリアルな巨大模型が鎮座。主人公・小山門出を演じた幾田は、初お披露目に際して「映画がもっとワクワクするようなお話をさせていただけたら」と笑顔で挨拶し、もうひとりの主人公“おんたん”こと中川凰蘭を演じたあのも「今日はお越しいただきありがとうございます!」とうれしそうに挨拶した。
ちなみにキャスト陣と登壇したイソベやんは、劇中で門出の愛読書に登場するキャラクター。その説明を幾田がし始めると、イソベやんは自分が話しているかのように身振り手振りでジェスチャー。これに幾田とあのが「イソベやんの中の人を紹介したいと思います!」と呼び掛けると、イソベやんがもぞもぞと脱皮をし始め、なんと中から出てきたのは原作者の浅野いにお。観客が驚きの声を上げるなか、浅野は「藪から棒にすみません」と照れ笑いを浮かべながら「着ぐるみの中でずっと中腰だったので…」と体を張ったサプライズ登場となった。
本作の原作は、2014年から2022年まで約8年間連載された全12巻の大作。原作の誕生経緯について浅野は「当時は大規模な災害や人々の価値観の変化が顕著な時期だったので、それをモチーフに漫画が描けないものかと思った」と着想を回想した。
そんな原作について幾田は「ページを開いてすぐに浅野先生の画力と人の表情の裏の裏の裏の感情まで出ているような表情や強い言葉に惹かれました。どんどん世界にのめり込んでしまう作品でした」とゾッコン。あのも「ふたりのホノボノした生活と柔らかさに反してストーリーの鋭さやリアルさ絶望さがクセになって、僕もドはまりしました」とすっかりお気に入りだった。
本作は浅野作品初のアニメ化。これに浅野は「僕はひねくれている人間で描く漫画もニッチなものが多い。そんな中で本作に関しては王道的な内容になっていたので、ここでアニメ化を断ったら生涯アニメに関われることはないだろうと即決で快諾しました」とアニメ化の経緯を説明。
そんな記念すべき作品で声優デビューを果たしたあのは「声に特徴があると言われることが多くて、元々声優業には興味がありました。こんなに早くお話をいただけて良かった」と大喜び。
二度目の声優業となる幾田は「浅野先生からは『幾田さんの演じる門出がみんなの門出になるから、そのままでやってほしい』と言われました。緊張と責任を感じたけれど、その言葉を信じて演じようと思いました」と意気込み十分だった。
原作者としてオーディションやキャスティングにもコミットした浅野。あのの起用については「オーディションでのあのちゃんのテストで現場の雰囲気が一変した」と振り返り、幾田については「普通でありながら、あのちゃんの横に並んでもバランスの良い人は誰かと考えたときに、この組み合わせ以上のものはないと思った。『原作者がどうしてもと懇願しています』という言葉を添えました」と納得の起用だと説明した。
ちなみにこのキャスティングはふたりの大ブレイク前に決まっていたことから、浅野は「おふたりとも紅白に出ているんですよ! この作品が決まった後にYOASOBIが有名になって…。すごいと思いませんか!? ここまでなるとは僕も思わなかった。巡り合わせというか、たまたまです」と現在のふたりの飛躍ぶりにビックリしていた。
一方、幾田は「初めてふたりで演じたのが喧嘩するシーン。殴ったり殴られたり、台本にはない音を入れたりして難しかった」と、あのとの初共演を振り返ると、あのも「ふたりが初めて揃うことから、満を持して! みたいな空気が現場にあった。変に緊張感を出している人もいてドキドキした。でも上手くいった感じはあります」と手応え。浅野も「おふたりは勘所が良い。非常に素晴らしい演技をしてくれました」と絶賛していた。
前章の主題歌『絶絶絶絶対聖域』と後章の主題歌『青春謳歌』は、あのと幾田それぞれがフィーチャーリングで歌唱。あのは「僕はシャウトやデスボイスを使うのが好きなので、それを幾田りらにやらせたいと思った。グチャグチャな破滅とホノボノ願望を詰め込みたいと思って、歌詞もいまだかつてないくらい真剣に寝る時間を削って白目を剥いて書いて、本当に思い入れがあります。この曲で“悪”幾田りらを引き出したかった」と狙いを明かすと、幾田も「はい、“悪”幾田りらになりました」と新境地開拓を実感していた。
幾田は楽曲について「原作漫画を読み終えたときにどんな音楽が流れて来てほしいかを考えて、小山門出と中川凰蘭のくだらない日常会話が聞こえてくる曲がほしいと思った。その思いを基に曲を作ってあのちゃんの声をイメージして歌詞を書きました」と解説。
あのは「自分の楽曲にはない感じで、日常にもフィットしていつ聴いても心地良いと思えるメロディ。家でも口ずさんでいます。歌っていても楽しくて素敵な曲です」と気に入っていた。
浅野はこの2曲について「おふたりともニーズをわかっていて、曲の方向性も素晴らしく映画の内容に合うものだった。『青春謳歌』にはおふたりの会話も挿入されていたりして、何を言っているのか聞き取れなかったけれど、青春感があって、おっさんである僕は聴きながら遠い目をしていました」とノスタルジーに駆られていた。
最後に幾田は「本当にクソヤバい映画になっているので最後まで楽しんでほしい」とアピールし、あのは「まずは前章ですが皆さんの反応が楽しみ!」と期待。
浅野は、アニメ製作に5年以上の歳月をかけ、自身も直接、シナリオ会議をはじめ様々な事柄にかかわってきたことをあげ、作画に関わったシーンもあり、この日披露された作品も公開までに修正が入ることを話し、「制作スタッフの皆様は、本当に頑張って尽力してくださっています。僕もやれることはすべてやってきて、今もやっているいる最中です。全員が納得いくクオリティで作ることは本当に難しいんだなと感じました。この企画を発案してくれたプロデューサーや監督、製作スタッフ、声優陣に感謝しています。そして、主演のおふたりは素晴らしい演技をしてくれて、おふたりは絶対の存在です。漫画原作の映像化にはいろいろなことがありますが、でもこれはお祭りですので、どうか皆さん楽しんで帰ってください!」と観客に呼び掛けた。
リリース情報
2024.03.20 ON SALE
ano feat. 幾田りら
SINGLE「絶絶絶絶対聖域」
2024.04.17 ON SALE
幾田りら feat. ano
SINGLE「青春謳歌」
映画情報
『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』
3月22日(金)前章、4月19日(金)後章 全国ロードショー
原作:浅野いにお「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」(小学館「ビッグスピリッツコミックス」刊)
キャスト:幾田りら あの
種崎敦美(崎はたつさきが正式表記)島袋美由利 大木咲絵子 和氣あず未 白石涼子
入野自由 内山昂輝 坂 泰斗 諏訪部順一 津田健次郎
アニメーションディレクター:黒川智之
脚本:吉田玲子
世界設定:鈴木貴昭
キャラクターデザイン・総作画監督:伊東伸高
色彩設計:竹澤聡
美術監督:西村美香
CGディレクター:稲見叡
撮影監督:師岡拓磨
編集:黒澤雅之
音響監督:高寺たけし
音楽:梅林太郎
アニメーション制作:Production +h.
配給:ギャガ
(C)浅野いにお/小学館/DeDeDeDe Committee
映画『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』作品サイト
ededede.jp
幾田りら OFFICIAL SITE
https://lilasikuta.jp/
あの OFFICIAL SITE
https://ano-official.com/