■「表情や、体の使い方で気持ちを伝える本作は、世界中の皆様にも伝わる作品」(山田涼介)
映画『サイレントラブ』が2月2~4日にタイで開催されるアニメーションを中心としたジャパニーズカルチャーの祭典『JAMNIME FESTIVAL 2024』で特別上映されることが決定。2月3日に主演の山田涼介(Hey! Say! JUM)と浜辺美波、そして内田英治監督が現地で舞台挨拶を行った。
観客の熱気冷めやらぬなか、山田と浜辺、そして内田監督が登場。山田はオールブラックのセットアップのシックな装い、浜辺はグリーンを基調とした南国タイを想起させるロングドレスの華やかな衣装で登壇した。
会場に集まった900人のファンに向けて山田は「サワディーカップ。タイの皆様にお会いできてうれしいです。少しの時間ですが楽しみましょう」とタイ語を交えて挨拶。
浜辺もタイ語を交え、「サワディーカー。初めてのタイに『サイレントラブ』で来ました。皆様との楽しい時間を楽しみにしています!」と笑顔で呼びかけ、内田監督は「こんにちは。20回以上来てますが、タイが大好きです。皆様とお話できること楽しみにしています」と挨拶すると、観客は盛大な拍手でタイへの来訪を喜んだ。
今回のタイへの訪問について尋ねられると山田は「プライベートや仕事をあわせると7回くらい来ています。すごく好きです」と回答。「(特に)パッタイが好きです。昨日も食べました」と続けると、観客から喜びの拍手が湧き上がった。
タイは今回が初めての訪問となった浜辺は「プーパッポンカリーがとてもおいしくて、いろいろ食べたけどいちばんになりました」と笑顔をこぼした。
先ほどの挨拶で20回以上もタイを訪れていることを明かし、会場を驚かせた内田監督は「マーブンクロンセンターのフードコートのタイヌードルがすごく好きで、しょっちゅう行きます」とおススメのお店を発表。山田、浜辺も興味深そうに聞いていた。
本作は完全オリジナルストーリーで、内田監督が脚本も手掛けた。SNS社会に慣れ始め、情報量の少ない物語を作りたかったという内田監督は、撮影期間について「3年くらいかかりまして、撮影自体は1ヵ月半くらいでした」と完成までを振り返った。
ある過去の出来事がきっかけで声を発することをやめた蒼(山田)と、事故で視力が不自由になった音大生・美夏(浜辺)の世界で“いちばん静かな”ラブストーリー『サイレントラブ』。
これまでの恋愛映画との違いを聞かれると、浜辺は「ハンディキャッにより、言葉を使わないで、想う力で繋がっていくのが大きいのではないか。取り繕うことができないなかで、ふたりがどうなっていくかが大きいかと思います」とコメント。
続けて山田が「セリフがないなかで、表情だったり、体の使い方だったりで気持ちを伝えなければならないので、ある種世界中の皆様にも伝わるのではないかと個人的には思っています」と自信を覗かせた。
それを受け、内田監督は「山田さんと浜辺さんの演技が(普通の映画と)違うと思います」と見どころをアピールした。
続いて、いちばん好きなシーンを尋ねられると山田は「ポスターにもなっている最後のシーンはきれいな画で、ふたりが幸せになる様子が描かれているので好きです」とクライマックスのシーンを振り返る。
内田監督は山田に“目の奥10センチで美夏を見てほしい”と指示したそうだが、山田は「セリフがない役ではあったので、表情の管理、体の使い方に気をつけました。最初は目に光がないなかで、徐々に目に光が入っていく、宿っていくことの管理が難しかった」とセリフのない役で苦労した様子。
浜辺はいちばん好きなシーンについて「久石(譲)さんが作ってくださった楽曲があって、それをピアノで演奏するシーン。とても心がこもったシーンでした」と本作のために久石譲が作曲した「Silent」への想い入れを語った。そして、「ピアノを弾くのも初めてだったので、手元を見ないで演奏することが難しいのと、山田さんの表情が見れないなかで演技するのが難しかったです」と、撮影当時を振り返った。
また監督が「最後の倉庫のシーンで山田さんが浜辺さんの顔を触るシーン、喧嘩のあとで。そこがいちばん好きです」と印象深いシーンを挙げると、映画を見終えたばかりの会場のファンも大きく頷いていた。
自身の演じた役柄について聞かれた山田は「自分が愛した女性のために、自分の人生を犠牲にしても守ることに僕は感動しました」と蒼の愛情の深さについてコメントすると、浜辺が「美夏はとても一途なところがあるなと。ピアニストになることも、蒼のことも、ずっと思いを持ち続けることが素晴らしいと思いました」と続けた。
ここで、現地に集まったファンからの質問コーナーを実施。「撮影中の楽しかったエピソードは?」という質問を受けた山田は「静かな映画だったので、撮影中は映画のふたりのようにしゃべらなかったので、楽しいエピソードはないですね…。今はこうしてお話するようになりましたが」と、息ぴったりの様子の浜辺とは撮影中ほとんど会話がなかったと告白。声を発することをやめた青年という難しい役どころに向きあう苦労を滲ませる、貴重な撮影エピソードを披露した。
一方、浜辺に対しての「いちばん難しかったシーンは?」という質問へ浜辺は、先ほど特に好きなシーンとしてあげた「終盤の倉庫のシーン」と回答。「監督は台本を(その場で)変えたりもされるので、朝の3時までかかりました。終わらないかと思いました」と、監督のこだわりが存分に詰まったシーンの撮影裏話を披露。
今回が初共演となった山田の印象を聞かれると「テレビで観ていてもキラキラしていると思っていましたが、実際にお会いすると、歩く場所歩く場所に虹がかかっているなと思いました」とその印象を表現すると、現地のファンからも納得の拍手が鳴り響いた。
監督へは山田、浜辺とそれぞれ撮影前に初めて会ったときの印象についての質問が。山田については「山田さんは初めて会ったときからサイレントな感じで、映画の撮影中も静かでした」と語り役柄にぴったりだったことを明かすも、「(プロモーションで)久しぶりに会ったら、よりかっこよくなっていました」と、ステージ上の山田のオーラに驚きを隠しきれない様子。
浜辺についても「イメージしてたより若い感じで、元気な感じでした。初めてあったときは髪が長かったんですよ。でも撮影に入ったときは、少し大人になった感じで役に合っていました」と答え、今回の役柄への浜辺の役作りを絶賛した。
イベントの最後に900人で埋まった客席を見渡して感慨深げな表情を浮かべ浜辺は「愛を感じました。また来ます。ありがとうございました」とタイのファンへ向け感謝の言葉を述べた。
山田も「今日はお会いすることができてうれしかったです、楽しい時間を過ごせました。日本だけではなく、タイでもサイレントラブを愛してもらえればなと思います」、内田監督も「日本人はタイのことが好きな人が多いです。ここで映画が上映されること、広がることを楽しみにしています。ありがとうございます」とそれぞれに挨拶。現地の観客の熱烈な歓迎を受け、終始賑わいを見せた舞台挨拶となった。
映画情報
『サイレントラブ』
大ヒット上映中!
出演:山田涼介 浜辺美波
野村周平/吉村界人 SWAY 中島歩 円井わん
辰巳琢郎 /古田新太
原案・脚本・監督:内田英治
音楽:久石譲
主題歌:「ナハトムジーク」Mrs. GREEN APPLE
配給:ギャガ
(C)2024「サイレントラブ」製作委員会
映画『サイレントラブ』作品サイト
https://gaga.ne.jp/silentlove/