■“オレの初恋はRock’n’ Roll そして今も夢中で追いかけてる”という歌詞が、このツアーの大きなテーマ
9月16日、長野ビッグハットからスタートした浜田省吾の7年ぶりの全国アリーナツアー『SHOGO HAMADA ON THE ROAD 2023 Welcome back to The Rock Show youth in the “JUKEBOX”』のファイナル、1月20日の東京・有明アリーナ公演は、旅の終着地でもあり、ソングライター・浜田の新たな旅の始まりの地でもあった。
小雨そぼ降る土曜日、最寄り駅から会場の有明アリーナに向かう道すがら、臨海地区の街には潮風が運んでくる海の匂いがした。一瞬どこか遠くの街に来たような気持ちになる。会場に向かうファンはみんな少し速足だ。寒さのせいかもしれないが、ライヴへのはやる気持ちを抑えられない、そう感じた。客席に着くとこれから始まるロックショーへの期待、ワクワク感が充満していてそれは確信に変わった。
オープニング映像は小学生の浜田らしき?少年が、ビートルズやボブ・ディラン、スティーヴィー・ワンダー等、影響を受けたアーティストの楽曲がぎっしり詰まったジュークボックスにコインを入れ「初恋」のレコードを選び、“オレの初恋はRock’n’ Roll/そして今も夢中で追いかけてる”という歌詞が、このツアーの大きなテーマになっていることを客席に伝える。メンバーに続いて浜田が登場すると大きな歓声と拍手が贈られる。
オープニングナンバーは「愛の世代の前に」だ。あのギターリフがかき鳴らされ浜田の「準備はいいかい?」という言葉で、ファイナル公演の幕が切って落とされた。そしてスクリーンにピカソの「ゲルニカ」が映し出され、誰もがハッとしたはずだ。スペイン内戦での無差別爆撃による大虐殺の悲劇を伝えるこの名画は、反戦の象徴でもある。このツアーのキービジュアルは第二次世界大戦の重要地・フランス・ノルマンディーのエトルタ海岸を背景に、ギターを弾きながら歌う浜田だ。言葉で語ることはないが、浜田は歌と映像でメッセージを伝え、客席は感じ、“Wow Wow”と浜田が叫ぶと呼応し意思を表示する。古村敏比古の情熱的なサックスがさらに熱を運んでくる。
■アクチュアルなメッセージが数多く伝わってくるライヴ
今回のツアーは「1976年~1986年に作った曲だけでセットリストを作った」と浜田が言うように、若さを武器に全速力で走りながら、自分の中の迷いや弱さやふがいなさを、素直に言葉とメロディとして紡ぎ、初期衝動を含めてソングライター・浜田省吾の土台を作った時代の曲たちが、“今”を纏って伝わってくる。真っすぐで現実的な言葉達。時代の空気や流れを深く読んだテーマ性やメッセージを内包する曲が選ばれているようだ。結果的にそのアクチュアルなメッセージが数多く伝わってくるライヴになった。
1stアルバム『生まれたところを遠く離れて』(1976年)に収録されている「壁にむかって」は、町支寛二(Gt/Vo)、長田進(Gt)、小田原豊(Dr)、美久月千晴(Ba)、河内肇(Pf)、福田裕彦(Key)と古村敏比古(Sax)、佐々木史郎(Tp)、五反田靖(Tp)、半田信英(Tb)のホーンセクション、そして中嶋ユキノ、竹内宏美のコーラス隊からなる、鉄壁のバンドが奏でるヴィンテージな肌触りのロックサウンドによって、瑞々しさを湛えて伝わってくる。サックスとハーモニカのイントロは「HELLO ROCK & ROLL CITY」だ。客席もステージもテンションがさらにあがる。ステージを動き回りスタンドのファンを煽る。「今夜の気分はどうだい?」。疾走感そのままに「BIG BOY BLUES」へ。リズム隊が刻む太いビート、ツインギターの掛け合い、骨太なロックサウンドに乗せ、バブル期へと向かう浮かれた日本への痛烈なメッセージを真っすぐに届ける。“どこへたどり着くのか”という歌詞が、より色濃く、深く心に沁みてくる。
リズム隊が骨太なビートを繰り出し、すべてを支え、その強固なリズムの上でメロディアスでハードかつポップなギター、サックス、鍵盤が響き、さらに煌びやかなシンセ、ブラスが加わってスケールの大きなアンサンブルを作り上げている。歌を立てながらも、それぞれの楽器がしっかり主張している。
■その声の高音域はますます艶が増し、低音域はますます響きが豊かに
「アリーナでコンサートをやるのは、2016年以来なので7年ぶりになります。コロナのパンデミックのブランクがあったにも関わらず、延期になったにも関わらず集まってくれてありがとう」と挨拶。本来は11月に開催されるはずだったこの会場での公演が、浜田の体調不良で振り替えとなり、結果的にこの日がファイナル公演になった。「いい夜に、いい時間にしたいと思います」と、アコギを手に、郷愁感と切なさを感じさせてくれる「いつかもうすぐ」へ。鮮やかなグリーンの照明が会場を包む。歌い出しの声の高音部がきれいに伸びる。ツアー中に71歳になった浜田だが、その声の高音域はますます艶が増し、低音域はますます響きが豊かになっている。現在と過去をつなぐ青春のジュークボックスがテーマのこのツアーの、真ん中に存在しているのがその豊潤な歌だ。
次に歌う曲に込めた思いを丁寧に語り始める。「よく日常で書類を提出するときに、職業欄がありますよね。俺は最近そこに『ソングライター』と記入していて。人が思っていてもうまく言えないことを手紙にする、代筆のようなことをしているんだろうなって」。さらに「例えばここに、辛く報われない恋をしている女性がいて、その傍には口下手で上手く気持ちを口にできない男性がいる。そんな男性がある日、思い切って彼女にプロポーズの言葉、気持ちを伝えて2人は結ばれる。辛い思いをしている女性の側で、幸せにしてあげたいという思いでいる男性がいて。そんな未来だったらいいなと思ってこの歌を書きました」と、自分のことだけではなく、誰かの代わりに思いを紡ぎ音楽にして届けていることを改めて教えてくれる。ローズピアノの音色がイントロを奏でる名バラード「もうひとつの土曜日」だ。一途に彼女を愛する主人公の想いを目の当たりにした女性は、どんな心模様になるのか──そんなことを考えながら聴いていると、言葉とメロディが胸に迫ってくる。
レアなナンバー「愛しい人へ」は、シンセサイザーがストリングスの音を作り出し、ホーンが加わり、スクリーンも星空を映し出し壮大な世界観を描いていた。シンプルで繊細な歌詞ひとつひとつが、想いを抱え伝わってくる。古村のサックスソロに引き込まれた。アウトロもたっぷりと聴かせてくれ、曲の輪郭をさらに濃くし、際立たせてくれる。一転、照明が青く変化してエレキピアノの音が流れてくると浜田が「Dance! Keep on dancin’!」と客席を煽る。たちまちアリーナがダンスフロアに。2020年にニューアレンジでリリースされたシングル「MIRROR / DANCE」の、打ち込みサウンド中心のバージョンの音がベースになっているが、バンドサウンドが新たな温度感を作り上げている。重低音のサウンド、目くるめくレインボーカラーの照明とサイバーな映像とが交差する、ディスコのような空間で、客席は“Dance!”と飛び跳ねながら叫んでいた。
「東京!」と叫んで「東京」が投下される。東京の光と陰と、そして闇を映し出す映像と浜田の琴線に触れる歌が相まって、この曲が発売された1980年当時よりも確かに発展はしたが、様々なノイズに飲み込まれる都市・東京のダークな姿がさらにリアルに伝わってくる。町支のギターが唸り浜田が“Money makes me crazy!!”とシャウトし「MONEY」を歌い始めると、客席の温度がさらに上昇する。全員が口ずさんでいる。ドライブがかかったベースとCGアニメーション、激しい火柱の特効と眩い照明が感情を煽り、すごい熱気だ。”愛してる…愛してる …もっともっと…”と大合唱が起こる。
休憩時間も映像で楽しませてくれた。2023年9月に発売された洋楽カバーミニアルバム『The Moonlight Cats Radio Show Vol.3』の楽曲たちを、倉庫のようなところでバンドメンバーと浜田が円になって、「Please Mister Postman」や「Baby It’s You」「Twist and Shout」などをとにかく楽しそうに演奏しているセッション映像だ。「今夜最後の曲は、In My Life」というアナウンスが流れ、客電が落ち大きな拍手が起こり、センターステージに照明が当たる。
■12年ぶりのセンターステージのパフォーマンスで第2部がスタート
第2部の幕開けだ。メンバーと浜田が客席の間を抜けセンターステージへ向かう。センターステージのパフォーマンスは12年ぶりだ。円形ではなく十字型の踊り場が中央に設置され、それを囲むメンバー。休憩時間のセッション映像の続きのような雰囲気だ。コーラス隊の2人とホーンセクションはメインステージでスタンバイ。センターステージ上部のモニターとライトがゆっくり降りてきて、浜田が「Are you ready?」と客席と共にカウントをとり「MAINSTREET」からスタート。ホーンが炸裂し、客席は拳を掲げ一緒に歌う。「さよならスウィート・ホーム」も演奏される機会が少なかったレアな曲だ。ロックサウンドとホーンが絡むノリのいいサウンドと、切ない歌詞の世界観の対比が、浜田の歌によって鮮やかになる。間髪入れずに「終りなき疾走」へ。新たな浜田省吾のロックを提示した、この1980年の8ビートのロックナンバーは、浜田のロックへの想いが爆発した歌詞が、今も熱を失うことなく真っすぐ向かってくる。
「今回のツアーのサブタイトル『青春のJUKEBOX』という意味は、子どもの頃JUKEBOXに凄く憧れて家に欲しかったという思いが込められている。でも俺の故郷の海辺の小さな街の電器屋にはもちろんJUKEBOXなんて置いてなかった」と浜田は少年時代JUKEBOXに憧れていたことを語っていた。オープニング映像とつながる。そして「カセットテープが登場して好きな音楽を詰め込んだ。これが今でいうプレイリスト。今日のセットリストがあなたの青春のプレイリストであってくれたらうれしい」と語り、デビューアルバムから「青春の絆」を披露。抑え目の音で、浜田の歌の生々しさがより伝わってくる。
■20代が多いことに浜田も「どうして?」と驚いた様子で、「うれしいなあ」と心から喜んでいる様子だった
「今日は10,434人の方が集まってくださっています。あれ、やってみる?」と、恒例の“年代別チェック”がスタート。20代と50代の声が多かった。50代はまさに青春時代を浜田の音楽と共に過ごしてきた世代だが、20代が多いことに浜田も「どうして?」と驚いた様子で、「うれしいなあ」と心から喜んでいる様子だった。
中堅アーティストはもちろん、あいみょんをはじめ若いアーティストが浜田をリスペクトしていることを公言していたり、親の影響やYouTubeやサブスクでその音楽に触れる間口が広がったことも大きい。そして一度聴くと決して色褪せていないどころか、今の時代を照らすような歌詞や琴線に触れるメロディ、歌に引き込まれてしまう人が多いのではないだろうか。長年一緒に活動を続ける盟友の町支に「80代も、いや90代までやってみようよ」と語りかけると、大きな拍手が沸き起こった。
そして爽やかさと切ない世界が広がる「19のままさ」には“あの日のきらめき この腕に取り戻せない”という歌詞があるが、ずっと浜田の音楽を聴いてきたファンは一瞬で青春時代の思い出が蘇ってくるのではないだろうか。いつの時代もブレのない真の強さを持ち備えている浜田は、そのとき、今がいちばん輝いている。そのきらめきをファンに見せ続けている。過去が眩しいのではなく、今が充実しているからこそ衒うことなく青春時代に戻れる。この曲を聴きながらそんなことを考えていた。
「ラストショー」の軽快なイントロが流れてくる。疾走感のあるメロディとセンチメンタルな歌詞がドラマティックな世界を作り上げる。サビとアウトロの古村のサックスが物語を盛り上げる。「In The Mood」の軽快なリズムに乗り、浜田がノリノリでメンバー紹介。一人ひとりに大きな拍手が贈られる。一人ずつメインステージへ戻り、最後に浜田が戻り、ステージ中央に立ち、福田のオルガンの音色が鳴り響き、ツアーを象徴するナンバー「ON THE ROAD」から後半がスタート。
それにしても改めて浜田の立ち姿には引きつけられる。マイクスタンド前にやや中腰で立ち、絶妙な足の開き具合とギターを持つ腕の角度。凛とした美しさを湛えている。「終りなき疾走」の最後に片手でギター掲げたときのシルエットも美しい。ミュージシャンにとって“佇まい”はとても重要だと感じた。音や言葉が説得力を増して伝わってくるように感じる。浜田が「ON THE ROAD」を歌い始めると、何本もの青い照明が闇を切り裂き客席に真っすぐ向かっていき、言葉も真っすぐと向かっていく。アウトロの町支と長田のツインギターが最高の余韻を演出する。そしてEDM風のSEが流れ、浜田の「Show Me Your Way J.BOY!」という言葉と共に「J.BOY」がスタート。
■セットリストを初期の楽曲で構成しながらも決して懐古的にならずに、そこに今を鮮やかに落とし込んでいる
長年歌い続けている定番曲の圧倒的なパワーはさらにアップしているように感じた。“果てしなく続く生存競争 走り疲れ/家庭も仕事も投げ出し 逝った友人/そして おれは心の空白 埋めようと/山のような仕事 抱えこんで凌いでる”“J.Boy 頼りなく豊かなこの国に/J.Boy 何を賭け何を夢見よう/J.Boy…I’m a J.Boy.”という普遍的な歌詞が、不安に苛まれている現代において大きな共感を呼んでいる。映像も不穏で不安な今という時を客観的に表しているようだった。そんな曲と今も真正面から向き合う浜田の強さも圧巻だ。セットリストを初期の楽曲で構成しながらも決して懐古的にならずに、そこに今を鮮やかに落とし込んでいる。
意外だったのはこの大曲からの「明日なき世代」への流れだった。疾走感を感じる開放的なメロディと“世界はまるで終幕をむかえてる/悲劇の舞台 もう見たくないよ”という陰鬱な空気が漂う中でも希望を失わない歌詞に心がザワザワしてくる。ラストの“Wow oh oh”の全員での叫び声のような大合唱は感動的だった。
■「まだまだこの旅をしばらく続けて行こうかなと思っています」
「一人ひとりのスタッフ、各地のイベンター、ミュージシャン、そして何よりあなた、君に感謝しています。ありがとう」とこのツアーに携わった全スタッフと駆け付けてくれたすべてのファンに感謝の気持ちを丁寧に伝える。そして「自分の人生のテーマは自分の中ではソングライターの旅というか、どこかに辿り着くために歌と旅をしている、そんな気持ちです。まだまだこの旅をしばらく続けて行こうかなと思っています」とソングライターとしての決意を語ると、割れんばかりの拍手が浜田に降り注ぐ。
客席のあちこちから掛け声が飛び交う中、河内の切ないピアノのメロディが聴こえてきて、ラストナンバーの「家路」だ。夕暮れ時から三日月、朝焼けのビル群までを捉え、そしてノルマンディーのエトルタ海岸の崖を映し出す壮大な映像と浜田の歌が、スケール感を感じさせてくれる。“どんなに遠くてもたどり着いてみせる”という力強い歌詞は、ソングライターとしての旅を続けることを約束してくれた、浜田とファンとの希望の言葉でもある。
鳴りやまないアンコールの拍手に応え登場すると「心のこもったアンコールをありがとう」と感謝し、アルバム『J.BOY』に収録されている甘く切ないバラードナンバー「SWEET LITTLE DARLIN’」を静かに、語りかけるように歌う。歌に寄り添うように流れるアニメーション映像の温かさも心地よかった。チョークで書いた花びらが最後にロケットペンダントの中に入って、しまわれていくシーンが“大切にずっと守ってくれ”という歌詞と重なって感動的だった。
そしてキャップにノースリーブ姿の浜田“少年”が「Are You Ready!? to ROCK & ROLL!!」と叫ぶと「THE LITTLE ROCKER’S MEDLEY(今夜はごきげん~HIGH SCOOL ROCK & ROLL~あばずれセブンティーン)」の始まりだ。このメドレーを2024年に聴くことができる衝撃──ここにいる誰もがそう思ったはずだ。浜田もバンドも歌と音からとことん楽しんでいるのが伝わってくる。全員が永遠の、筋金入りのロックンローラーだ。「このロックメドレーをやっていたのは1980年頃。当時よくこんなことをMCで言っていた」と80年当時のMCを再現する。「俺が10代の頃こんな言葉が流行っていた。Don’t trust over 30!30歳以上のやつらを信用するな。ところが俺もとうとう30になってしまった・・・でもステージの上でロックンロールやってるときは今も変わらずティーンエイジャーだ!…なんて言ってたのがもう40年前(笑)」というと爆笑が起きる。
そしてダブルアンコールでは浜田が最初に登場して、スタンド近くまで挨拶に行き、バンドメンバーと全員で客席に向け、深々と一礼すると、客席からも想いのこもった最上級の拍手と歓声がステージに贈られる。
今日のセットリストが1976年『生まれたところを遠く離れて』から1986年『J.BOY』までの10年間に作った曲のみで組まれていることを説明し、「今日の会場の多くを占める50代くらいの人が10代~20代の青春時代に聴いていた曲だと思います。今の10代~20代にも届いていたらうれしいです」と語った。この日のライヴの最後の、そしてツアーを締めくくる曲は「君が人生の時・・・」だ。スクリーンには1988年に静岡・渚園で行なわれた野外ライヴ『A PLACE IN THE SUN』の模様が映し出される。この日のオーディエンスの中にもこのライヴに行った人も多かったはずだ。
昨年劇場公開されたライヴムービー『A PLACE IN THE SUN at 渚園 Summer of 1988』も大盛況だったが、そのエンドロールで流れていたのがこの曲だった。それぞれの人がそれぞれの人生を重ね、その途中で浜田省吾というアーティストに出会い、また人生を重ね、様々な思いを抱え今日このライヴに集まってきている。ステージ上で懸命に歌い、届けようとする浜田に向け、一人ひとりの感情が掻き立てられ、その無数の思いが浜田に届く。会場に来れなかった人の想いも混じり合う。ライヴは交感の場だと改めて感じさせてくれた。
■42年目の『ON THE ROAD』も誠実で、そして熱かった
誰もが過去があったからこそ今があり、さらに未来に向かい歩いている旅の途中なのだ。それは浜田も同じだ。歌とメッセージから伝わってくる浜田のパッション、人を惹きつける魅力は、その人生観、社会や世間との向き合い方、生き方が基点になっている。だから誠実な音楽が生まれ、ファンもスタッフもそしてバンドメンバーも浜田に夢中になる。そして70代になった浜田の歌からは、表現者として音楽は社会の淀んだ部分を批判する使命がある、失うものは何もない、だから感じていることをすべて伝えるんだという気迫というか信念のようなものを感じた。42年目の『ON THE ROAD』も誠実で、そして熱かった。
TEXT BY 田中久勝
PHOTO BY 内藤順司
『SHOGO HAMADA ON THE ROAD 2023 Welcome back to The Rock Show youth in the “JUKEBOX”』
2024年1月20日 東京・有明アリーナ
セットリスト
1.愛の世代の前に
2.壁にむかって
3.HELLO ROCK & ROLL CITY
4.BIG BOY BLUES
5.いつかもうすぐ
6.もうひとつの土曜日
7.愛しい人へ
8.DANCE
9.東京
10.MONEY
11.MAINSTREET
12.さよならスウィート・ホーム
13.終りなき疾走
14.青春の絆
15.19のままさ
16.ラストショー
17.ON THE ROAD
18.J.BOY
19.明日なき世代
20.家路
アンコール1
21.SWEET LITTLE DARLIN’
22.THE LITTLE ROCKER’S MEDLEY
1.今夜はごきげん
2.HIGH SCHOOL ROCK & ROLL
3.あばずれセブンティーン
アンコール2
23.君が人生の時・・・
浜田省吾 OFFICIAL SITE
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