■ONE N’ ONLY、“仲間になる、つながっていく”というツアータイトルの意味を見事に実現!
2023年10月より、初の47都道府県ツアー『ONE N’ SWAG ~Hook Up!!!!!!~』で全国を回っている6人組ダンス&ボーカルユニットのONE N’ ONLYが、東京公演を1月18日に豊洲PITで開催した。
半年間にわたるロングツアーも折り返し地点間近ということで、ここでセットリストもあらたなものに。2023年12月にリリースされた最新EP『You are / Hook Up』の収録曲も初披露し、多彩で高いグループ力を存分に見せるメニューで、満員のSWAG(ONE N’ ONLY ファンの呼称)を沸騰。“仲間になる、つながっていく”というツアータイトルの意味を、見事に実現してみせた。
南米をはじめとする海外での人気が高く、TikTokフォロワー数は日本人男性アーティスト第1位の580万人超を誇る彼らだが、昨今は国内での人気もうなぎ上りで、今回のツアーも4月27日にパシフィコ横浜で行われるツアーファイナルまで全公演がソールドアウト。この日の豊洲PITも客席の最後方までビッシリとSWAGで埋まり、今や遅しと開演を待ちわびていた。
そしてグループカラーである白いペンライトの光が満ちたフロアを前に、赤と黒でそろえた新衣装で6人がソロ/ペアダンスで登場して、「Put your Hands!」と煽り立てると、SWAGたちの大歓声が爆発。本ツアーのテーマソングとして作られた王道ヒップホップな最新曲「Hook Up」を皮切りに、ONE N’ ONLY最大の武器であるスキルフルかつアグレッシブなパフォーマンスで、序盤から場内を圧倒していく。
数多のペンライトが激しく揺れる激熱ロック「OPEN」、HAYATOの“強気になってんじゃねえよ”の曲中台詞に悲鳴が起こり、大きく体を反らす遠吠えダンスがエモーショナルな「Shut Up! BREAKER」、一列になって客席へと迫り来る振りに胸沸き立つ「Dark Knight」と、休みなく畳みかけられるアッパーチューンは見ごたえ抜群。メリハリ豊かでシンクロ率の高いダンスに挑発的なラップ、鬼気迫りながらも伸びやかなボーカルが絡み合って、SWAGたちの身も心も大きく揺さぶっていく。
「新年あけましておめでとうございます!」で始まったMCでは、この日が20公演目であることを告げ、ツアータイトルを引き合いにメンバーも「仲間が増えたね!」と破顔。実際「ONE N’ ONLY のライブ、初めての人!」という問いには予想外に多くの手があがり、また「みんな、ただいま!」と告げた東京出身のNAOYAには、最後方までギチギチのフロアから大音量で「おかえり!」の声が返る。それに応えるかのように、続く「My Love」では「SWAG! チュッ!」とキスを贈って黄色い声を呼んだ彼だが、そんな甘いラブソングからSWAGを楽しませ、絆を深めていったメドレーも実に贅沢なものだった。
ハッピーな「Video Chat」ではメンバー同士じゃれ合いながら、キュートな手振りで場内を笑顔にし、「Sexy Beach Party Yes!!」ではエネルギッシュに飛び跳ねて、“HANDS UP!”と白い光の海を作る。めくるめく展開に湧く歓声のなか、EIKUの作曲でSWAGとのリアルな繋がりを綴った歌モノ「Reflection」からセクシーに誘惑する「Hunt」へとつないで、トロピカル調の「Call me」では全員で肩組み。想いを分かち合える僕らはどこにいても繋がっていると訴える楽曲のメッセージは、全国津々浦々を回る47都道府県ツアーだからこそ、いっそう重く響き、場内に“僕らは 同じ星の上!”の大合唱を招く。その様子に「いいね! メチャメチャ盛り上がってるよ!」と喜んだNAOYAは「ワンエンちゃんのこと好き?」と客席に問うて、返ってきた数千の「好き!」に「俺らのほうがもっと好きだし」とボソリ呟くツンデレ技でSWAGを悩殺してみせた。
中盤ブロックでは、ONE N’ ONLYのふり幅広すぎる表現力が存分に発揮され、まずは「SWAGに歌います」(TETTA)と、一途な想いをボーカルの3人が綴っていくラブバラード「You are」を披露。TETTAからREI、EIKUと、歌うメンバーにスポットライトを当てながら、物語を感じさせる振り付けでSWAGへの熱い感謝を届ける6人を、夜空のように瞬く照明の光が彩っていく。拍手から一転、ヘヴィなラテンチューン「Set a Fire」では、KENSHIN、HAYATOを中心に、英語やポルトガル語を交えたラップを次々にドロップ。センシティブで力強いステップと相まって、濃厚でプリミティブなラテンの香りを振りまいていった。そして「豊洲PITまだまだいけんだろ!」(NAOYA)という号令からは「Step Up」でタオルをブン回し。メンバーの腕で「東京タワー!」と形作る茶目っ気を見せながらも、ペンライトを掲げるSWAGと共に熱い一体感を作り上げていく。
結果「メチャクチャ気持ちいい!」と感慨を表したメンバーは、今日から衣装が新しくなったことを告げ、TETTAも「強そう! 武道やってるみたい」と満足げ。また、今ツアーでは観光スポット巡りが定番になっており、早朝から浅草に繰り出して浅草寺でおみくじを引いたこと、REIとKENSHINが凶、HAYATOがNAOYAから借りた100円で大吉を引いたことを報告してくれた。また、普段のライブでは見られない企画コーナーが組み込まれていたのも、初の47都道府県ツアーならではのお楽しみ。初めて訪れる土地がほとんどということで、毎公演ご当地クイズで各地への理解を深めてきた彼らだが、この日は本拠地である東京でのライブのため、以心伝心クイズでチームワークを試すことになった。
あるお題に対して連想するモノをMCのNAOYA以外の5人がフリップで出し、全員が同じ回答を出せば成功というものだが、これがなかなかの難関。1問目の“ワンエンの仲の良さの秘訣は何?”では「TETTAの笑顔」(EIKU)、「ムードメーカーのTETTAがいる」(KENSHIN)、「スキンシップ」(TETTA)、「TETTAのスキンシップ」(REI)と、かなり良いところまで行きながら、ラストのHAYATOが「自然体」と答えて失敗に。3問目の“EIKUを動物に例えると何?”ではEIKU、KENSHIN、HAYATOと、ONE N’ ONLY の前身グループでもある“さとり少年団”の3人が「サバンナのプレーリードッグ」と正解を出し、当時やっていた自己紹介「サバンナのプレーリードッグ、永玖です!」をEIKUが再現してくれた。また“ワンエンにあって超特急にないものは何?”と、EBiDANの先輩を引き合いに出した禁断の6問目ではEIKUが「フレッシュ」、HAYATOが「TikTokのフォロワー数」と回答。超特急のタクヤ(草川拓弥)を実兄に持つNAOYAに「おうちに帰ったら言っとこう。お兄ちゃんに」と言われて、「やめて!」と焦りまくってSWAGを笑わせる。まったく揃わないまま、ラストの9問目で遂に“ワンエンを色で例えるなら何?”という超ボーナス問題が。もちろん全員が「白」と回答して、次回の高知公演で美味しい差し入れを頂けるという賞品を勝ち取った。
クイズを終え、フロアを見渡したリーダーのHAYATOが「SWAGが飛び跳ねているのを見て、それが揃ってるとメチャクチャ気持ちいい」と告げると、一斉に振られるペンライトにメンバーも「ヤバ!」「メチャクチャ綺麗じゃない?」と心からの驚きと喜びを表していく。
そこからEIKUが静かにタイトルコールしたのは、最新EP収録曲でこの日が待望の初披露となる「Turn it up」。ONE N’ ONLY初の和テイストを加えたダンスチューンで、次々に変化するフォーメーションとスリリングな動きで目を奪い、KENSHINの床を這うような低音ラップが不穏なムードをまき散らしていく。これまでにない斬新なアプローチにワッと沸き立つ歓声を受け、今度は6人が二手に分かれてパフォーマンス。ボーカル組のフェイクがダイナミックなハーモニーを織りなす「Everything’s Changing」に、上段から登場したラッパー3人が大ジャンプで飛び出す情熱的なラテン曲「Get That」から再び6人が合流して、一気にBPMを上げて雪崩れ込んだのは「EVOL」だ。2023年春に南米ツアーを行った彼らが現地で体得したグルーヴを持ち込み、伝統的なラテン楽器の音色をふんだんに盛り込んだ灼熱のレゲトン曲は今回のツアーでも毎回爆発力を発揮してきたが、この日は尺を延ばしたロングバージョンで披露。“EVOL,EVOL,EVOL!”のリフレインに“Hey!”とペンライトを振りあげるSWAGの熱気を天井知らずで高め、さらにタイトルの通り若き血が滾る「YOUNG BLOOD」を投下して、重低音の轟く空間に「お前らの声聞かせてくれよ!」と“Lalalala…”の大合唱を響かせた。
トドメとばかり、代表曲「Category」で強大なうねりを生み出して本編をフィニッシュ。怒涛のクライマックスを圧倒的パワーで休みなく踊り切り、歌い切った6人のエネルギーと、その根底にあるSWAGへの愛は驚くべきものだ。
それを証明するかのように「俺たちはみんなのこと愛してるぜ!」とグッズTシャツ姿で登場したアンコールでは、一気に肩の力の抜けたパフォーマンスで楽しませ、1曲目の「HOLIDAY」からREIがTETTAの背にしがみついたまま歌う一幕も。テレビ東京の60周年記念イベント『テレ東60祭』のテーマソングにも起用されたハッピーソング「Freaking Happy」では、笑顔で右脚を振る6人に合わせ、客席から「Yeah!!」の大声が飛ぶ。最後は「声出してくれ!」と、再びの「Hook Up」を投下。ひたすらに己を叩きつけたライブ冒頭とは対照的に、今度は“one way!! ” “no way!!”のコール&レスポンスをフロアに求め、SWAGとまさしくHook Up=繋がっていく。
“北から南 Jump around 一緒にparty”の歌詞の通り、全国を行脚してきた彼らは、歌、ラップ、ダンスのスキル、グループとしてのパフォーマンス力、SWAGとの信頼関係のすべてを高めてきた。その成果を目の当たりにして、NAOYAが「ここでもらったパワーを胸に残りのツアーも突き進んで、2024年もONE N’ ONLY の年にします!」と宣言すれば、KENSHINも「SWAGだけの豊洲PITの景色、最高です! これからも素敵な景色を見に行きましょう!」と喜びを露わに。TETTAは「2024年一発目の東京ワンマンライブ、かなりいいスタートが切れたと思います。パシフィコに向けてまだまだ気を抜かず、全力で皆さんの魂をぶつけてください!」とSWAGに求めた。
「“Hook Up”という言葉の本当の意味がわかってきた」というREIは「本当にたくさんのSWAGが来てくれて嬉しいです。このメンバーで良かった!」と感動を隠さず、EIKUも「SWAGの輪が広がっているのを身に染みて感じてます。僕たちは幸せを与える側ですけど、みんなの顔を見ていると僕たちも幸せになれるので、相乗効果でみんなと一緒に幸せになれたらなと思います」と語る。最後にHAYATOは、SWAGとの距離が近い今回のツアーでは、純粋に自分たちのパフォーマンスを楽しんでもらうためのセットリストを構成したことを伝え、「大変なこともたくさんあると思うけど、僕ら、みんなのことを全力で応援しているので。みんなの想いを背負ってパシフィコまでつなげていくんで、まだまだ駆け抜けていきます!」と決意を表した。
その道のりのゴールは、4月27日のパシフィコ横浜 国立大ホール。グループ史上最大規模のワンマンであるにもかかわらず、既にチケットは完全ソールドアウトと、史上最大の挑戦を予想外のスピードで彼らはクリアしてしまった。ひたすらにライブを積み重ね、オーディエンスを魅了することで勝ち得てきた飛躍ほど強いものはない。ゴールではなく、新しいスタートとなるだろうステージで、2024年のONE N’ ONLYがどんな景色を見せてくれるのか興味は尽きない。
TEXT BY 清水素子
PHOTO BY 笹森健一
リリース情報
2023.12.06 ON SALE
EP『You are / Hook Up』
ONE N’ ONLY OFFICIAL SITE
https://one-n-only.jp