■実に約4年ぶりの声出し解禁ツアー
LiSAが、全国ホールツアー『LiVE is Smile Always~LANDER~』のツアーファイナル公演を、12月17日(日)に東京・東京ガーデンシアターで開催した。
2022年11月に発売したフルアルバム『LANDER』を引っ提げ、今年9月からスタートし全国14カ所19公演行った今回のツアー。コロナ禍を経て、実に約4年ぶりの声出し解禁ツアーとなるだけにLiSAの気合はたっぷり。約4年分の想いとツアーで培ったパワーを全開放する、見応えたっぷりのライブが繰り広げられた。
満員の観客の興奮が高まる中、オープニング映像からLiSAがステージに登場すると会場は大歓声。LiSAは会場をじっくりと見渡し「トーキョー!」と声を上げ「NEW ME」からライブをスタートする。暗闇から新しい一歩を踏み出す思いを、彼女の盟友と言うべきバックバンド・わんたんにゅーめんずとともに届けていく。そして、ライブ開始早々に必殺の「紅蓮華」が投下。真っ赤に染まる会場に、ハードなギターと伸びやかなLiSAのボーカルが響き渡る。サビでは、LiSAの“運命を”の歌に続いて観客が“照らして”歌い、絶妙な連携で楽曲を作り上げた。レーザーが瞬く中、赤ローブを脱ぎ、蛍光グリーンのラインがあしらわれた黒い衣装となったLiSAは「東京、ファイナル、最高に楽しんでいきましょう!ピース!」と声を上げ「コズミックジェットコースター」を歌唱。躍動感溢れるステージに、会場のボルテージはレッドゾーン状態となった。
■変幻自在のステージで観客を魅了
MCタイムで、LiSAは「東京、ただいまー!」「ついにやってまいりました、LANDERツアー・ファイナル。ここまで18公演やってきました。今日が19公演目。全国の18公演分のパワーを受け止めてくれる準備はいい? 愛と思いやりを大切に、ここにいるみーーんなで最高に楽しんでいきましょう、ピース!」と声を上げた。
ライブに戻ると、LiSAは「アコガレ望遠鏡」で楽しさを提供し、「シャンプーソング」ではギタープレイを披露。「dis/connect」「悪女のオキテ」「赤い罠(who loves it?)」と立て続けにセクシーでかっこいい姿を見せる。「逃飛行」では拡声器を持ちシルエットでのパフォーマンスを披露するなど、まさに変幻自在のステージで観客を魅了していった。
バンドメンバーのコーナーでもLiSAは一緒になって楽しむ。自由奔放状態となった彼女は、蛍光色のスティックを握りパーカッション叩きながら「た、い、せ、つ Pile up」を歌唱。「やったー」など声のサンプリングで遊びまくったあとは、観客のクラップとアコースティックギターに乗って「シフクノトキ」を温かいメロディを届けた。
■ステージを楽しみながら会場の一体感を作れる類まれなアーティスト
エンジョイゾーンを経たあと、LiSAはスタッズをあしらった黒のタイトな衣装でステージにカムバック。「一斉ノ喝采」からライブの熱量を上げていく。疾走感たっぷりの「1センチ」では爆速バージョンを披露し、その勢いのまま「say my nameの片想い」を歌唱。マイクスタンドの周りにバンドメンバーが集まりハート作ったりと、ワチャワチャ感を見せていく。LiSAは、ステージを楽しみながら会場の一体感を作れる類まれなアーティストと言っても過言ではないだろう。
ライブもいよいよラストスパート。最新曲「REALiZE」で怒涛のラウドロックをたたみ込み、エモーショナルな「Thrill, Risk, Heartless」が披露されると観客は大熱狂。LiSAの「歌って」の声から観客の「オーオーオー」の大合唱が巻き起こり「ADAMAS」が投下される。LiSAは、フロアタムを叩きスリリングなビートを鳴らす。強烈な勢いのまま「ROCK-mode」で会場のテンションはさらに上昇した。
LiSAは「いつかまた、こんな声が聞ける日を願って作った、幕が明ける日を願って作ったこの曲、一緒に歌ってくれる?」と観客に問いかけ、“welcome to the dawn of a new era”のフレーズが歌われてライブのラストナンバー「dawn」が届けられた。楽曲には、新しい幕開けの喜びを全員で分かち合うような強いメッセージが詰まっている。LiSAと観客が歌でコミュニケーションし、会場のボルテージは最高潮となった。「この先どんなに長い夜がまたやってきても、私たちで、また最高の幕開けを何度でも迎えよう」「今日は最高の幕開けでした。ピース!」というLiSAの言葉から、会場全体でピースしてライブ本編は終了となった。
狂熱の時間はここままでは終わらず、ピアノの音色からアンコール曲「炎」が届けられる。切なさと前向きな気持ちを、LiSAは感情を込めて熱唱する。全身全霊を込めて歌い切った彼女に、観客は長い長い拍手を送った。
MCタイムで、LiSAは涙しながらライブの感想を語っていく。「まだ世界が灰色のとき。いや、真っ暗なとき。明けるかも、いつか明けるかもと思いながら過ごしていた何年間。それでもライブがしたくて、10周年がしたくて、『LADYBUGツアー』を行いました。そのときに作った楽曲もたくさんあって、いつかこんな日を夢見て作った曲がたくさんあったんですけど、あれから時が経って、季節がたくさん変わって、私自身も、世界も新しくなって。こんなに最高の今日を迎えられたこと、最高の今日を迎えにきた私達を誇りに思います。今日は来てくれて本当にどうもありがとうございました」と深々とお辞儀。LiSAに向けて、観客は惜しみない大きな拍手を送った。
涙を拭いたLiSAは、「完走したぞ!最高の幕開け迎えたぞー!」と彼女らしく明るく絶叫。そして、来年2024年4月19日、20日に日本武道館でワンマンライブ『LiVE is Smile Always~i SCREAM~』の開催決定を発表すると観客は喜びの歓声を上げた。
■LiSAはこれからも大勢のファンとともに音楽の旅を続けていく。そんな想いを感じ取れる濃密なライブ
感動と興奮の詰まりまくったライブも残り1曲。LiSAと観客が大合唱し、ピンクの銀テープが発射されると「ジェットロケット」が歌われる。なんとLiSAは客席に降り、歌いながらアリーナをまんべんなく回っていく。尋常ではないほどの盛り上がりとなった会場に「ラララ」の大合唱が鳴り響く。LiSAの「ほんとうにでらありがとー!ピース!」の声から、会場全体にピースが掲げられ、強烈な高揚感とともにライブはフィニッシュとなった。
長いコロナ禍を経て新たな世界にたどり着いたLiSA。熱い思いを楽曲に注ぎ込みながら、LiSAはこれからも大勢のファンとともに音楽の旅を続けていく。そんな彼女の想いを感じ取れる濃密なライブだった。
TEXT BY 土屋恵介
PHOTO BY Viola Kam (V’z Twinkle)
『LiVE is Smile Always~LANDER~』
2023年12月17日(日) 東京・東京ガーデンシアター
セットリスト
1.NEW ME
2.紅蓮華
3.コズミックジェットコースター
4.アコガレ望遠鏡
5.シャンプーソング
6.dis/connect
7.悪女のオキテ
8.赤い罠(who loves it?)
9.逃飛行
10.た、い、せ、つ Pile up
11.シフクノトキ
12.一斉ノ喝采
13.1センチ
14.say my nameの片想い
15.REALiZE
16.Thrill, Risk, Heartless
17.ADAMAS
18.ROCK-mode
19.dawn
ENCORE
EN1.炎
EN2.ジェットロケット
ライブ情報
LiVE is Smile Always~i SCREAM~
2024年4月19日(金) 日本武道館
2024年4月20日(土) 日本武道館
LiSA OFFICIAL SITE
https://www.lxixsxa.com/