■「みんなが赤いペンライトを振ってくれて、大切な時間を私のために割いてくれて、とっても幸せな1日だなと思いました」(百田夏菜子)
ももいろクローバーZの百田夏菜子が、12月25日にさいたまスーパーアリーナにて、ソロコンサート『Talk With Me Xmas Night ~シンデレラタイム~』を開催した。
2021年に開催されたソロコンサート『Talk With Me ~シンデレラタイム~』から約2年ぶりになる今回のソロコンサートは、クリスマス当日に開催となり、デコノフ(百田夏菜子ファンの総称)にとっては最高のクリスマスプレゼントになった。総合演出は、前回に続き本広克行が務めた。
コンサートに向けたソロシングル「クリスマスしよ▽」(▽はハートマーク)の配信や、同曲のMVが公開されるなど、開催前からファンの期待値は高まっていた。
センターステージを囲う紗幕に映し出された時計の針が12時を指すと、ボーンと鐘の音が鳴り響き、“シンデレラタイム”の始まりを告げる。紗幕にクリスマスツリーやオーナメントなどが映し出され、中に白いふわふわのワンピース衣装を身に纏った百田が登場。12月15日に配信リリースしたばかりの新曲「クリスマスしよ▽」でスタート。バンドサウンドにアレンジされた本楽曲を初パフォーマンスし、会場は一気にクリスマスムード一色に。そして「メリークリスマス!」の掛け声とともに紗幕が落とされ、次曲の「ニュームーンに恋して」に移る。カラフルなライティングで会場を彩り、クリスマスの夜にぴったりな2曲で幕を開けた。
最初のMCでは、平日開催やクリスマスにも関わらず来場してくれた人への感謝や、いつもの自己紹介を行い、さらには「私が作詞した新曲を披露します!」と告げ、会場の期待感を煽り、テンションを上げていく。
MCを終えると、12月23日・24日に開催された『ももいろクリスマス2023 PLAYERS』でも披露した「ゲッダーン!」を鈴の音を入れたクリスマスアレンジバージョンで披露。途中でトロッコに乗りファンとのコミュニケーションをとりながら会場を一周しメインステージに移ると、自身が作詞したバラードナンバー「それぞれのミライ」をしっとりと歌い、ファンを魅了した。アウトロで百田は一度ステージをあとに。
ベースによる前奏が始まり会場が明るくなると、星が散りばめられた黒いワンピース衣装に早替えした百田が姿を現す。黒スーツのダンサーふたりも登場し、椅子を使用したパフォーマンスを魅せたのは、今回のライブのために制作されたムーディーなダンスナンバーとなる新曲「Doubt」。会場にはシックかつ妖艶な雰囲気が漂い、ファンの目を釘付けに。そして会場に手拍子を促すと、百田が作詞作曲の応援ソング「一味同心」を力いっぱいに歌唱。
再びセンターステージに移動すると、オルゴールの音が会場を包む。雪に模したシャボン玉が降りそそぎ、会場がスノードームと化すと、辛島美登里の「サイレント・イブ」をカバーし、美しく繊細に歌い上げる。そして、メインステージにセッティングされたパーカッションと向き合うように、ナオト・インティライミが楽曲提供した「わかってるのに」を強い気持ちを込めてパフォーマンス。続けて、ステージ上にスモークが立ち込め、雲を演出すると、ダンサーが空色のカーテンを持って舞い踊るなか、「空のカーテン」をピアノ伴奏のみのアレンジで優しく歌い上げた。メロウな曲で彩られた3曲を力強く、そして優美に歌う姿で、会場の心を鷲掴みに。
MCでは次曲の振り付けをレクチャーする場面も見られ、次の曲へ。会場のファンと一緒にみんなで踊れるように、と制作された新曲「ukiukihuman!」を計12名のダンサーと一緒にノリノリでパフォーマンス。曲の間奏では、百田とバンドメンバーの掛け声・振り付けに合わせて、会場のファンと一緒に踊るパートが設けられ、会場に一体感を生んだ。最後には「ウキウキポーズ」を会場全体でバッチリと決めると、続けて百田の甘いセリフから始まったのは、クリスマスソングの「ヘンな期待しちゃ駄目だよ…?▽」(▽はハートマーク)。ハイテンポなバンドサウンドで会場のボルテージを一気に上げると、ラストには「目が覚めても…きっと…あなたのこと…」というセリフを言い残し、ステージから姿を消した。
スクリーンに映し出された時計の針が逆回転し始め、時が戻ると、デビュー時の百田の映像や過去の自己紹介シーンやライブ映像が流れる。その後時計の針が現在に戻り鐘が鳴ると、リボンをモチーフとした、百田自身がプレゼントになったかのような衣装を着用した百田が、ピアノとともにメインステージに現れる。百田によるピアノパフォーマンスの「Kanako’s プライド」を力強く演奏し、本編ラストパートをスタート。「ここからはピアノを弾きながらお届けしたいと思います。次の曲は“明日が必ずある訳ではない、今日を大切に過ごそう”という気持ちを歌詞に込めました」と述べると続けて、本ライブにおけるさらなるバラードな新曲「今日の君へ」を百田自身によるピアノ弾き語りで披露した。
その後のMC中にトロッコでセンターステージへ移動したのだが、ももクロのライブを含めMCのみでの移動は珍しく、百田がファン一人ひとりとの会話を楽しむ微笑ましい光景は、今回のハイライトのひとつとなった。
移動後、センターステージに置かれたプレゼントボックスの山の中にカモフラージュしていたピアノの前に座ると、百田の初めてのソロ曲「太陽とえくぼ」をピアノ弾き語りバージョンで披露し、会場をゆらゆらと心地いいムードにさせた。本編ラストを飾ったのは、「ひかり」。本楽曲も百田が作詞しており、仕事のために行き来した静岡・東京間の新幹線内で書き留めたメモをもとに歌詞が綴られている大切な楽曲だ。さらにカモフラージュしていた別のピアノによる弾き語りでスタート。暖かく歌い上げるなか、曲のラストにはバンドサウンドが加わり、壮大なエンディングを迎え、クライマックスは百田によるピアノの旋律でしっとりと本編を締めくくった。
時計の針の音に合わせた手拍子とアンコールに応え、ソロコンTシャツを着用した百田が「メリークリスマス!」の掛け声とともにステージに姿を現す。そのままアンコール1曲目「サンタさん」に突入。いつもは「れにちゃんのぉ↑ちょっといいとこ見てみたい」となるところが、本日はかなちゃんver.になり、バスケットボールとゴールリングが用意される。ダンサーが持つリングに3球シュートをし、見事すべてゴールさせるという劇的なシーンも生まれた。途中、会場にきている方の中から抽選でサイン入りグッズが当たる百田からのクリスマスプレゼントコーナーが挟まれ会場は盛り上がりを見せた。
「次の曲がラストです。あっという間だね…」と終わりを惜しむ声もあったが、ラストは「渚のラララ」を元気いっぱいにパフォーマンス。途中、バンドメンバー、ダンサーもセンターステージに集まり、「ジングルベル」「赤鼻のトナカイ」へと曲が切り替わる場面や、ステージを降りて会場を行進するシーンも。今回ライブを一緒に作り上げてきたバンドメンバー・ダンサーの紹介も行われ、曲は再び「渚のラララ」に戻る。ファンからも「ラララ」と歌う声が聞こえるなか、大団円でアンコールパートはフィナーレを迎えた。
最後のMCで、百田は「23日、24日の『ももいろクリスマス2023』でたくさんのモノノフさんと過ごせて…、こうして25日クリスマス当日にもみんなが赤いペンライトを振ってくれて、大切な時間を私のために割いてくれて、とっても幸せな1日だなと思いました」と感謝の気持ちを伝えた。
百田が最後に「また会おうね!」と呼びかけると、会場が暗くなり、スクリーンには再び時計の映像が流れはじめる。針が12時を指すと同時に鐘が鳴り響き、シンデレラタイムの終わりを告げた。こうしてクリスマスの夜に行われた夢のような時間は、ファンの心を満足感で満たし、最上なクリスマスプレゼントとして届けられた。
今回ソロコンサートで披露された楽曲たちは、新曲含め8曲を百田本人が作詞を担当。ソロ活動を行うなかでも、表現の幅を広げている百田夏菜子に今後も注目だ。
<セットリスト>
1. クリスマスしよ(ハート)(新曲)
2. ニュームーンに恋して
3. ゲッダーン!
4. それぞれのミライ
5. Doubt(新曲)
6. 一味同心
7. サイレント・イブ [辛島美登里]
8. わかってるのに
9. 空のカーテン
10. ukiukihuman!(新曲)
11. ヘンな期待しちゃ駄目だよ…?(ハート)
12. Kanako’s プライド
13. 今日の君へ(新曲)
14. 太陽とえくぼ
15. ひかり
アンコール
EN1. サンタさん
EN2. 渚のラララ
リリース情報
2023.12.15 ON SALE
百田夏菜子
DIGITAL SINGLE「クリスマスしよ▽」
ももいろクローバーZ OFFICIAL SITE
https://www.momoclo.net/