■「何度も不安になって、無理かもと思いながらやっていました」(福原遥)
映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』の大ヒット御礼舞台挨拶が、12月19日に新宿ピカデリー スクリーン1にて行われ、W主演の福原遥、水上恒司に加え、原作者の汐見夏衛も登壇した。
12月8日より全国公開され、週末ランキング邦画第1位の大ヒットスタートとなり、12月18日までで動員83万人、興行成績10億7千万円という驚異的な数値を叩き出し、2週目の土日は前週比130%を超え、平日も連日前週比超えが続いている本作。公開後の反響について、福原は「たくさんの皆さんが観てくださっているという話を聞いてびっくり。信じられません。うれしい気持ちでいっぱいです。小学生と高校生のいとこが映画を観てくれたあとに、戦争について勉強するようになったと聞いて、私たちの想いが届いていると感じています」としみじみ。水上は先週末から3日間で全国各地13回もの舞台挨拶に参加したことを振り返って、「若い世代、特に中高生。そしてギャルやギャル男もいたけれど、そんな彼らにも“観たい!”と思わせられていること、そして観ていただいていろいろな感想を持たせることができてうれしい」と大ヒットを実感していた。
映画化解禁時では累計発行部数50万部だった原作も、今では90万部を突破。汐見は「50万部まで6年かかったけれど、映画化が決まってからその数字が倍になって…。映画の力ってすごい。書籍の力だけではできなかったこと。圧倒されています」と驚いていた。
福原と水上は、大阪・福岡・名古屋でも舞台挨拶を実施。水上は地元・福岡での熱のこもった舞台挨拶が印象的だったそうで、「ティーチインでは観客の方が“私は!”と自分の想いや質問を立ち上がりながら言ってくれて…。さすが福岡! 俺の故郷、好きと思った」と笑顔。福原は「それぞれの土地でおいしいご飯を用意してくださって、今日行った名古屋では手羽先。朝も昼もしっかり食べたはずなのに、移動中に5本くらいかぶり付きながら帰京しました」と歓迎グルメに喜色満面だった。
本作の大ヒットを記念して、12月22日より全国の映画館で汐見による書き下ろし小説『君とまた出会うために。』のデジタル小説が読めるオリジナルビジュアルカードを配布することも決定。その内容を紹介する役だった福原だが、おいしかった手羽先が忘れられなかったのか、なぜか「いただきます!」と元気に発声。すかさず水上から「手羽先とかね、おいしいものをたくさん食べたもんね!」とツッコミを入れられていた。
汐見曰く、書き下ろし小説『君とまた出会うために。』は福山雅治による主題歌「想望」に影響を受けた内容になっているという。水上は「彰(水上)がどこに行ったのか、映画を観た方は気になると思います。映画を観たあとに『君とまた出会うために。』を読むと、“なるほどそういうことか”と思うはず」と勧め、福原も「めちゃめちゃ感動しました。彰の想いだったり、心が温かくなる作品です」と絶賛。汐見は「福山さんの歌詞の世界観や言葉選びが素晴らしく、そこから刺激を受けて『想望』の歌詞に沿ったものを書きたいと思った。歌詞の使用許可も快諾していただけたので、歌詞の一部も使用しています」と話した。
そして最後の写真撮影の直前、福原と水上へのサプライズが発動。汐見による感謝の手紙が読み上げられた。福原には「福原さんの演じてくださった百合は、原作のキャラクター設定を活かしてくださりつつ、感情移入せざるを得ないようなパワーのある少女になっていて、感激しました。劇場から出てきた年配の御夫婦が、洟をすすりながら言葉を交わし、手を繋いで歩いていかれたのが印象的でした。きっと観客の皆様が、百合と同じように、これまで当たり前と思ってしまっていたものの尊さを感じたのではないかと思います。福原さんに百合を演じていただけてよかったと何度も思っております」とメッセージ。
これに福原は「原作を読んだときに私も涙して素敵な作品だと思いました。同時に、この原作の百合に私は近づくことができるのか? と何度も不安になって、無理かもと思いながらやっていました。汐見先生からこんな素敵なことを言っていただけでうれしくて幸せです」と感涙していた。
水上には「彰は、拙作の登場人物の中でも特に、これまでたくさんの読者様から、私の想像していた以上に熱い想いを寄せていただけたキャラクターでした。だからこそ、最初に映画化をいただいたときに、不安がなかったと言えば嘘になります。そんな若干の不安を抱えながら映画化のお話が進むのを待っていた中で、水上さんにお引き受けいただいたとご連絡をいただきました。水上さんのこれまでのご活躍は何作も拝見していたので、お名前を伺ったときに、誠に僭越ながら、“ああこれで安心だ”と思ったのをよく覚えております。そして実際に映画を拝見して、これは本当に読者の皆様に喜んでいただける映画化になったと喜びが込み上げてきました」と伝える。
これに水上は「何よりも原作者である汐見先生から“ああこれで安心だ”などと思っていただけたこと、それだけでうれしい。興行成績が伸びようと伸びまいと、先生からの言葉がいちばんうれしい」と冗談めかしながら感激していた。
最後に汐見は「映画に携わった皆さんのことをもっと喜ばせてあげたい! という欲が出てきました」とさらなる大ヒットを期待。水上は「本作を通して戦争というものは、被害者と加害者がはっきりとは分かれていないということを知っていただき、それを後世に伝えていけるようなきっかけの作品になったらうれしい」と平和を祈願。福原も「今ある普通の生活が当たり前ではなくて、おいしいご飯を食べて大切な人と一緒に過ごせること、夢に向かえることのありがたさを感じる作品です。皆さんにもその想いが伝わって、自分の大切な人を大事にしようとか、何かの行動を起こすきっかけになればと思います」と呼びかけていた。
映画情報
『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』
12/08(金)全国公開
主演:福原遥、水上恒司
出演:伊藤健太郎、嶋崎斗亜(「崎」は、たつさきが正式表記)、上川周作、小野塚勇人、出口夏希
坪倉由幸、津田寛治、天寿光希、中嶋朋子/松坂慶子
原作:汐見夏衛『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』(スターツ出版文庫)
主題歌:福山雅治「想望」
監督:成田洋一
脚本:山浦雅大、成田洋一
配給:松竹
(C)2023「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」製作委員会
映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』作品サイト
https://movies.shochiku.co.jp/ano-hana-movie/