■「独り夜に逃げていた自分が、あなたに出会えたおかげで、昼を楽しめるようになれました」
ざきのすけ。が12月2日、渋谷TOKIO TOKYOにて初のワンマンライヴツアー『1st ONE MAN LIVE TOUR -NIGHT CRAWLER-』の東京公演を行った。
本ツアーは11月25日の大阪HOLY MOUNTAIN、そして渋谷TOKIO TOKYOの東阪2会場で行われた。
開演を少し過ぎ、バンドメンバーに続いて割れんばかりの拍手のなか、ざきのすけ。が登場。
冒頭から激しく身体を揺らしながら、メジャーデビュー曲「彼は誰どき」(ドラマ『合理的にあり得ない ~探偵・上水流涼子の解明~』主題歌)を熱唱してライブをスタートした。続いてインディ期ラストソングとなった「In the Cell」では、ステージ左右を軽やかなステップを踏みながらのパフォーマンス。
「今日は初のワンマンにようこそ! この特別な夜をみなさんと過ごせることをすごく楽しみにしてましたし、今もめちゃくちゃうれしい気持ちでいっぱいです。みなさんと全力でぶつかり合って最後まで楽しんでいけたらと思います。踊る準備はできてますか?」と盛り上げ、軽快なリズムに叶わぬ恋の切ない歌詞をのせた「CASSIS」で一気にテンションをアップ。
そしてTHE FIRST TAKEが行っていたオーディションのファイナルで歌唱した切ない失恋ソング「MINT」、続いてデビュー作のカップリングに収録されていた、敬愛する椎名林檎の名曲「丸ノ内サディスティック」と続けた。
本ツアーでは、キーボード兼マニピュレーター大樋祐大(SANABAGUN.)、ドラム高村佳秀(BLUE ENCOUNT)がサポートメンバーとして参加しているが、「丸ノ内サディスティック」においては大樋祐大がベースをプレイ。グルービーで骨太なリズム隊に支えられて、ざきのすけ。の魅力が存分に発揮されていく。
ライブも中盤に差し掛かり、サポートメンバーが一度はけると、徐にざきのすけ。がエレキギターを持ち弾き語りを始めた。メロウなメロディが心地よい楽曲は「Midnight Train」という未発表の新曲。
心地よい歌声を響かせたのち、「ずっと温めている失恋ソングを歌わせていただきました。人間関係に悩んだことも多々あった人生で、すごく夜という時間が好きでした。でも夜に逃げていた部分もありました。ライヴタイトルもそれにちなんでいます。でも最近、朝や昼の歌が増えてきています。みなさんと出会えたおかげで、希望に満ちてきた気がします。」と語った。
ここからは、ざきのすけ。のボトムにあるクラブサウンドの楽曲が続く。札幌のクラブで深夜のライブやサイファーを楽しんでいた活動初期に発表した「The gifted…?」「Clay」と続け、さらにメドレー形式で「Rain~Take a Risk~Infection」と3曲のラップサウンドを一気に畳みかけた。
そしてサポートメンバーがスタンバイしている間に、ざきのすけ。も再びエレキギターを手にし、昨年5月に発表したEP『Identification』収録の「Launch」でディストーションの効いたハードなサウンドにバチバチなラップをのせてフロアを沸かせた。まさにジャンルの枠に捉われない、シンガー兼ラッパーと自称するざきのすけ。ならではのサウンドを体現していた。
「NIGHT CRAWLER」つまり「夜の徘徊者」とツアータイトルが名付けられた意味がひしひしと伝わる中盤だった。
ここで「今日はざきのすけ。にとっての幕開けというわけで、潔く開け放った幕を開けたり閉めたりしないように、このままみんなとぶつかり合って最後まで進みたいと思います!」と、アンコール無し宣言をすると、「みんなにとってここが、おかえりや、ただいまを言い合える、そんな場所になったらという想いを込めて歌います」と告げ、現在放送中の東海テレビ・フジテレビ系土ドラ『あたりのキッチン!』の主題歌「オレンジ」を披露して終盤に突入した。
ざきのすけ。史上もっとも温かい歌声で歌い上げ、会場を優しい気持ちで包み込んだ。続いてインディ時代から最もざきのすけ。が大切に歌い続けてきている「Feel Like」のダンサブルなリズムでオーディエンスを大きく揺らした。
さらに「今日は特別な夜だから、みんなと一緒に歌える歌を作ってきました! サビで『まわる』を繰り返すだけの簡単な曲なので一緒に楽しみましょう」と、またまた未発表の新曲「Mawaru」でファンとのシングアロングを生み出した。
勢いをそのままに「Finger Magic」と続けたのち、ラストはまさに今年の夏の酷暑があってこそ生まれたサマーチューン「ヒートアイランド」で締めくくり、熱気と高揚感のなかライブは幕を閉じた。
「独り夜に逃げていた自分が、あなたに出会えたおかげで、昼を楽しめるようになれました」というMCが印象的だった。おそらくこの先も勢いが止むことはないだろう、いよいよ目が離せなくなってきた。そう痛感させられる一夜だった。
【セットリスト】
M1. 彼は誰どき
M2. In the Cell
M3. CASSIS
M4. MINT
M5. 丸ノ内サディスティック
M6. Midnight Train(未発表新曲)
M7. The gifted…?
M8. Clay
M9【. Rap Section】 Rain~Take a Risk~Infection
M10. Launch
M11. オレンジ
M12. Feel Like
M13. Mawaru(未発表新曲)
M15. ヒートアイランド
ざきのすけ。1st ONEMAN LIVE-NIGHT CRAWLER-
https://open.spotify.com/playlist/7bLsQWYQudn3HUVNOZcHEz
ざきのすけ。OFFICIAL SITE
https://zakinosuke.com/