■「(もしサイコパスの女性を)好きになったらしょうがない。最初からすべてが見えてお付き合いすることはないと思うので、もしサイコパスだったらどうにかします」(亀梨和也)
映画『怪物の木こり』の公開記念舞台挨拶が12月2日に東京・丸の内ピカデリー スクリーン2で行われ、主演の亀梨和也、キャストの菜々緒、吉岡里帆、そして三池崇史監督が登壇した。
上映後、観客で満席の会場は、衝撃のラストにまだ熱気が冷めやらぬ様子。今か今かとゲストの登壇を観客が待ちわびるなか、亀梨和也、菜々緒、吉岡里帆、三池崇史監督ら、チーム『怪物の木こり』が登場すると、大きな拍手が沸き起こった。
はじめに挨拶した三池監督は「今日はありがとうございます。あまり朝向きの映画じゃないと思いますが、そういう日もあってよいかと(笑)」と笑いを誘い、座長としてチームを引っ張っていた亀梨も「公開2日目を迎え、いろいろと感想を目にしていますが、いよいよ映画が巣立っていくというか、どういうふうに育ってくれるのかなというところまで来ました。皆さんに本当に感謝しています」と喜びを噛みしめた。
菜々緒は会場を見渡し、「皆さん映画はいかがでしたか?(会場拍手)ありがとうございます! 昨日もSNSの感想を拝見し、今日を迎えました。今日はよろしくお願いします」と語り、続く吉岡は「皆さんがご覧になったあとということで、いろんな話をしたいと思います。皆さんがどんなふうに感じているか気になっています」と笑顔を見せた。
様々な感想が寄せられるなか、亀梨は気になったコメントがあるそうで、「まさかサイコパスに泣かされるとは、というコメントがあって。グロいのが苦手だけど、全然大丈夫だったというコメントもありましたね。解釈に正解不正解はないので、思った感想を大事にしていただけたら」とコメント。
菜々緒は「感想を見て、この人サイコパスっぽいなとか、その人の人間性がわかるようになってきたというのが私は印象的でした」とコメントするなど、プロファイラーの役柄が染みついている様子だった。
上映後ということで、ここからはネタバレを一挙解禁。様々な伏線が重なり、予想もつかないスリリングな展開が見どころの本作。連続殺人鬼“怪物の木こり”の正体はまさかの人物で、この日来場した観客のなかで犯人が分かった人は半数以下だった。この結果を受け、亀梨は「まさかのあの方でしたね! 僕は25年芸能界にいるので、キャスティングの配役で推理しちゃう部分があるから(笑)」とコメント。
本編ではサイコパスと殺人鬼の対決が描かれつつも、冷酷だった亀梨演じるサイコパス弁護士・二宮があることをきっかけに、段々と人間性と取り戻していくというストーリーも展開される。そんな二宮の変化を経て、衝撃のラストへと繋がるのだが、意外な結末に涙する人もいた。
亀梨は、「サイコパスとして生きていたところから、徐々に人間性を取り戻す流れのなかで、ピュアな人間性を表現する部分は吉岡さんとのシーンが鍵になるので、丁寧に演じました」と演じ分けについて注意した部分を明かした。
亀梨のそんな役作りを近くで見ていた吉岡も「ラストシーンにすべてをかける思いでした。その結果、ただのサイコスリラーの鑑賞後感とは違う、心に残る作品になったと思います。どの人も裏切られる、衝撃的な作品になっています」と手応えを感じていた。
二宮の内面の変化に気づくのが、二宮を追う菜々緒演じる警視庁のプロフィラー・戸城と、二宮を愛し始める吉岡演じる映美のふたり。それぞれが二宮と対峙する場面は大きな見どころとなり、緊迫感満載のシーンに仕上がっている。
戸城が連続殺人事件の結末を見届けたあと、二宮に直接的な言葉を投げかける最後の対話のシーンでは、演じる菜々緒の心拍数が上がり、マイクが音を拾ってしまうというハプニングも。このシーンについて菜々緒は「あのシーンはすごくアドレナリンが出てしまって。もう部屋の空気感が異様だったんです。カメラが回っているとき以外、亀梨さんとはまったくお話していない状態で」と、緊迫の撮影エピソードを明かすと、亀梨も「あの空気感もそうですけど、カメラが目の前にあったり、普段入らないところまで迫ってきて、監督に操られているんじゃないかって思い始めてましたからね」と振り返った。
さらに、映美が二宮に対し感情をぶつけるシーンで吉岡は「殴られて、首を絞められて、私がいちばん痛めつけられている気がします(笑)」と初めての三池組でその洗礼を存分に受けたことを笑顔で告白し、「顔がうっ血したメイクをしているんですけど、それが髭に見えて、知らないおじさんが映っているんじゃないかって思ってしまいました(笑)」と振り返った。
また、登場人物全員がサイコパスという本作にちなみ、サイコパス男子および女子は恋愛対象になり得るかと聞かれた亀梨は「好きになったらしょうがない。最初からすべてが見えてお付き合いすることはないと思うので、もしサイコパスだったらどうにかします」とサイコパスでも受け入れると回答。吉岡が「男前ですね~」と感心するも、女性陣ふたりは「NO」と口を揃えた。菜々緒は「一緒にいると同調してしまうタイプなので」、吉岡は「やっぱり違和感を感じて全部怪しんでしまいそう。そういう匂い感じたら近づかないようにしています」とキッパリ。
ここで、主題歌を担当した、SEKAI NO OWARIのSaoriから、映画の公開を祝うメッセージが公開された。
■コメント全文
今回主題歌を作らせて頂けることになり、とても光栄に思っております。
サイコパスな登場人物ばかり出てくる今作品は、目を離せない展開が魅力ですが、
特に亀梨さんの瞳の動きは誘い込まれるような恐ろしさがあり、
映画館で見たらより一層怖いだろうなあ……と思います。
提供させて頂いた新曲「深海魚」では、サイコパスな登場人物たちの境遇を想像して、
歌詞やアレンジを施してみました。
背後から迫りくるようなゾクゾク感を、本編最後に楽しんでいただけたら幸いです。
思わぬサプライズに亀梨も感激した様子で「本当にこの作品にリンクしている楽曲で、エンドロールでは高揚したことを覚えています」と、映画の世界観にぴったりな主題歌について言及した。
最後に亀梨は「本日はありがとうございました。ぜひ、映画を観た感想をや想いを発信してください。一人ひとりが宣伝隊長として一緒に作品を大きく育てていただけたらうれしいです。一度と言わず、二度観ると違った感覚に陥りますし、監督の表現やその意味を知る楽しみもある作品になっていると思いますので、劇場に足を運んでみてください」とひと言ひと言に思いを込めるように力強くコメントした。
続いて観客と一緒に登壇者がフォトセッションを行い、掛け声に合わせてキャノン砲が発射され、一気に煌びやかな雰囲気に。チーム『怪物の木こり』の今だからこそ語られるエピソードが満載で、キャスト陣の作品にかける熱い思いが垣間見られる公開記念舞台挨拶となった。
映画情報
『怪物の木こり』
12月1日(金)劇場公開
出演:亀梨和也
菜々緒 吉岡里帆
柚希礼音 みのすけ 堀部圭亮 渋川清彦
染谷将太 中村獅童
原作:倉井眉介『怪物の木こり』(宝島社文庫)
監督:三池崇史
脚本:小岩井宏悦
主題歌:SEKAI NO OWARI「深海魚」
製作・配給:ワーナー・ブラザース映画
(C)2023「怪物の木こり」製作委員会
リリース情報
2023.11.24 ON SALE
DIGITAL ALBUM『怪物の木こり オリジナルサウンドトラック』
2023.12.06 ON SALE
ALBUM『怪物の木こり オリジナルサウンドトラック』
映画『怪物の木こり』公式X(Twitter)
https://twitter.com/kaibutsukikori
映画『怪物の木こり』作品サイト
kaibutsunokikori.jp