■「100パーセントでかかってきてください、なんて贅沢なことは言いません。今日は120パーセントでかかってこい!」(SUPER BEAVER渋谷龍太)
『バズリズム LIVE 2023』Day3(最終日)公演が11月5日に神奈川・横浜アリーナにて開催され、集まった1万5,000人を終始沸かせる熱いパフォーマンスが繰り広げられた。
『バズリズム LIVE』は日本テレビ系列の番組『バズリズム(現:バズリズム02)』が発信する音楽イベントで、2015年に横浜アリーナで初開催。9回目を迎える今年は、11月3日から5日まで開催。MCは『バズリズム02』の司会でもあるバカリズムと、石川みなみ(日本テレビアナウンサー)が担当し、5組のアーティストが出演した。
■ブランデー戦記
オープニングアクトは、8月には1st EPをリリースした大阪発の3ピースロックバンド、ブランデー戦記が務めた。SEが鳴り響くなか、メンバー3人が勢いよく駆け出してステージに登場。
オープニングは彼らを世に知らしめるきっかけになったデビューシングルの「Musica」だ。重厚かつ骨太のサウンドに、蓮月のエモーショナルなボーカルがのり、グイグイと演奏していく。ラストの「僕のスウィーティー」の間奏では、3人が向き合って演奏しアンサンブルの一体感を見せつけた。
■龍宮城
トップバッターを務めたのは、7人組オルタナティブ歌謡舞踊集団の龍宮城。プロデュースは前日に出演した女王蜂のアヴちゃん。メンバーがセンターで円になって始まったのは、プレデビュー曲の「RONDO」。キレのあるアグレッシブなダンスで客席を圧倒し、場内もサイリウム、ペンライトが一斉に点灯され、ダンスに合わせて揺れる。
「Mr.FORTUNE」では、龍宮城ライブでのお約束“ジョジョ立ち”も披露し客席を沸かせる。3曲立て続けに演奏されたあと、最上段スタンドまでぎっしり埋まった場内を見回してRayは「初めて観たライブ会場が横浜アリーナでした。今度はワンマンで戻ってきたいと思います!」と横アリワンマン宣言。
「JAPANESE PSYCO」では全員が真っ黒のサングラスをつけ、ルーディな雰囲気のパフォーマンスをみせる。そして、「SENSUAL」ではITARUとKENTがリードボーカルを担う。流麗さのなかにも力強さを感じさせるふたりのボーカルに観客も引き込まれ、改めて歌唱力のすごさ見せつけた。
冨田侑暉は、この日の他の出演者と同じステージに立てたことことを喜び、「今観てくださっている皆さんのなかには、苦しいなぁとか、辛いなぁとか思ってる人がいるかもしれません。そんな人には音楽を通じて、小さな一歩でもいいので、僕たちとともに歩みはじめてほしいなと思っています。僕たち龍宮城は皆さんのそういう挑戦を応援していきたいと思います」と龍宮城の意気込みを語る。
そしてこの日、2回目の「2MUCH」を歌う前に「さっきは日常生活のなかで様々なことにブレーキをかけたり、折り合いをつけたりする自分たち自身を思って歌いました。次はそんな世の中に対して何かメッセージを送れればっいいなと思って歌います」と話し、再び「2MUCH」へ。
ラストは11月8日にリリース予定の日本テレビ『秘密を持った少年たち』主題歌「SHORYU(→↓↘+P)」を披露し、35分の熱いステージを終えた。
■BE:FIRST
「ネクスト・アーティスト!」とスクリーンに写真が映し出されや、場内が騒然とする。3組目は2021年以来、『バズリズム LIVE』に2回目の登場となるBE:FIRSTの7人。
重量級のヒップホップナンバー「Boom Boom Back 」で幕を開け、続く「Milli-Billi」ではメンバー全員でラップをマイクリレーで披露。立て続けにアップチューンを披露したあとは、一転してR&Bテイスト漂うミディアムテンポのナンバーを繰り出す。曲調に合わせスピーディにポジションを入れ替わるコレオグラフが美しく、オーディエンスもうっとりと見つめる。
続いては再びアップチューンの「Brave Generation」になだれ込み、中盤には左右の花道いっぱいに広がりオーディエンスに最接近。もちろん観客は大喜びだ。メンバーもこれに応えるように大きく手を振り、ステージと客席が幸せなオーラに包まれ一体化する。
2021年11月3日にデビューシングルをリリースし、その3日後、ここ横浜アリーナで『バズリズム LIVE』に初出演した頃をLEOは振り返り、「2年経ってたくさんの人に支えられ、たくさんのBESTY(BE:FIRSTファンの呼称)に支えられ、あの日の楽屋でSKY-HIさんに2年後にドームいくよ! って言われ、ついに来年の3月に東京ドームでやります!」と応援してくれたファンに感謝を伝え、「次のライブまで Bye-Good-Bye!」と告げ7曲目の「Bye-Good-Bye」に入る。
BE:FIRSTのライブの曲間はSEが流れている。ロックバンドのリズム隊が後ろで楽器を鳴らしているように。いつでも次の曲に備えられるべく、ステージはノンストップで繋がってる状態になる。自然、各席もエキサイトモードのまま。そんなところへ「タオル持ってる人いますか! 遊ぼうぜ最後は! 横アリ!!!!!』と煽り、続く「GreatMistakes」では会場の至るところで色とりどりのタオルが振り回される。メンバーも花道ステージ左右に拡がってオーディエンスを煽りに煽る。
ステージの興奮そのままにBE:FIRSTはラストナンバー「Scream」を畳み込み、35分をフルスロットルで駆け抜けた。
■Chilli Beans.
Chilli Beans.はボーカル、ギター、ベースの3ピースガールズバンド。『バズリズム02』の新春恒例企画「2023年コレがバズるぞ!BEST10」の第1位に選出されたアーティストだ。
まずは挨拶代わりにとロックチューン3曲を演奏。Lilyの放つ鋭角的なギター、Maikaの弾くうねるベース、気怠く囁くように歌うMotoのボーカル。この3人から繰り出されるサウンドは驚くほどポップだ。「HAPPY END」や「lemonade」では、MotoとLilyがときには掛け合い、ときには美しいハーモニーを聴かせる。
3階客席後方まで埋まった広い会場を見渡しMaikaは、このステージに立てていることに感無量。「今日初めてChilli Beans.を知ってもらえる機会ができて、今日皆さんに出会えてうれしいです!」と客席に感謝を伝え、後半はアップテンポの楽曲を立て続けに演奏。
ラストの「you n me」ではMotoとLilyが再び、きれいなコーラスハーモニーを聴かせ、ステージを降りた。まさに「lemonade」を飲んだような清涼感溢れるパフォーマンスだった。
■SUPER BEAVER
『バズリズム LIVE』の大トリを務めるのは、2019年、2022年と3回目の参加となるSUPER BEAVER。メンバーはsumikaのタオルを掲げてステージに表れると、会場から大きな歓声が上がる。
当初、5番手にはsumikaが参加予定であったが、片岡健太(Vo)の喉の不調により、出演がキャンセル。SUPER BEAVERがロングセットでの演奏で臨むという経緯が事前にアナウンスされており、オーディエンスは彼らの意気に声援を送ったのだ。
柳沢亮太の激しくかき鳴らすギターにのせ、ボーカルの渋谷龍太が「最後まで残ってくれてありがとー!! 残ってくれたってことはまだまだ楽しみたいってことですか?」と言って始まったのは「グラデーション」。冒頭からギア全開で爆走する。
3曲目の「美しい日」では渋谷の「手は頭の上ねー!」の呼びかけに応じ、客席からの大合唱とクラッピングと渋谷のアカペラでスタート。中盤になると渋谷は左右の花道ステージを客席とハイタッチをしながら駆け抜ける。会場がヒートアップしたところで「知らない曲だと思いますが、一緒に歌ってみませんか?」と11月3日にリリースされたばかりの「決心」を披露した。
5曲目の「儚くない」を演奏したあと、渋谷は「今日はsumikaというバンドが出られなくなって、俺たちがちょっと他のグループより長くやらせてもらうことになりました。長くやったからって代わりになるなんて微塵も思っていません」と、会場に残ったsumikaファンに向けお礼。
続けて「今日は代役で来たんじゃないから、俺たちは俺たちの時間を、誠心誠意心を込めて精一杯やりにきたわけ。だからあなたと一対一の勝負をしたい! 100パーセントでかかってきてください、なんて贅沢なことは言いません。今日は120パーセントでかかってこい!」と話すと、観衆は一斉に大きな歓声を上げる。
この瞬間、sumikaファンをはじめブランデー戦記、龍宮城、BE:FIRST、Chilli Beans.らのファンのハートをつかみ、会場に集まった1万5,000人をひとつにした。
SUPER BEAVER は2005年結成以来、メンバーチェンジもなくライブハウスを根城に活動し続けてきた。そんなバンドの結束力をまざまざと見せ、熱すぎるパフォーマンスを繰り出し、横浜アリーナを熱狂の渦に叩き込む。
最後に「あなたに会えるんじゃないかな? と思って、ずっと続けてきました」とバンドが歩んできた19年間を振り返り、「俺たちが今日あなたに伝えたように、あなたも大事な誰かに伝えてくれたらいいなと思います。また会えたらうれしいかなと思ってます!」と感謝の想いを真摯に話す。
そして、「ラスト1曲は、紛れもなく“あなたたち”じゃなく、“あなた”に向けて!」と告げ、「人として」に。冒頭、ピアノの演奏をバックに渋谷がアカペラで歌い出す。歌詞をセリフのようにオーディエンスに語りかけながら、横浜アリーナ全体に響き渡るようエモーショナルに歌い込む。エンディングでは、渋谷はマイクを通さず生声で「また会いましょう! ありがとね、気をつけて帰って!」と叫び、sumikaのタオルを肩に背負って大きな拍手に送られ、60分のロングセットを降りた。
この日の模様は、日本テレビ『バズリズム02』にて12月8日に放送。Huluでは12月17日より配信がスタートし、日テレプラスでは12月23にDay1~3を7時間30分にわたって一挙放送する。
TEXT BY 石角隆行
PHOTO BY 山内洋枝
『バズリズム LIVE 2023 Day3』
2023年11月5日(日)神奈川・横浜アリーナ
<セットリスト>
■ブランデー戦記(オープニング・アクト)
01.Musica
02.水鏡
03.僕のスウィーティー
■龍宮城
01.RONDO
02.2 MUCH
03.Mr.FORTUNE
04.JAPANESE PSYCO
05.バイオレンス
06.SENSUAL
07.2MUCH
08.SHORYU(→↓↘+P)
■BE:FIRST
01.Boom Boom Back
02.Milli-Billi
03.SOS
04.Brave Generation
05.Don’t Wake Me Up
06.Shining One
07.Bye-Good-Bye
08.GreatMistakes
09.Scream
■Chilli Beans.
01.See C Love
02.rose feat.Vaundy
03.HAPPY END
04.School
05.lemonade
06.daylight
07.Raise
08.シェキララ
09.you n me
■SUPER BEAVER
01.グラデーション
02.ひたむき
03.美しい日
04.決心
05.儚くない
06.青い春
07.名前を呼ぶよ
08.アイラヴユー
09.人として
番組情報
日本テレビ『バズリズム02』
『バズリズム LIVE 2023』Day1:11/24(金)24:59~
『バズリズム LIVE 2023』Day2:12/01(金)24:59~
『バズリズム LIVE 2023』Day3:12/08(金)24:59~
※日テレプラス
Day1~ 3 一挙7時間半放送:12/23(土)16:00~
※Hulu
12/15(金)、12/16(土)、12/17(日)
『バズリズム LIVE 2023』イベント公式サイト
https://www.ntv.co.jp/buzzrhythm/live/