■「バイオレンスが苦手な人も、その奥にあるメッセージを感じて、何回も観てもらえると違った景色が見えると思います。まずはピュアな気持ちで楽しんでください!」(亀梨和也)
映画『怪物の木こり』が、『第36回東京国際映画祭』(10月23日~11月1日)の特別招待上映(ガラ・セレクション部門)として日本国内初上映。ついにその日を迎えた10月31日、初上映となる東京国際映画祭ジャパンプレミアに、主演を務める亀梨和也、共演の菜々緒、吉岡里帆、染谷将太、中村獅童、そして監督の三池崇史が登壇した。
ハロウィンの夜ということで、来場した観客やマスコミ全員に“怪物マスク”が配布され、会場中が怪物一色となった華やかなステージには、さらに本作のアイコンでもある怪物の木こりも駆けつけ、会場は大盛り上がり。まさにこれから日本最速でその衝撃の結末を目にすることとなる観客を前に、キャストと監督が意気込みや見所を思う存分語る豪華なイベントとなった。
【イベントレポート】
同日昼に行われた完成報告会から一転、ジャパンプレミアでは来場者全員にハロウィン仕様の「怪物マスク」が配られ会場中が怪物一色に。上映前には劇場に現れた「ハッピーハロウィン」のタスキをかけた”怪物の木こり”と一緒に写真を撮ろうと、観客が長蛇の列になる場面もあった。
ハロウィンの夜にふさわしい「怪物ハロウィンプレミア」として、本作の日本国内初お披露目を今か今かと待ち構える満席の客席が湧き立つ中、SEKAI NO OWARIが歌う主題歌「深海魚」の刺激的で疾走感のある楽曲にあわせて主演の亀梨和也、共演の菜々緒、吉岡里帆、染谷将太、中村獅童、そして本作の監督である三池崇史が会場の中扉から登場。客席通路を通りながら手を振ったり、お辞儀をしながら舞台上へと歩くキャスト・監督一同の思わぬ場所からの登場に、場内は割れんばかりの拍手と黄色い歓声に包まれた。
そしてそんな“怪物ハロウィン”の雰囲気のなかを実際に歩いて登場した亀梨は、舞台上に登壇する否や「ハッピーハロウィン!」と会場に呼びかけ、「皆さんが日本で観ていただける第一号ということでワクワクしています。楽しんでいってください」と、会場中の“怪物たち”に笑顔を見せた。三池監督も「シッチェス映画祭に亀梨さんと行ってきましたが、スペインで大好評でした」と観客に報告し、「獅童さんがさっき、なんでハロウィンなんだよ! 世代が違うんだよ!って怒ってましたけど(笑)」といじる場面も。
続いて菜々緒も「今日は皆さんの反応が楽しみです」、吉岡も「めちゃくちゃ面白い映画に仕上がっています」と自信を覗かせると、染谷は亀梨に負けないくらい大きな声で、「ハッピーハロウィン! ってはじめて言った(笑)。映画は刺激的な映画になっていると思います」と挨拶し、先ほど三池監督にいじられた中村は、「こんなにかわいこちゃんが会いに来てくれてうれしいぜ、楽しんでね!」と微笑み挨拶すると会場が笑いに包まれた。
先日行われた東京国際映画祭のレッドカーペットでも仲の良い雰囲気で会場を沸かせていた亀梨と菜々緒は、本作で3度目の共演。撮影の様子を聞かれた亀梨は「撮影前から安心感があった。現場でも阿吽の呼吸でお芝居を構築できたので、楽しかったです」とコメント。菜々緒も「亀梨さんは、本当に多彩な方。どこまで進化するんだろうかと。亀梨さんのハマリ役を楽しんでいただきたいです」と仲の良さを見せつけた。
一方、初共演となったキャストについて、「吉岡さんは、すごくやわらかい印象でしたが、お芝居になると芯の強さを感じる。染谷さんはとにかく羨ましい! お芝居もさらっとやられているのに、存在感があって。撮影期間2日ですよ?」とそれぞれの魅力を熱く語った。そして、中村について言及するのを忘れた亀梨に対し、中村が「本当に亀ってそういうところあるよな!」と突っ込む場面も。すると亀梨も爆笑しながら「いやいや、今回共演するのは初めてですが、プライベートでは、たくさん時間を過ごさせていただいているので、獅童さんはお兄さんというか。獅童さんの役としての凄みで引っぱっていってもらいました」と、仲の良い掛け合いをみせた。
チーム感溢れる軽快なやり取りが繰り広げられるなか、吉岡は「私は撮影初日に猿ぐつわが用意されていて、それを付けていたら監督にげらげら笑われて(笑)。原作者の方もいらっしゃったのに、わたしはずっと猿ぐつわで(笑)。すごくはずかしい初日でドキドキしました」と衝撃的なエピソードに会場も笑いに包まれた。
そんな様子を見ていた三池監督は、「現場もずっとこんな感じでしたね。個人の思いをそれぞれもって役に向き合っていただきました。獅童さんだけはフラットでしたけど(笑)」と、またもや茶化し、中村も「三池監督は一見強面ですけど優しいですからね」とコメント。
そしてサイコパス脳外科医で二宮の協力者でもある杉谷を演じた染谷とは、ふたりでのシーンが多かったと言い、「緊張感がありながらも楽しかったです。亀梨さんもパターンを色々変えて演じられたので、それに僕も引っぱっていただきました」と撮影を振り返った。
さらに、「怪物ハロウィンプレミア」限定、ここでしか聞けない特別質問として、ハロウィンの日の過ごし方や思い出を聞いてみると、亀梨は「毎年かぼちゃに顔を書いています。くりぬいて蝋燭をいれたり」と意外なエピソードを披露。三池組で個性的なキャラクターをたくさん演じてきた菜々緒は「女優の仕事が仮装したり、毎日ハロウィンしているという感じなので。過去の作品でも凶悪な武器をいろいろ持ちましたけど…」と語り、吉岡は一度だけハロウィンのNYに遊びに行ったことがあるらしく「仮装がすごくて。子どもがスパイダーマンの格好をしていてかわいかった」とほのぼのしたエピソードも飛び出した。
染谷は菜々緒のコメントに共感したようで「年中仮装しているようなもんだし。血まみれになったり、(仕事でしか味わえないのは)なんか、さびしいですよね…」と語ると中村は亀梨の回答を真似し「かぼちゃ書いてます、顔に(笑)。ハロウィンは好きなんだけどね。街が楽しそうだなって。昔はクリスマスのほうが盛り上がったんですけど、今の若い人たちはハロウィンって感じでいいですよね」とハロウィンへの思いを語った。
最後に登壇者を代表し亀梨が「とにかくまず皆さんが最初に感じたものを大事に観ていただきたいです。バイオレンスが苦手な人も、監督がすごく綺麗に撮っているので、その奥にあるメッセージを感じて、何回も観てもらえると違った景色が見えると思います。まずはピュアな気持ちで楽しんでください!」と日本で初めて本作を鑑賞する観客へ、そして1ヵ月後に迫る公開日に向け作品をアピールすると、会場は再び割れんばかりの拍手が鳴り響いた。
さらにマスコミ向けのフォトセッションを実施したあとには、亀梨自らがカメラを持って、会場の観客たちとのセルフィーの撮影も実施。登場から最後の最後まで、キャスト・監督一同のチームワークを感じさせる貴重なエピソードや演出に会場全体が興奮冷めやらぬなか、大盛況のうちにイベントは終了した。
映画情報
『怪物の木こり』
12月1日(金)公開
原作:「怪物の木こり」倉井眉介(宝島社文庫)
監督:三池崇史
脚本:小岩井宏悦
出演:亀梨和也
菜々緒 吉岡里帆
柚希礼音 みのすけ 堀部圭亮 渋川清彦
染谷将太 中村獅童
主題歌:SEKAI NO OWARI「深海魚」(ユニバーサル ミュージック)
製作・配給:ワーナー・ブラザース映画
(C)2023「怪物の木こり」製作委員会
『怪物の木こり』作品サイト
kaibutsunokikori.jp