■SKY-HIがØMIに提案!「そろそろ(一緒に)曲やりません?」
日本最大級のデジタルクリエイティブフェス『J-WAVE INNOVATION WORLD FESTA 2023』(以下、イノフェス)が10月13・14・15日の3日間、有観客とオンライン配信のハイブリッドで開催された。
今回で8回目を迎える『イノフェス』。初日13日は開業したばかりの東京・虎ノ門ヒルズ ステーションタワー内「TOKYO NODE HALL」で実施。14日と15日は東京・六本木ヒルズにて開催され、大型の錯視効果LEDやARを用いた演出で、テクノロジーとエンターテインメントを融合した最先端ライブを届けた。
ここでは、初日13日のレポートを届ける。初日はMOONCHILDとDa-iCEがライブパフォーマンスを披露し、トークセッションにはSKY-HIとØMI(三代目 J SOUL BROTHERS)が登壇した。
■MOONCHILD
最初にステージに登場したのは、LDH JAPAN×HYBE LABELS JAPANの初共同プロジェクトから誕生したガールズグループのMOONCHILD。彼女たちは5月にリリースされたデビューEP『DELICIOUS POISON』から「Don’t Blow It!」と「Photogenic」を届けていく。高い歌唱力とダンススキルはもちろんのこと、ときに笑顔で、ときにクールにと、豊かな表情でも観客を魅了していった。
ANRIが「ちょっとガーリーでちょっとエレガント」だと称した黒と白を基調にしたこの日の衣装は今日が初披露。彼女たちはそんな新衣装で、11月29日リリースの2nd EPのタイトル曲「Friends Are For」をフルコーラスで初お披露目。キャッチーな同曲に、会場からは自然とクラップが巻き起こり、明るいムードでトップバッターのアクトを終えた。
ライブ後に初披露の感想を聞かれたMIRANOは「明るくて楽しい曲なので、自然とお客様の笑顔も増えた気がして、うれしい気持ちでパフォーマンスすることができました」、HANAは「最高に気持ちよかったです」と清々しい表情でステージをあとにした。
<セットリスト>
01. Don’t Blow It!
02. Photogenic
03. Friends Are For
■SKY-HI × ØMI(三代目 J SOUL BROTHERS)
続いて行われたのは、SKY-HIとØMIによるトークセッション。同い年のふたりは、ともにアーティストとして活動しながら、プロデュースも行う。そんなふたりが「ふたりが語るプロデュース論」をテーマにトークを繰り広げた。
プロデュースを始めたきっかけについては、SKY-HIが2017年の30歳になったあたりから起業を考え始め、同時に相談されることも増えたことが起点だと振り返り、ØMIも同時期だったと同意。さらにSKY-HIから「なぜガールズグループなのか?」と聞かれたØMIは「日本全体のエンタテインメントを見ていて、日本はガールズグループが育ちにくい環境下だと思った。グローバルスタンダートでやっていけるグループが日本からもっと出てくるべきだと思っていた」と明かした。
するとSKY-HIは、それはエンタメ業界に限らず企業に起こりやすい“大企業病”のひとつだと説明。彼の言う大企業病とは、ひとつの成功や正解としてAが生まれると、A’は生まれやすいが、Bという選択肢が薄くなるというもの。続けて「エンタテインメントでそれが起こってしまうのは非常に不健康に思っていたので、ØMIくんのような、自分と同世代の人がガールズグループを手がけて、違う角度からの提案を入れていくのはすごく素敵なことだと思いました」とコメント。するとすかさずØMIから「あなたもだいぶ新しい風を吹かせているけど!」と、同じ志を持つ同士で共感をし合った。
ふたりのトークの最後には、SKY-HIがØMIに「そろそろ(一緒に)曲やりません?」と提案。本当にその場の思いつきだと言うが、ØMIも「突発的に言っても実現できるふたりだから」と、アーティストとしてのふたりの今後にも期待を寄せてトークセッションは幕引きとなった。
■Da-iCE
最後はDa-iCEのライブアクト。大歓声に包まれステージに登場した彼らは、『イノフェス』を共催する筑波大学の学生チーム・Nu ink.によるテクノロジー演出とともに「CITRUS」でその幕を開ける。ステージ後方に設置された大きなビジョンにはNu ink.が用意したエモーショナルな映像が映し出され、あらたな「CITRUS」の魅力を引き出した。
メンバー同士の軽快なコミュニケーションも取り入れられた「Clap and Clap」では、間奏で工藤大輝がパッド機材を操り、大野雄大がコールアンドレスポンスを誘う。独特な誘い方に思わず花村想太がツッコミを入れるも、会場が想像以上に盛り上がってしまうという茶番(?)でもさらに観客を楽しませる。かと思えば、艶やかなダンスチューン「Funky Jumping」では複雑なダンスと華麗なハーモニクスを披露するなど緩急で観客を引きつけていった。
さらにNu ink.サイドからのリクエストだという「Flight away」で再びコラボアクト。「Flight away」はパフォーマーの工藤、岩岡徹、和田颯もマイクを持ち5人で歌唱する楽曲だ。コロナ禍での規制が解除されたことを感じさせる“今”に合っているという理由でNu ink.が選んだというこの曲では、飛行機が世界各地を旅するような映像がビジョンに映し出され、楽曲に壮大さや軽やかさをプラス。メンバーもビジョンに目をやり映像を楽しみながら笑顔でパフォーマンスした。
「Flight away」が5人歌唱曲だったことから、次曲も5人がマイクを持ちラップで歌い繋ぐ「Pioneer」がセレクトされたり、ボーカルふたりだけがステージに残り、「濡れたバラード」をしっとりと披露したりするなど、工藤も思わず「珍しい曲を選んだね」と言うほど様々な形態で楽曲を届けていく。
花火が上がったり、歌詞が映し出されたりと、「スターマイン」をさらに盛り上げるNu ink.の演出を終えると、花村が「素敵な映像をありがとうございました」とNu ink.へ感謝を口に。すると大野も「俺だってパソコン触れないのに」と、独特な言葉選びでNu ink.への賛辞を贈った。
メンバーも「この日のためだけのセットリスト」「今日しかやらないと思う」と言うほどの珍しいセットリストと、最先端テクノロジーと卓越したスキルのコラボという、正真正銘一夜限りのパフォーマンスとなった。すべてが終わると、ビジョンが上がりステージの奥に壮大な夜景が広がるというサプライズも。最後まで観客を驚かせ、ワクワクさせ、『イノフェス2023』の初日は幕を下ろした。
なお、本公演の模様はオンラインでアーカイブ配信中。アーカイブ期間は、10月22日23時59分まで。
TEXT BY 小林千絵
PHOTO BY アンザイミキ
<セットリスト>
01. CITRUS
02. DREAMIN’ ON
03. Clap and Clap
04. Funky Jumping
05. Flight away
06. Pioneer
07. 濡れたバラード
08. ダンデライオン
09. amp
10. Kartell
11. スターマイン
12. Melody
『J-WAVE INNOVATION WORLD FESTA 2023』OFFICIAL SITE
https://www.j-wave.co.jp/iwf2023/
MOONCHILD OFFICIAL SITE
https://www.sonymusic.co.jp/artist/moonchild/
SKY-HI OFFICIAL SITE
https://skyhi.tokyo/
ØMI OFFICIAL SITE
https://www.hiroomi-tosaka.com/
Da-iCE OFFICIAL SITE
https://da-ice.jp/