■「イナズマを夢を叶える場所、次の世代に繋ぐものにしていきたい」(西川貴教)
【3日目・10月9日(月・祝)】
■EBiDANソイヤ!イナズマスペシャル
3日目は橋川渉草津市⻑による開会宣言のあと、EBiDAN(恵比寿学園男子部)の3グループによるEBiDANソイヤ!イナズマスペシャルがトップバッターとして登場。残念ながらBUDDiiSがメンバーの体調不良により出演キャンセル、ONE N’ ONLY(以下、ワンエン)と原因は自分にある。(以下、げんじぶ)の2組によるステージとなった。客席からのきゃーっという歓声に迎えられ、まず4月に配信リリースした「前略、道の上より」を全員でプレイ。ストリートファッションのワンエンとくすみカラーのスーツのげんじぶが、フォーメーションを変えながら力強いパフォーマンスを見せる。「急遽BUDDiiSが参加できなくなりましたが、僕たちがみんなの気持ちを背負って頑張りますので、皆さんも楽しんでいってください」「初めて観たよという方もたくさんいると思いますけど、そんなこと関係なく僕たちと一緒に、熱いステージでひとつになっていきたいと思います」と挨拶。げんじぶが「原因は自分にある。」「無限シニシズム」「原因は君にもある。」「YOUNG BLOOD」をプレイ、さらにワンエンが「OPEN」「EVOL」に続き、アニメ『デュエル・マスターズWIN』のオープニングテーマ「Step Up」を披露した。「来年もEBiDANとしてこのステージに立てるよう、そしてそれぞれのグループとして出演できるように頑張りたいと思います。最後にもう一度この曲を」と再び全員で「前略、道の上より」を歌い、イナズマ3日目を景気よくスタートさせた。
■Novelbright
Novelbrightは、かつてフリーエリアの風神ステージ出演をかけたオーディション『イナズマゲート』にも応募したこともあるという、大阪発の5人組ロックバンド。初めてイナズマに出演する予定だった2021年はコロナで中止、2022年は出演を予定していた3日目が台風の影響で中止、今年こそはと挑み、三度目の正直となった。まずは3年分の想いを乗せて、「開幕宣言」でスタート。 そしてドラマ『真犯人フラグ』の主題歌「seeker」をプレイ、最後にボーカルの竹中雄大が声をいっぱいに伸ばして歌う姿に、客席からは大きな拍手が起こった。竹中は「我々、初出演です。イナズマロック フェスには並々ならぬ思いがある。ギターの沖聡次郎は、イナズマロック フェスに(観客として)来て、音楽を始めようと思ったんですよ」と話す。沖は小学生の頃から西川のファン。イナズマ出演のために作った風神・雷神・龍神と名付けた3本のギターもステージで披露した。他にも「愛とか恋とか」「面影」「青春旗」と立て続けにプレイ。最後は、今年はじめにストリーミング累計3億回再生突破した「Walking with you」でしめくくった。
■モーニング娘。’23
続いては、こちらも2022年台風のため出演が叶わなかったモーニング娘。’23が、満を持してイナズマのステージに登場。「HOW DO YOU LIKE JAPAN? 〜日本はどんな感じでっか?〜」で、いきなりクールなパフォーマンスを見せる。水色のかわいい衣装に身を包んだキュートなビジュアルと、力強くかっこいいパフォーマンスのギャップがたまらない。「ついにやってきました、イナズマロックフェス。今回初めてこのステージに立つことができてすごくうれしいです。弓桁朱琴ちゃんは(インフルエンザのため)お休みとなりますが、新メンバー(井上春華)にとっては初めての野外フェスとなります」と挨拶。「すっごいFEVER!」「One・Two・Three(23 Ver.) 」「Help me!!(updated))」「Wake-up Call 〜目覚めるとき〜」「わがまま 気のまま 愛のジョーク(23 Ver.)」「What is LOVE?(23 Ver.)」、ラストの「まじですかスカ!」まで、ほぼMCを挟まずにパワフルなパフォーマンスで客席を虜にした。なかには来月にグループ卒業を控えた譜久村聖がセンターステージにたったひとりで立つ場面もあり、長く続くモーニング娘。の歴史までも感じることができるひと時だった。
■DISH//
2022年に引き続き2回目の出演となるDISH//は、TVアニメ『僕のヒーローアカデミア』オープニングテーマ「No.1」で勢いよくスタート。続けて8月9日にリリースしたDISH//初のEP『HAPPY』から「HAPPY」をプレイ。「去年も思ったんですけど、イナズマのステージはあったかくて。今日の日を待ちわびていました。どうですか皆さん楽しいですか? 雨だし寒いでしょ? 元気ですか? 雨にも負けてないですか?」と会場を気遣ってから「猫」、そして「勝手にMY SOUL」へ。「今日ここにいる皆さんで一緒にジャンプしませんか?」と始まったのは定番のコールや手振りが楽しい「JUMPer」。「今日1日まだまだフェスは続きますし、皆さんに少しでもこの1年、いや自分の人生の中で“あぁ、この日2023年のイナズマロック忘れられないな”と思ってもらえるように、ラストの曲で皆さんにいっぱいのありがとうを伝えたいと思います。今日という日に、皆さんに出会えて本当によかったです」と、ラストナンバー「沈丁花」を届けてくれた。
■Da-iCE
4オクターブを誇るボーカルが魅力の5人組ダンス&ボーカルグループ、Da-iCEは、3回目の出演。アカペラで始まる「CITRUS」で、いきなり客席の心をがっちりと掴む。「DREAMIN’ ON」「Clap and Clap」、そして客席もジャンプして盛り上がる「Funky Jumping」へと続く。そして「ダンデライオン」からラストナンバー「スターマイン」へ。「スターマイン」の出だしをメンバーのひとりが早まって最初からやり直し…というお決まりのパフォーマンスが始まると、客席は大いに湧く。そんなとき、Novelbrightのボーカル竹中雄大が飛び入り参加! 冒頭の「あぁ 一発じゃ足りないのかい」を歌うと、Da-iCEのメンバーからは「うますぎる」と笑顔のクレーム(笑)。竹中は嵐のようにステージを去っていき、曲は改めてスタート、客席で色とりどりのタオルがクルクル回る光景は圧巻だった。
■Aぇ! group
イナズマ初出演となる6人組男性アイドルグループ、Aぇ! groupは、フェス出場自体も初めて。バンドスタイルで「ズッコケ男道」を披露し、「ずっと前からフェスに出たいって目標で言ってて夢が叶った、ありがとう。夢叶えた瞬間を見届けてくれてありがとう!」とファンに伝えてから「ブラザービート」を演奏、しっかりフェスバンドの仲間入りを果たした。続いては、アイドルらしいところも見せようと「ええじゃないか」「Weeeek」「T.W.L」など、先輩たちの名曲で会場を盛り上げる。そして「イナズマ盛り上がってますか、楽しんでますか、俺たちもっともっと楽しんでいるかもしれません。続いては、俺たちのオリジナルソングを披露したいと思います」と「Firebird」を届けた。他にも「LOVE YOU ONLY」「勝手に仕上がれ」などプレイ、ラストナンバーはオリジナルソングの「PRIDE」でゴリゴリのバンドサウンドを届け、フェスが初めてとは思えないほどクオリティの高いパフォーマンスで魅せた。
■⻄川貴教
3日間の大トリを飾ったのは、黒レースシャツに黒のジャケット姿で登場した⻄川貴教。 T.M.Revolutionと違って、西川本人名義の活動ではいろんなジャンルで活躍する作曲家たちによる「西川にコレを歌わせたい」というナンバーや、様々なアーティストのコラボを多く取り入れている。15年目のイナズマ最後のステージは、今年4月リリースのアニメ『EDENS ZERO』第2期オープニングテーマ「Never Say Never」でスタート。続くFear, and Loathing in Las Vegasとのコラボ曲「Be Affectted」では、ラスベガスのSoとMinamiも登場し、ステージでのコラボが実現した。また女性シンガーASCAとのコラボナンバー「天秤 -Libra-」では、この1曲のためにかけつけたというASCAとともにステージに立ち、西川とふたり、熱い歌声のデュエットを聴かせた。
「この小雨が降るなか、何時間も立ってこの会場に居続けてくれるすべての方に心から感謝を。去年からの念願だった3DAYS最終日をここで迎えることができました」「数えること15周年になりました。皆さんのおかげで15年も続けることができた」と話し、「こいつとは19のときからの連れ。もう30年以上一緒にいろんな修羅場くぐってきた。何かあった時に助けに来てくれる仲間」と、J(LUNA SEA)を紹介。Jとのコラボ曲「REAL×EYEZ」「Another day break」を一緒に披露した。アンコールは再びJも登場して、映画『劇場版 仮面ライダーゼロワン REAL×TIME』主題歌「A.I. ∴ All Imagination」をプレイ。
そして4年ぶりに予定どおりの開催がかなった大団円は、ASCA、J、So、Minami、Novelbright、モーニング娘。’23、Aぇ! groupも集まり、イナズマロック フェスのテーマソングでもある「Lakers」を全員で大合唱。途中、イナズマが音楽を始めたきっかけだというNovelbrightの沖聡次郎がギターソロをプレイ。西川の「イナズマを夢を叶える場所、次の世代に繋ぐものにしていきたい」という想いが、ここに形として現れた15年目のイナズマロック フェスとなった。
TEXT BY フジタアヤコ
『イナズマロック フェス』OFFICIAL SITE
http://inazumarock.com/