■「アニョハセヨ。チョヌン アイナ・ジ・エンド イムニダ」(アイナ)「この場にお集まりいただきカムサハムニダ」(松村)「お元気ですか」(岩井)
韓国・釜山で開催中の第28回釜山国際映画祭で旋風を巻き起こしている、映画『キリエのうた』。アイナ・ジ・エンド、松村北斗、岩井俊二監督が登壇した10月4日の開幕式に続き、10月6日に、アイナ・ジ・エンド、松村北斗、広瀬すず、岩井俊二が登壇するグリーティングイベントが開催された。
■第28回釜山国際映画祭・グリーティングイベント
日程:10月6日(金)
場所:韓国・釜山/映画の殿堂 野外舞台
登壇者:アイナ・ジ・エンド、松村北斗、広瀬すず、岩井俊二
10月6日、映画祭のメイン会場でもあり、開幕式のレッドカーペットも行われた映画の殿堂の野外舞台にて、映画『キリエのうた』のグリーティングイベントを実施。約1,000人の韓国の熱狂するファンが集まるなか、本作の主演を勤めたアイナ・ジ・エンド、松村北斗、広瀬すず、岩井俊二監督が登壇した。
韓国でも絶大な人気で、今回の渡韓中も、何度もサインを求めるファンに囲まれた岩井俊二監督。韓国語で自己紹介をするとともに、自身のヒット作『Love Letter』より「お元気ですか」と挨拶し、会場を沸かせた。釜山国際映画祭の第一回目に参加したという岩井監督は「僕が映画を作り続けた年数とほぼ重なるように発展してきた映画祭です。自分のなかで兄弟のように、同級生のように感じています。今、改めて新作を持ってきて皆さんに観ていただけるなんて、こんな幸せなことはないと胸が高鳴っています」とその喜びを語った。
釜山国際映画祭がまるで同級生のようだと語る岩井俊二監督とは打って変わり、アイナ・ジ・エンド、松村北斗、広瀬すずは、釜山国際映画祭への参加は初。韓国に来るのも初めてで、10月4日に開催された開会式でレッドカーペットを歩いたアイナは、「アニョハセヨ。チョヌン アイナ・ジ・エンド イムニダ」と韓国語で自己紹介。「初めての韓国が釜山でとてもうれしいです。人生でこんな経験をさせていただけるなんて思ってもみませんでした。何より連れてきてくださった岩井俊二さん、そして映画を楽しみにしてくださっているお客さん、ファンの皆様、今後ともよろしくお願いいたします」と初めての経験に喜びと感謝の思いを表した。
同じく初・韓国にして、初の映画祭と初めてづくしだという松村。韓国にも多くのファンがいると紹介されると「個人事になるのですが、韓国に僕のことを応援してくださっている人がいることは知っていました。そういう意味でも楽しみでしたし、岩井俊二監督の名作があらたにひとつ生まれ、それが韓国まで上陸したというのを目の前で見れた興奮と喜びがとても強い韓国訪問となっています。この場にお集まりいただきカムサハムニダ」と述べ、愛らしい韓国語挨拶で会場を沸かせた。
そして、数々の映画祭に出席してきた広瀬も釜山国際映画祭の出席は初。「韓国は7〜8年ぶりで、前回来たときは別の映画祭だったのですが、こうして釜山国際映画祭に初めて参加できてとてもうれしく光栄に思っています。このように映画を通してお会いできる機会ができてすごく幸せに思っています。『キリエのうた』が少しでも多くの人に届いてほしいと思います」と続けた。
作品の内容を尋ねられた岩井監督は「音楽の映画です。様々な出来事が起きるのですが、その合間合間にアイナさんがいろいろな曲を歌い綴っていくような構成になっています。映画でありながらコンサートでもあるような映画なので、両方楽しんでいただけるとうれしいです」と“音楽映画”としての魅力をアピール。
そんな本作で、主人公である路上ミュージシャン・キリエを演じたアイナは「キリエは声がうまく出せないのですが、歌をうたうときは声が出ます。魂を乗せる表現方法が唯一、歌うことだけです。そんな女の子の役を演じました」と自身の役柄を説明。また、フィアンセを探し続ける青年・夏彦を演じた松村は「決して簡単な人生ではないキャラクターでした。夏彦の人生から目を逸らさずに見てほしいなと思います。人生にいろいろなことと、いろいろな意味を持ったキャラクターとなっています」、謎の女・イッコを演じた広瀬は「とても不思議な女性を演じました。すごく面白い役だったのですが、なかなか掴みづらい女性だと思います。イッコさんにも過去があって、未来があるのだと、ちゃんと感じてもらえるように演じました」と、それぞれのキャラクターについてコメントを残した。
■第28回釜山国際映画祭・記者会見
日程:10月6日(金)
場所:韓国・釜山/センタムシティ映像産業センター
登壇者:アイナ・ジ・エンド、松村北斗、広瀬すず、岩井俊二
グリーティングイベントの前にはアイナ・ジ・エンド、松村北斗、広瀬すず、岩井監督で記者会見にも登場。韓国でも注目を集める本作に対して、多くの現地記者から質問が寄せられた。
歌を通して伝えたかったメッセージについて質問されたアイナは「今回、映画のなかで6曲作りました。作る時間がいつも夜中だったので、ギターを片手に、あまり大きな声も出せないので、タオルで口を塞ぎながら作曲していました。そんななかでもキリエは、歌でしか声が出せないので、シャウトや、悲鳴に近いような高音を出し続けなきゃ、誰にも届かないような気がしました。歌が上手いだとか、メロディが綺麗だというよりは、魂の叫びや、内臓が出てくるほどの感情の極みだとか、そういうところをしっかり乗せたいというのが今回の6曲のモットーでした。そのなかでひとつ、岩井さんが歌詞を書いてくれた曲もあります。ひとりぼっちで作ったわけではありません。届いていたらうれしいなと思います」と楽曲に込めた熱い思いを振り返った。
記者会見の最後には、4人がそれぞれ挨拶。
「映画って、海を越えてすごく無限大なものだなと、こういう場に来させていただけると改めて実感します。そして皆さんが想像以上に『キリエのうた』という作品をいろいろな視点で観られていることを聞けて楽しかったです」(広瀬)
「『キリエのうた』は13年間の物語だからこそ、様々なことが起こります。一人ひとりに様々なことが起こって、それは決して小さなことではありません。だからこそ映画として、ものすごく肉厚で、上映時間があっという間だと思います。彼らの人生を観たうえで、明日、明後日について考えていただける作品だと思うので、その魅力を存分に受け取っていただければと思います」(松村)
「地面には底があるんですけど、空のてっぺんは誰も触ったことがなくて、限りがないんですよね。この映画の最後、キリエは不思議と上ばかり見て歌っていました。小林武史さんが作ってくださった歌が、岩井俊二さんが作ってくださった世界が、キリエをそうさせたんだと思います。この映画を観て、少しでも上を見上げてもらえたらといいな、なんて思いました」(アイナ)
「『Love Letter』という映画を作ってから、韓国の皆さんからよく『お元気ですか』という挨拶をしてもらえるようになって、それ以来、韓国という国を親戚のように思ってきました。おかげさまで、病気もせず作品をずっと作ってこられたということそのものが奇跡だなと、この歳になって本当に思います。そして今、改めて日本のすごい才能を持った若い人たちと、相まみえながらこの作品を作りきれて、皆さんのところに届けることができて、本当にそのこと、そのものが誇らしくて、嬉しくて仕方ないです」(岩井)
それぞれが言葉を残し、質問が飛び交う記者会見が終了となった。
日本公開を目前に、アジア最大級の映画祭で世界的に上映された『キリエのうた』。海外でも注目を集める本作をいち早く見ようと多くの人が駆けつけ作品を堪能した。映画祭の上映で本作を鑑賞した人は、
「今年観た映画の中でいちばん感動的でした」
「日常の話から感動を最大化させてくれるところが、とても素敵でした。尊敬します」
「この映画を観て、歌は魂のプレゼントだと感じました。そして、愛する人の前では泣いてもいいよ、ということを監督に教えてもらった気がして、とてもよかったと思います」
「映画自体のエネルギーがものすごく強かったので、それに圧倒されたまま最後まで観てしまいました」
などとコメント。
いよいよ公開を迎える『キリエのうた』。日本公開を前に、早くも海外から絶賛の声が押し寄せる本作の公開にますます期待が高まる。
リリース情報
2023.09.18 ON SALE
Kyrie
DIGITAL SINGLE「名前のない街」
2023.09.18 ON SALE
Kyrie
DIGITAL SINGLE「燃え尽きる月」
2023.09.26 ON SALE
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DIGITAL SINGLE「キリエ・憐れみの讃歌」
2023.10.18 ON SALE
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ALBUM『DEBUT』
2023.10.18 ON SALE
ALBUM『「キリエのうた」オリジナル・サウンドトラック ~路花~』
映画情報
『キリエのうた』
10/13(金)全国公開
出演:アイナ・ジ・エンド 松村北斗 黒木華 / 広瀬すず
村上虹郎 松浦祐也 笠原秀幸 粗品(霜降り明星) 矢山花 七尾旅人 ロバート キャンベル 大塚愛 安藤裕子 鈴木慶一 水越けいこ
江口洋介 吉瀬美智子 樋口真嗣 奥菜恵 浅田美代子 石井竜也 豊原功補 松本まりか 北村有起哉
原作・脚本・監督:岩井俊二『キリエのうた』(文春文庫刊)
音楽:小林武史
主題歌:「キリエ・憐れみの讃歌」Kyrie
配給:東映
(C)2023 Kyrie Film Band
『キリエのうた』作品サイト
https://kyrie-movie.com/