■『あゝ、荒野』を撮り終わった後、岸善幸監督と次は笑える作品が良いよねと話していました(菅田将暉)
楡周平の同名小説を原作とした映画『サンセット・サンライズ』が2025年1月に全国公開することが発表された。あわせて第一弾ビジュアルが解禁された。
監督は、2023年の『正欲』で、第36回東京国際映画祭最優秀監督賞と観客賞を受賞した岸善幸。脚本は、常に話題作を連発し続ける宮藤官九郎。主演は、『あゝ、荒野』(2017年公開)で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞ほか数々の映画賞を受賞して以来7年ぶりに岸監督とタッグを組んだ菅田将暉が務める。
都会から“お試し移住”したサラリーマンと宮城県・南三陸で生きる住民との交流や、人々の力強さや温かさをユーモアたっぷりに描きつつ、その背景にあるコロナ禍の日本、過疎化に悩む地方、震災などの社会問題と向き合いながらエンターテインメントに転化させたヒューマン・コメディ作品。
解禁された第一弾ビジュアルは、釣り好きの主人公・晋作が今まさに“なにか”を釣り上げた瞬間を切り取ったカットになっており、「新しい生き方、釣れちゃった!?」のコピーからは、“お試し移住”した先で思いもよらない人生が待ち受けていること、そして晋作の笑顔からは、移住先での新しい出会いに期待が高まるビジュアルとなっている。主演の菅田将暉、岸善幸監督、脚本の宮藤官九郎からのコメントも届いている。
■菅田将暉(主演) コメント
岸善幸監督と『あゝ、荒野』を撮り終わった後、次は笑える作品が良いよねと話していました。沢山涙を流したからか自然と笑顔を求めていたように思います。そんな中、脚本に宮藤官九郎さんが加わると聞きました。上がってきた脚本は悲しみの先に笑顔を作ろうとする人たちの物語でした。岸さんの生活力と宮藤さんのセンス、お二人の想いが温かい願いとなってこの作品は生まれたんだと思います。沢山の方に届き、少しでも笑顔になってもらえたら幸いです。ちなみに目標通り撮影現場は笑顔でいっぱいでした。僕自身沢山笑い、ほんの少し泣きました。映画『サンセット・サンライズ』宜しくお願いします。
■岸善幸(監督) コメント
宮藤さんに初めてお会いしたとき、原作の東北人キャラについて笑い合うことができ、この作品を宮藤さんの脚本でつくってみたいと思いました。自分にとっては初めてのコメディ作品ですが、宮藤さんならではの笑いを大切に演出することを心がけました。菅田さんとは7年ぶりの作品になりました。俳優としてどんどん新しい役に挑戦を続けていて、久しぶりにあった彼はとても大きな俳優になっていました。一つだけ、変わらないなあと思えたのは、役に向き合う姿勢です。晋作という人物の優しさや繊細さ、感情の振れ幅は見事で、現場ではただただ笑い転げていました。菅田さんの表現領域が広がっていくような瞬間があって、それを目の当たりにできたことが本当に嬉しかったです。悲しみを癒すのに時間の流れというものがあるとしたら、もう一つ、悲しみを癒せるのは、人との出会いかもしれません。菅田さん演じる晋作を見ていてそう思えました。この映画を観る皆さんにもそれを感じてもらえたら幸せです。
■宮藤官九郎(脚本) コメント
僕は宮城県出身なのに、そういえば自分の地元を正面から描いたことはまだなかったんです。子供の頃は父親と南三陸で魚釣りをして遊んだりしてて、コロナ禍の趣味として、また釣りを始めていたこともあって、自分の好きな分野の話だし、舞台も方言も知っている土地と言葉だし、僕自身も地元に住んでテレワークで仕事できないかなと考えたことがあったので、他人事とは思えない物語でした。震災の話になると、僕は疎外感を味わうというか、なんかこう切なくなるんですよね。ずっとモヤモヤしてたんだけど、それに対する答えを現時点で言葉にするならこういう感じかなとしっくりきたんです。それが僕の一番言いたかったことかなと思います。自分の書いた映画で、こんなに食べるものが出てくるのは初めてなんです。東北って本来は食が一つの大きな売りなのに、正直今までピンときていなかったんですよね。どんこ汁を美味い美味いと言って晋作が食べるのは、自分で書いていても新鮮だったし、菅田君が本当に嬉しそうに食べているのが僕の映画じゃないみたいですごく好きです。
映画情報
『サンセット・サンライズ』
主演:菅田将暉
脚本:宮藤官九郎
監督:岸善幸
原作:楡周平「サンセット・サンライズ」(講談社)
配給:ワーナー・ブラザース映画
(C)楡周平/講談社 (C)2024「サンセット・サンライズ」製作委員会
『サンセット・サンライズ』作品サイト
sunsetsunrise-movie.jp