■浜野謙太がいちばん好きなピクサー作品は『カーズ』シリーズ。「(自分の息子が)どこで笑うのかなとか、どこで泣くのかなとか思いながら観に行ったんですけど、結局自分が号泣していた」
イマジネーション溢れるユニークな“もしもの世界”で魅了するピクサーが、どんな人の中にも広がっている“感情たち”の世界を舞台にした物語を描き、第88回アカデミー賞(R)長編アニメーション賞を受賞した感動作『インサイド・ヘッド』の続編『インサイド・ヘッド2』が、8月1日より全国公開。
その公開を記念して、これまで劇場未公開だったディズニー&ピクサーの3作品『私ときどきレッサーパンダ』(3月15日公開)、『あの夏のルカ』(3月29日公開)、『ソウルフル・ワールド』(4月12日公開)が順次劇場公開されている。
“泣ける名作”の劇場上映にSNS上でも喜びと感動の声が多く上がるなか、4月12日に初日を迎える『ソウルフル・ワールド』を盛り上げるべく、主人公ジョーの日本版声優を務めた、ミュージシャンで俳優の浜野謙太が登壇する前夜祭イベントが開催された。
『ソウルフル・ワールド』は、生まれる前の魂<ソウル>の世界が舞台。“夢を叶えたい”音楽教師のジョーと“やりたいことがない”ソウルの女の子22番が、奇跡の大冒険を繰り広げるなかで自分だけの“人生のきらめき”を見つけていく感動の物語が描かれ、第93回アカデミー賞(R)で長編アニメーション賞と作曲賞を受賞した。
ジョーの日本版声優を務めた浜野謙太が作品に登場するキャラクターのソウルをイメージした青色のジャケットを身に着けて登壇すると、会場に駆け付けた大勢のファンは大きな盛り上がりを見せた。
ついにこの春、本作が劇場公開されることについて、浜野は「4年前に役が決まって感動し、声を吹き込んで作品を観てまた感動したんです。当時はコロナ禍で配信になってしまいましたが、音楽も素晴らしくて面白い作品なので、大画面で大音量で4年越しにこうして皆さんに劇場公開を届けられるのがうれしいです。今日、相方の川栄(李奈)さんを連れてこれなかったのが残念です…!」と、22番を演じた川栄李奈を思いつつ、喜びの気持ちを語った。
そんな浜野が声を担当したのは、ニューヨークで暮らしプロのジャズ・ピアニストになる“夢”を追い続ける音楽教師のジョー。浜野はアフレコした当時を振り返り「ジョーの本国の声優さんのジェイミー・フォックスさんの喋りが速くてついていけないんですよ。英語と日本語って、話すスピードって違うじゃないですか。アフレコ中って、持ち帰って練習するとかできないんですよ。だからジェイミーさんの映画を何作か見ました(笑)」と、ジョーを演じる上で意識したポイントと裏話を明かした。
元“SAKEROCK”のメンバーで、現在は“在日ファンク”のボーカル兼リーダーとして活動する浜野は、日本版声優に決定した際にもジョーとの共通点を語っていたが、そんな浜野は自身の小さい頃の“夢”について「僕の夢は、最初は漫画家でした。夢ってコロコロ変わっていくのか、タイプは人によって分かれるとは思いますけど。絵を描くのが好きで、写実的な、線がいっぱい入ってるような絵が好きだったんです。そんな絵をすごい頑張って練習していて、授業中にも描いてましたね」と、子どもの頃のエピソードを明かした。
ミュージシャンとしても俳優としても数々の話題作に携わり、活躍の場を広げ続ける浜野が今抱く夢については、「今の夢は細分化してますね。ミュージシャンも俳優もやらせてもらっているので、それぞれに夢があるなと思います。夢はひと筋縄では語れないですよね」と、しみじみコメント。
『ソウルフル・ワールド』の中で特にに心に刺さったシーンについて、浜野は「床屋のシーンです。ジョーがいろんな世界をめぐっていくなかで、ジョー自身も変わり始めていることがいつも通っている床屋のシーンでわかるんです。あと、やっぱり演奏シーンですね!(音楽を監修した)ジョン・バティステさんのね! ただ、演奏シーンは僕ひと言も話してない!(笑)」と会場を笑わせつつ明かした。
そして「僕、すごくジョーの気持ちがわかるんですよね。夢とか、自分がなんで生まれてきたかとか、ジョーはわりと身近な言葉で『俺はジャズミュージシャンだ!』とかって言うけど、本当に自分の好きなものやゾーンに入っている時間を、実はおろそかにしてしまいがちな瞬間があるなあと思うので、ジョーの気持ちがよくわかるんです」と、本作を熱くアピールした。
ピクサーならではの圧倒的な映像美で表現されたソウルの世界では、生まれる前のソウルたちが、生まれたあとにどんな自分になるか、自分の人生を輝かせてくれる“人生のきらめき”は何かを決める様子が描かれる。ジョーは、音楽こそが自分の人生のすべてだと疑わないキャラクターだが、22番との冒険を通して、それぞれが持つ“人生のきらめき”の素晴らしさや日常の中にあるのに何にも代えがたい大切なものに気づいていく。
自身の“人生のきらめき”を問われた浜野は、「ジョーみたいにバシッと決められなくて、2個になっちゃいました…」と<ライブ>と<サウンド・オブ・ミュージック>の2つの“きらめき”を告白。「まずは<ライブ>! バンドで音楽をやっていてライブがあるのもそうですし、俳優という面では本番をやるときの“緊張感”という意味です。それと<サウンド・オブ・ミュージック>。娘と息子がいまして、踊りたいと思ったら踊るし、歌いたいと思ったらうたうんです。僕も一緒に歌うときがあるんですけど、妻がピアノを弾いて、僕と子どもたちとで歌ったことがあって。それが僕の中での『サウンド・オブ・ミュージック』状態です(笑)。そうやって、緊張感のあるなかで、歌や踊りに向かうのが“きらめき”なのか、みんなと一緒にひとつのものに向かっていく時が“きらめき”なのか…どっちなんだろうなあと思って。でも、映画を観ると『これだ!』と思うとおもいます、ぜひ観ながら考えてみてください」と、ミュージシャンとしても俳優としても活躍する浜野ならではの考えを語った。
なお、浜野がいちばん好きなピクサー作品は『カーズ』シリーズとのこと。2児の父でもある浜野は「息子と初めて行ったピクサー映画でした。映画を観るときの子どもの反応が気になっていて、どこで笑うのかなとか、どこで泣くのかなとか思いながら観に行ったんですけど、結局自分が号泣していたんですよね」と、家族との微笑ましい思い出を明かし、会場全体がほっこりした雰囲気に包まれた。
そんなディズニー&ピクサーの最新作『インサイド・ヘッド2』が、8月1日に全国劇場公開。
前作『インサイド・ヘッド』は、心の中に広がる”感情たちの世界“を舞台に、少女ライリーが幸せに暮らせるよう奮闘する<子どもの頃から見守る感情>のヨロコビ、カナシミ、ムカムカ、ビビリ、イカリの感動の冒険物語を描き世界的な大ヒットを記録。そんな感動作の続編では、ちょっぴり成長したライリーの中に<大人になるための新しい感情>である[シンパイ][イイナー][ダリィ][ハズカシ]が加わり、感情たちのあらたな感動の冒険が描かれる。
そんな『インサイド・ヘッド2』に登場する”感情たち“にちなんで、浜野が最近感じた様々な“感情”にまつわるエピソードを語ることに。最近感じた“感情”について、浜野は「僕、戦国時代が好きなんです。漫画とかも好きなので、大河ドラマへの出演が決まってうれしかったです。その役をやって話題になったので、その武将の地元の武者行列に呼んでもらって、甲冑を着て馬に乗って参加させてもらったんです! でもその武者姿を見に来るのに、家族が時間に間に合わなくて…」と“喜び”と“悲しみ”が入り混じったエピソードを明かした。
『インサイド・ヘッド2』に登場する新しい“感情たち”を見た浜野は「ダリィ! すごいですね。感情っていっぱいありますもんね。恥ずかしいっていうのは日本人はすごくわかりますよね」と、感心した様子で語った。
『私ときどきレッサーパンダ』、『あの夏のルカ』と、ピクサーの生んだ名作がこの春ついに劇場で上映されたディズニー&ピクサーでは、『ソウルフル・ワールド』、『インサイド・ヘッド2』と、春から夏にかけて続々と話題作が公開となる。
最後に『ソウルフル・ワールド』の劇場上映を楽しみにしている人に向けて、浜野は「音楽は本当に素晴らしくて、ジョーが急いだり喜んだりするなんでもないシーンで流れている音楽までも美しいので、観られるのが羨ましいです。だからこそ大画面で、大音量で楽しんでもらえるのがうれしいです。最後にはしっかり考えられる作品になっているので、考えれば考えるほど良い作品なので、考えることも楽しんでもらえるとうれしいです」とメッセージ。本作の劇場公開を盛り上げる前夜祭は大盛況のうちに幕を閉じた。
映画情報
『ソウルフル・ワールド』
4月12日(金)全国劇場公開
『インサイド・ヘッド2』
8月1日(木)全国劇場公開
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(C)2024 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
『ソウルフル・ワールド』作品サイト
https://www.disney.co.jp/movie/soulfulworld
『インサイド・ヘッド2』作品サイト
https://www.disney.co.jp/movie/insidehead2