■「実は、道枝(駿佑)さんとクランクイン前に相撲を取ったんです」(平川雄一朗監督)
道枝駿佑演じる謎多きカリスマ転校生・美島零《ゼロ》に導かれた落ちこぼれ高校生たちが、【マルス】という動画集団を結成し、大人社会に反旗を翻していく青春“クーデター”サスペンス『マルス-ゼロの革命-』。このたび、今作の脚本を手掛ける武藤将吾と、監督を務める平川雄一朗の豪華対談が実現した。
第1話がスタートするやいなや、X世界トレンド1位を獲得するなど話題の本作。脚本を手掛けるのは、『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(2019年)、『家族ゲーム』(2013年)、映画『クローズZERO』(2007年 他)といったヒット作を世に送り出してきた武藤将吾。今を生きる若者たちのエネルギー、カルチャーをすくい上げ、物語を描き出すことで定評のある武藤が、『マルス-ゼロの革命-』で3年ぶりにオリジナル作品に挑む。
そして演出を手掛けるのは、Netflixドラマ『御手洗家、炎上する』(2023年)や『義母と娘のブルース』(2018年 他)、『ROOKIES』(2008年 他)などで知られる監督・平川雄一朗。気鋭のヒットメーカーふたりがタッグを組み、この混迷の時代を生きる高校生たちを主人公に、エッジの効いたまったく新しい青春ドラマを紡ぎ出す。
そんなふたりによる対談では、主演の道枝をはじめとする、ドラマを彩る豪華キャスト陣や『マルス-ゼロの革命-』という作品の魅力や注目ポイント、そしてキャラクター作りや演出でのこだわりなど、ここでしか聞くことができない貴重な裏話の数々が飛び出した。
ふたりが口を揃えて断言したのは「考察のために何度も繰り返し見てほしい」ということ。脚本家・武藤将吾と監督・平川雄一朗という、『マルス-ゼロの革命-』を作り上げた重要なふたりから明かされた“考察ポイント”をふまえた上で、もう一度第1話を観ると、またあらたな楽しみ方ができるかもしれない。
■脚本家・武藤将吾 コメント
Q. 企画準備段階から長い時間を経てようやく迎えた第1話だと思いますが、初回放送を終えての感想はいかがですか?
武藤:“青春ドラマ”、というのは『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』以来でしたので、「高校生書けるかな」と思いながら書き始めたんですが、結果できたものを見てみると、これまでにあまり見たことがないようなテイストの作品になったように感じました。それは平川雄一朗監督の演出のおかげなのですが、とても僕が思っていたよりも時に軽やかに時にハードに、とメリハリのある作品になっていて、見ていてとてもうれしかったし、新鮮な気持ちになれました。実はちょっと眠かったんですけど、目がバキバキになるくらい興奮しました(笑)。
僕が書いたものをスタッフ、キャスト陣が一丸となって具現化し、皆さんの熱量のおかげで、自分が思っていた以上の“マルス感”があるエネルギッシュな作品になったと思います。Q. 道枝駿佑さんが演じたゼロはいかがでしたか?
武藤:ゼロというキャラクターが彼(道枝)のパブリックイメージとかけ離れていたので、それをどう覆してくれるだろうと楽しみにしていたんです。彼がすごく悩みながら監督とふたりで作り上げたゼロというキャラクターで、皆さんが思っている“道枝駿佑像”をひっくり返せることにワクワクしていましたし、それを確信したので、昨日のオンエアを観たときはガッツポーズしました!「みんなが知らない道枝駿佑を表現できた」と喜びを感じました。Q. あらためて『マルス-ゼロの革命-』全体の見どころは?
武藤:昔だとこういった話を書くときは、“デジタル”と“青春”というのは切り離したり、対比させたりしていたと思うんです。でも今はそれを切り離すことはできない。そういう状況のなかで、どうやって人と人が向き合っていくのか――SNSという相手の顔が見えないものに接するなかで、近くにいる存在がどれだけ貴重でありがたいものなのか、という普遍的なことを描いています。傷つきたくないと感じている今の若い人たちに「こういう友だち付き合いもある」「こういう青春もいいな」って思ってもらえたら、この作品やった意味があるのかなと思っています。今の若者の“リアル”ではないことを、若い世代の役者さんたちがリアルに演じることで、別のリアリティが生まれ、それを羨ましくも思ってくれたらという思いもあります。
そしてその一方で、【クーデターサスペンス】と銘打っているものが、どんな意味を持っていくのか、第1話のラストで出てきた江口洋介さん演じる國見亜門とマルスが関わっていくのか、と話の規模がどんどん大きくなっていくので、そのスケールも見どころとなっていくのではないでしょうか。そして第1話最後で出てきた「いったい誰が殺したのか」といったところの考察なども楽しんでいただけたらと思います。Q. 武藤さんが挙げる“考察ポイント”は?
武藤:「新生【マルス】には、なぜあのメンバーが集められたのか」「國見は【マルス】の映像を観て、何を思ったのか」、そのあたりは後々明かされていくポイントです。
初めて、演出を含めて「こういう風にやりたい」ということを演出チームにも相談させていただきました。あからさまではなく、よくよく見ると実はしっかりと撮ってもらっている“重要な表情”などがあるので、ぜひ何度も繰り返し観ていただきたいですね。Q. それぞれのキャラクターの見どころや魅力など
武藤:ゼロは、カリスマ性や何を考えているのかわからないミステリアスな部分。その対比として板垣李光人さん演じる逢沢渾一がいて、彼が視聴者の心情をもっとも表していくのではないかと思います。ゼロに振り回されながら成長していく姿にもご注目ください。そして他の5人のメンバーたちも、これからの話で焦点が当たっていきますので、注目し好きになってもらいたいと思います。■監督・平川雄一朗 コメント
Q. 企画準備段階から長い時間を経てようやく迎えた第1話だと思いますが、初回放送を終えての感想はいかがですか?
平川:テレビ朝日では初めてのドラマだったので、オンエアを観て無事に着地したことにほっとしました。編集をしながら「あ、僕たちは武藤さんを大きな愛で包んでいるな」と感じたんです(笑)。武藤将吾さんの作家性、メッセージ性を一般視聴者にどう伝えるかということに注視できたし、武藤さんの高い熱量を受け止めて、若い役者さんたちが演じるというのがいちばん大変だったと思いますし、みんなよく頑張ったと思います。それが視聴者の皆さんに届いて、元気をもらってくれたらいいなと思っています。Q. 道枝駿佑さんが演じたゼロはいかがでしたか?
平川:実は道枝さんとクランクイン前に相撲を取ったんです。道枝さんって細いし優しそうだし…なので僕は負ける気がしなかったんですよ(笑)。
撮影が始まって、日々ゼロになっていく道枝さんを見ていると、どんどんたくましくなっていて、その成長が著しいなと思うとともに、今はもう相撲を取ろうとは思わないですね(笑)。
視聴者の皆さんにはそんな道枝さんの頑張りが届いて、「こんなに頑張ってるんなら、自分も頑張ろうかな」って思ってもらえたらうれしいです。Q. あらためて『マルス-ゼロの革命-』全体の見どころは?
平川:武藤さんの頭の中にしかない謎を皆さんに“考察”していただきたいというところですね。至るところに伏線や謎が散りばめられているので、追いつくのが大変(笑)。自分は武藤さんに教えてもらったので、演出として1話にもたくさん伏線を埋め込んではいますが、気付く人いるかなあ…だぶん気付かないでしょうね(笑)。第1話のラストの「最後まで付き合ってもらうぞ」というゼロのセリフ、「どんな最後になるんだろう」と僕も思っています。皆さんもそんな風にいろんなことを感じ、考えながら見ていただけたらなと思います。
それぞれのキャラクターの過去に何があったかという背景は武藤さんから聞いているのですが、この先起こる未来に関しては本当に武藤さんしかわからないので、怖いです!(笑)
ゼロと國見の対決にも、僕も想像していなかった過去が隠されていて…。第1話にも、そのヒントはしっかりと描かれています。Q. 【マルス】メンバーには若い役者陣が揃っていますが、どんな演出を心がけていますか?
平川:若いキャストたちにはとにかく「一生懸命やりなさい」と言っています。必死に役に没入し、何でもいいから爪跡を残せ、そうすればキャラクターが生きてくる、と伝えました。
番組情報
テレビ朝日系 火曜ドラマ『マルス-ゼロの革命-』
01/30(火)21:00~ ※第2話
出演:道枝駿佑 板垣李光人 吉川愛 井上祐貴 横田真悠 山時聡真 他
第2話ゲスト:日向亘 勝村政信 小松和重 室井滋
主題歌:SUPER BEAVER「幸せのために生きているだけさ」
『マルス-ゼロの革命-』番組サイト
https://www.tv-asahi.co.jp/mars/