■「岡田麿里様は、中島の絶大なる“推し”です!」(中島みゆき)
中島みゆきが、数々のヒット作を手掛けるスタジオMAPPA初のオリジナル劇場アニメーション作品となる『アリスとテレスのまぼろし工場』の主題歌を手掛けたことがわかった。
本作は、大人も泣けるアニメとして300万人の心を動かし、現在のアニメブームの礎となった『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』などアニメファンだけでなくアニメに馴染みのない人たちの心も掴む脚本家であり、監督デビュー作となった『さよならの朝に約束の花をかざろう』で国内外から高い評価を得た岡田麿里の監督第2作目。
中島みゆきがアニメ―ション映画への楽曲提供するのは、今回が初めて。主題歌のタイトルは「心音(しんおん)」に決定した。
2022年の秋、自身の44作目となるオリジナルアルバム『世界が違ってみえる日』のCDジャケットの撮影をしている頃、中島みゆきの楽曲を普段から愛聴していた岡田から主題歌の依頼が届いたという。それを受けて中島が楽曲制作を決めるに至ったのは、岡田の台本だった。
中島は「ゲームもアニメもさっぱりわからない中島に、御注文をくださるとは、なんでなの?と謎な気持ちで、届いた台本をおそるおそる読み始め、最後まで読み終わらないうちに、どっぷり、岡田麿里様のしもべとなっておりました。岡田麿里様は、中島の絶大なる“推し”です!」とそこに描かれていた物語に強く心動かされ本作への参加を決意。
「スタジオで初めて岡田麿里様にお目にかかった日は、ただもう中島は物陰から、じぃっとお姿を拝見するばかり。一瞬だけ駆け寄って“この台本、好きです!”と言うのが精一杯でした。まるで中学生の片想いレベルです」といい、“推し”である岡田と本作への溢れんばかりの思いを明かした。
願いが結実した岡田は「『心音(しんおん)』が流れてきた瞬間、正面から、強い風がぶわっと吹いた気がしました。風にあおられて、緊張だけでなく、スタジオの景色がすべて吹っ飛んでいきました。そして、この物語の主人公である正宗と五実、睦実の姿が見えました。彼らはしんと冷たい世界の中で、腹の底から叫び、走っていました 」と喜びを爆発させた。
中島みゆきの主題歌といえば、ドラマ『家なき子』で登場する犬の視線で描かれた「空と君のあいだに」(1994年)、企画書に記されていた普段光の当たらない人に光を当てた人間ドラマに対して書き下されたNHK『プロジェクトX~挑戦者たち』(2000~2005年)の「地上の星」、近年のシニア層の人生をテーマに描かれた倉本聰脚本、帯ドラマ劇場『やすらぎの郷』(2017年)、「やすらぎの刻~道」(2019~2020年)の主題歌「慕情」「進化樹」「離郷の歌」など、どれも作品に寄り添った名作揃い。
『アリスとテレスのまぼろし工場』は、突然起こった製鉄所の爆発事故によりすべての出口を失い、時まで止まってしまった町が舞台。いつか元に戻れるように住民たちは“変化を禁じられた”生活しているが、そんななか、鬱屈した日々を過ごす中学3年生の主人公・正宗は、謎めいた同級生の睦実に導かれ、しゃべることのできない、野生の狼のような少女の存在を知ることになる。
やがて、このふたりの少女と正宗との出会いによって生まれた、日常に飽きた少年少女たちの、止められない“恋する衝動”が世界を壊し始める、という岡田麿里によるオリジナルストーリー。この物語を中島みゆきの主題歌「心音(しんおん)」がどのように彩っているのか、主題歌の公開を楽しみに待とう。
『アリスとテレスのまぼろし工場』は、9月15日に全国公開される。
■中島みゆき コメント
ゲームもアニメもさっぱりわからない中島に、御注文をくださるとは、なんでなの?と謎な気持ちで、届いた台本をおそるおそる読み始め、最後まで読み終わらないうちに、どっぷり、岡田麿里様のしもべとなっておりました。
岡田麿里様は、中島の絶大なる「推し」です!
スタジオで初めて岡田麿里様にお目にかかった日は、ただもう中島は物陰から、じぃっとお姿を拝見するばかり。
一瞬だけ駆け寄って「この台本、好きです!」と言うのが精一杯でした。まるで中学生の片想いレベルです。■岡田麿里 コメント
『アリスとテレスのまぼろし工場』の主題歌が完成したとご連絡があり、スタジオにお伺いしました。
期待で前夜は眠れなかったうえに、その場にみゆきさんがいらっしゃったことで興奮と緊張は限界に達し、挙動不審かつドライマウスの私に歌詞の紙が渡されました。
そこには、『心音(しんおん)』と書かれていました。
『心音(しんおん)』が流れてきた瞬間、正面から、強い風がぶわっと吹いた気がしました。
風にあおられて、緊張だけでなく、スタジオの景色がすべて吹っ飛んでいきました。
そして、この物語の主人公である正宗と五実、睦実の姿が見えました。
彼らはしんと冷たい世界の中で、腹の底から叫び、走っていました。
2023年6月現在、『まぼろし工場』の制作は順調です……とは正直、言えません。
映画の内容と同じく、さまざまな困難にぶちあたり、倒れそうになることもあります。
でも、そのたびに『心音(しんおん)』がどんどんと心臓を叩いてくれ、蘇生させられています。
みゆきさん、瀬尾さん(※中島みゆき音楽プロデューサー)をはじめとした『心音(しんおん)』チームの皆さん。
この素晴らしい主題歌が流れる、エンディングを迎えるために。『まぼろし工場』とアニメスタッフは最後まで駆け抜けていきます。本当にありがとうございました。
映画情報
『アリスとテレスのまぼろし工場』
2023年9月15日全国公開
原作・脚本・監督:岡田麿里
副監督:平松禎史
キャラクターデザイン:石井百合子
美術監督:東地和生
音楽:横山 克
制作:MAPPA
出演:榎木淳弥 上田麗奈 久野美咲
主題歌:中島みゆき「心音(しんおん)」
配給:ワーナー・ブラザース映画 MAPPA
(C)新見伏製鐵保存会
【STORY】突然起こった製鉄所の爆発事故によりすべての出口を失い、時まで止まってしまった町で暮らす中学3年生の正宗。いつか元に戻れるように、住人たちは変化を禁じられ鬱屈した日々を過ごすなか、謎めいた同級生の睦実に導かれ、製鉄所の第五高炉へと足を踏み入れる。そこにいたのはしゃべることのできない、野生の狼のような少女。ふたりの少女と正宗との出会いが世界の均衡を崩していき、日常に飽きた少年少女たちの、止められない“恋する衝動”が世界を壊し始める。
『アリスとテレスのまぼろし工場』作品サイト
https://maboroshi.movie
中島みゆき OFFICIAL SITE
https://www.miyuki.jp/