■9名のバンドメンバー+31体の精霊+満員の観客で作り上げられた祝祭空間!
5月27日、マハラージャンが、自身初となる東京・日比谷野外大音楽堂でのワンマンライブ『日比谷大宴会~外~』を行った。
これまでリリースしたオリジナル31曲をすべて演奏することが事前告知されていたメモリアルな公演とあって、会場はソールドアウト。暖かな日差しとそよ風が舞う絶好の“野音日和”のなか、開演直前には異例となる所属事務所「油田LLC」の社長corin.からのからユーモアたっぷりなアナウンスが流れ、「観客による動画・写真撮影の許可」が告げられると、満員の客席からは大きなどよめきが巻き起こった。
サプライズのざわめきが冷めやらぬなか、運動会でおなじみのオペレッタ「天国と地獄」が流れると、先のアナウンスで“精霊”と紹介されたエキストラが次々と登場。黄色い衣装の胸には一曲ずつタイトルの略称が記されており、ほどなく舞台後方の巨大なひな壇に全31曲分の精霊が立ち並び、謎の演出に観客の熱気は否が応にも高まった。
すかさずSEが切り替わり、マハラージャン作のクールなテクノナンバーが流れると、豪華なサポートメンバーが続々と登場。レギュラーメンバーに、コーラス、ブラスセクションを加えた総勢9名の大編成となった。ほどなくオープニングナンバー「貞☆子」がスタート。イントロのフレーズがリピートされるなか、カラフルな新ビジュアルの衣装に身を包んだマハラージャンが満を持して登場すると、客席は一気に総立ちとなり、会場が拍手や歓声で埋め尽くされた。
「コロナ禍以前のように、はしゃぎ回れる未来を夢見て作った」という肝入りのオープニングナンバーとあって、そのメッセージを受け取った会場は一体となって手を振るパフォーマンスで応え、“来るよ 来るよ そんな日が”というコーラスを大合唱、コロナ明けの祝祭とも呼べる感動的なシーンとなった。
そんななか、「貞☆子」と胸に書かれた“精霊”が役目を終えたかのように淡々と舞台袖へと退場。一曲演奏するごとに精霊も一体ずつ消えていく演出であることが密かにわかるが、これは終盤のパフォーマンスへの“フリ”でもあった。
続いて「僕のスピな人」「示談」「地獄 part2」「適材適所」といったアッパーな人気曲を立て続けに披露し、いつにも増して情熱的なシャウトと大編成の分厚く贅沢なサウンドで観客を魅了していく。
日比谷野音のステージに立っていることの感謝を述べ、「次行くよ」「ねぇ、ねぶって」「権力ちょうだい」「行列」「先に言って欲しかった」「いうぞ」といった様々なスタイルの楽曲を巧みに繋ぎ、キレのあるバンドサウンドで会場は早くもクライマックスの熱気に包まれていく。
「普段のライブならここで真ん中くらいなんですけど、まだ前半です(笑)」と苦笑しながら、「今日は全曲披露ということなのですが、、、今までライブで演奏したことのない曲が何曲かあります!」と告げ、この日の大きな目玉となる初披露楽曲のコーナーへ。
タイトルにちなんだユニークなMCを織り交ぜながら、「自意識過剰」「よそはよそ」「僕のムンクが叫ばない」を初パフォーマンス。そして、インディーズ時代以来となる「おかしくなった人」をエモーショナルに歌い上げたあと、おもむろに「何の時間」「いいことがしたい」「ちがう」「単純な作業」というインディーズ時代の定番4曲をマッシュアップしたメドレーを披露。この日ならではのスペシャルなコーナーとなった。
ここでバンドメンバーがいったん退場すると、マハラージャンがひとりステージに残り、アコースティックギター一本で「君の歯ブラシ」を熱唱。日没の日比谷オフィスビル街に“君の歯ブラシで 磨くよ便器”と、ソウルフルな絶唱が響きわたり、本公演の中でも屈指の印象的なシーンとなった。
その後、つるべ落としで宵闇が訪れ、照明の明かりが美しく映えるなか、アコースティックコーナーは徐々に演奏メンバーを加えながら「比べてもしょうがない」「空ノムコウ」「遠回り」といったメロディアスな楽曲でチルな時間を演出。天候に恵まれた春の野音ならではのマジックアワーのひとときであった。
セットチェンジの合間に、100年を迎えた日比谷野音の過去の伝説的なライブに触れながら、「この日比谷野音の最新バージョンが僕とあなたたちです!」と観客を煽ると、いよいよ終盤に突入。再びフルメンバーが登場すると、「正気じゃいられない」「鼻の奥に米がいる状態」「エルトン万次郎」、そして名バラード「eden」をノンストップでプレイ。エンディングに向けて観客の熱気が立ち込めていく。
そしてラスト4曲では、これまで淡々とライブを見守ってきた“精霊”4体がおもむろにひな壇に立ち上がり、マハラージャンの「じぇ!」というおなじみのコールアンドレスポンスから始まる「持たざる者」へと演奏が雪崩れ込むや、キレキレのダンスパフォーマンスを披露。続く「その気にさせないで」「くらえ!テレパシー」でもMVのキュートな振り付けを再現し、大宴会のクライマックスにふさわしい華やかな演出で会場を大いに盛り上げた。
「ここまで30曲やってきましたが、この曲たちはコロナ禍に出来たものが多くて、、、皆んなの気持ちもどっかに乗っかっていたらうれしいです、、、コロナ禍お疲れ! 、、、まだね、いろんなことがありますけど、一緒に頑張っていきましょう! 皆んなと野音に捧げる曲を最後に聴いてください!」と熱いメッセージで結び、日比谷の夜空に月光が輝くなか、メジャーデビュー曲「セーラ☆ムン太郎」のイントロが流れ出す。観客の大合唱パートを織り交ぜながらの熱唱を終えると、エンディングでは「ありがとう! ありがとう!」と何度も繰り返し客席に感謝を叫びながら『日比谷大宴会~外~』本編を締め括った。
鳴り止まないアンコールに応え、再び舞台に登場すると、夏に開催されるビルボードツアー(大阪・横浜・東京)、秋冬の全国ツアー、それに先駆けて7月14日にリリースされる配信EP『蝉ダンスフロア』の情報を解禁。最後は、この日先行リリースされたタイトルチューン「蝉ダンスフロア」で、2時間20分に及ぶ初の野外ワンマン公演を締め括った。
PHOTO BY 中島たくみ(※ライブ写真)
■セットリスト
1.貞☆子
2.僕のスピな人
3.示談
4.地獄 Part2
5.適材適所
6.次行くよ
7.ねえ、ねぶって
8.権力ちょうだい
9.行列
10.先に言って欲しかった
11.いうぞ
12.自意識過剰
13.よそはよそ
14.僕のムンクが叫ばない
15.おかしくなった人
16.何の時間
17.いいことがしたい
18.ちがう
19.単純な作業
20.君の歯ブラシ
21.比べてもしょうがない
22.空ノムコウ
23.遠回り
24.正気じゃいられない
25.鼻の奥に米がいる状態
26.エルトン万次郎
27.eden
28.持たざる者
29.その気にさせないで
30.くらえ!テレパシー
31.セーラ☆ムン太郎
アンコール
32.蝉ダンスフロア
リリース情報
2023.05.27 ON SALE
DIGITAL SINGLE「蝉ダンスフロア」
2023.07.14 ON SALE
DIGITAL EP『蝉ダンスフロア』
マハラージャン OFFICIAL SITE
https://maharajan.love/