■「(映画を観た)うちの家族は森七菜ファンになっていた。森さんが、という感想しか聞いていない」(菅田将暉)
映画『銀河鉄道の父』の公開記念御礼舞台挨拶が5月13日、東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズ SC7で行われキャストの役所広司、菅田将暉、森七菜、そして成島出監督が登壇した。このイベントの様子は、全国321館の劇場にも中継された。
本作は世界中から愛される宮沢賢治が「ダメ息子だった!」という大胆な視点を軸に、大量の宮沢賢治の資料のなかから父・政次郎について書かれた資料をかき集め、究極の家族愛を描いた第158回直木賞を受賞した作家・門井慶喜による同名小説を映画化。
感想投稿キャンペーンで集められた「親バカ最高じゃん!」「母の日にまた娘と観に行きたい」「本日2度目の鑑賞」「すべてにらぶが溢れてる」などのコメントがあしらわれたバックパネルを背景に登壇者たちが集結。
宮沢賢治の父・政次郎を演じた役所はバックパネルのコメントを目にしながら「いい感想ばかりを並べている?」と笑いつつ、「映画を観るために劇場に入っていく自分と出ていく自分が変わっていくのは、映画を作った人間として幸せなことです」とうれしそうにコメント。
宮沢賢治を演じた菅田は「うちの家族は森七菜ファンになっていた。森さんが、という感想しか聞いていない」と報告し、賢治の妹・トシを演じた森は「しめしめ!」と喜びながら「菅田さんのご家族が…うれしい」と噛みしめていた。
成島監督も「キャストも第一志望で埋まっていったので夢のようだった。現場も素晴らしく、俳優陣が褒められるとそれが伝わったようでうれしい」と手応えを得ていた。
また劇中のこだわりついて聞かれた役所は「僕は21歳から70歳代までの政次郎を演じています。21歳の頃の僕は必見。メイクさんが若返る努力をしてくださって頑張りました。支度中はメイクで皺が減っていく自分を楽しんでいました」と回答。そして森が現在21歳と知ると「同級生です!」と役所は満面の笑みだった。
一方、役作りで宮沢賢治の筆跡をコピーした菅田は「劇中に映る賢治の書き物はほとんど自分で模写して書きました。独特な丸みを帯びた字が印象的」と語り、「DVDを買っていただいたあかつきには書物が映るシーンで一時停止してもらい、宮沢賢治記念館に行って文字を見てほしい。賢治の文字に寄せつつも、自分なりの文字で書いています」とこだわりを明かした。
森は「衣装で着た鮮やかでかわいい着物」を見どころに挙げて、「あの時代、お着物の下にネルシャツを着るのが流行った。流行に乗ったオシャレをしているので、そこも観てほしい。袴の下にブーツも履いています」と当時の流行を取り入れたファッションを気に入っていた。
今回のイベントでは、主題歌を担当したいきものがかり(吉岡聖恵、水野良樹)から届いたコメントVTRも公開された。
ふたりによる新体制になってから初めて映画主題歌を担当したいきものがかり。オファーが届いたときは吉岡が出産を控えたときで、仕事をセーブしようとしていた時期だったという。しかし脚本を観てふたりは「絶対にやったほうがいい」と思ったと言う。
さらに吉岡は「やがて母になる自分の気持ちも重ね合わせて歌えたらいいなというふうに思いました」と回顧。水野は「政次郎もそうですが、登場人物の皆さんが自分の愛する人を全力で肯定するところを自分たちもリンクさせながら、曲を書かせていただきました」と明かし、続けて「お父さんだけではなく、お母さんも楽しめる。お母さん役の坂井真紀さんのすごい泣けるシーンがあるんです!」と話すと吉岡も共感。
最後に水野から「本当にすべてのシーンが宝物のような、僕らもそれに主題歌として関わらせていただいてすごく光栄に思います。ぜひたくさんの方に届くことを祈っています」とメッセージを寄せた。
さらなる大ヒットに期待すべく、あらたな情報も解禁。6月8日から22日までカナダで開催される『トロント日本映画祭』のコンペディション部門のオープニング上映および、成島監督の特別監督賞受賞決定が発表された。
成島監督は「この賞は監督としての実績でもらえる賞だそうです。役所さんとはこれまで4本ご一緒させてもらって、その足し算でもらえた賞だと思う。とても嬉しいです」としみじみ。
役所も「成島監督とはお互いチンピラ時代からの知り合い。助監督時代からの友人であり仲間です。これまで素晴らしい賞をたくさん受賞されているけれど、トロントのお客さんにこの映画を観ていただくのはうれしい限り」と祝福し、「これからもいろいろな賞をゲットしてほしい」と激賞していた。
イベントの翌日16日が「母の日」であることから、ここで全国のお母さんたちへの日頃の感謝の気持ちを込めて、そして、本作のロングラン上映への気持ちを込めて、くす玉割りを実施。くす玉の垂れ幕には「お母さん、ありがとがんす」「日本感涙! 永遠にラブだぞ!」という言葉が記されていた。
主演の役所は最後に「東京は雨が降っていますが、本日は“雨ニモマケズ”お越しいただきありがとうございます。公開から2週目ですが、この映画が長く皆さんに愛されるような映画になって長く上映されたらうれしいです。皆さんのいろいろな口コミで広がっていくはずなので、末永くこの映画を愛してくださいね」とさらなる広がりに期待を込めていた。
映画『銀河鉄道の父』は、全国にて大ヒット公開中。
映画情報
『銀河鉄道の父』
全国公開中!
出演:役所広司 / 菅田将暉 森七菜 豊田裕大 / 坂井真紀 / 田中泯
監督:成島出
原作:門井慶喜『銀河鉄道の父』(講談社文庫)
主題歌:いきものがかり「STAR」
配給:キノフィルムズ
(C)2022「銀河鉄道の父」製作委員会
映画『銀河鉄道の父』作品サイト
https://ginga-movie.com/