■「人間は常に苛立っている。絶望している。そうなのか。そうではない。そうではないはずだ、と、この映画は俺に問いかけている」(向井秀徳)
生田斗真が主演を務める映画『渇水』(6月2日全国公開)より、予告、本ビジュアル、新キャストが一挙解禁された。
1990年、第70回文學界新人賞受賞、第103回芥川賞候補となり注目を浴びた河林満による『渇水』。“生の哀しみ”を鮮烈に描いた名篇が、『凶悪』『彼女がその名を知らない鳥たち』『死刑にいたる病』など、多くの重厚な作品を世に贈り出し続ける映画監督・白石和彌の初プロデュースにより、刊行から30年の時を経てついに映画化を果たす。
監督は、根岸吉太郎、高橋伴明、相米慎二、市川準、森田芳光、阪本順治、宮藤官九郎らそうそうたる監督のもとで助監督としてキャリアを重ねてきた高橋正弥(高ははしごだかが正式表記)。
主演は、華やかな人気と、多彩な役どころを変幻自在に演じ分ける実力を併せ持つ俳優・生田斗真。水道料金を滞納する家庭の水を日々停めて回る業務に就く水道局員の主人公・岩切俊作が、心の渇きにもがきながらも“生の希望”を取り戻していくという難しい役どころを体現している。
さらに門脇麦、磯村勇斗、尾野真千子ら実力派俳優が揃い踏み脇を固める。
今回解禁となった予告映像では、「督促の期限を過ぎましたので、停水を執行します」と、主人公・岩切俊作(生田斗真)と同僚の木田拓次(磯村勇斗)が水道料金を滞納する伏見(宮藤官九郎)の家を訪れ、水道を停止する場面から始まる。
「町中カラッカラだってのに弱いものいじめというか…」と疑問を呈す木田に対し、「支払いが滞れば水道を止める、払えば開ける、俺たちにできるのはそれだけだ」と、規則に則り粛々と業務を遂行する岩切の“渇ききった日常”が映し出される。
そんなある日、岩切はたったふたりで家に残された幼い姉妹(山崎七海、柚穂 ※崎はたつさきが正式表記)に出会う。葛藤を抱えながらも「規則だから」と水道を停める岩切だったが、その姉妹が厳しい生活を強いられていく様子を目の当たりにすることになる。
姉妹の母親である有希(門脇麦)に「それでも親か?」と投げかける岩切だったが、「あんたの家族は幸せなの?」と返され言葉を失う。岩切は、妻と幼い息子との関係に問題を抱えていた。「このままじゃダメなんだよ」と苦悶の表情で叫ぶ岩切。この渇いた世界で、岩切が葛藤の末にたどり着く結末とは? 「大雨降らせてやろうな、カラッカラの町に」という最後の言葉が意味するものとは?
そして、予告編前半には、向井秀徳が書き下ろした主題歌「渇水」も印象深く登場。向井からのコメントも到着した。
人と人の関係が希薄になってしまった現代社会に、真の絆とは何かを問いかけ、観る者を生への希望で照らし出す珠玉のヒューマンドラマ映画『渇水』は6月2日より全国公開となる。
■向井秀徳 コメント
人間は苛立っている。
暴力的な真夏の陽射しが地方都市に降り注ぐ。
アスファルトに撒いた水道水は瞬時に蒸発して発光する。
そのギラつきが、匂いが、フィルムに刻まれている。
人間は常に苛立っている。絶望している。
そうなのか。そうではない。
そうではないはずだ、と、この映画は俺に問いかけている。
そんなことを思いながら「渇水」という曲を作りました。
映画情報
『渇水』
6月2日(金)全国公開
出演:
生田斗真
門脇麦 磯村勇斗
山崎七海(「崎」は、たつさきが正式表記)柚穂/宮藤官九郎/宮世琉弥 吉澤健 池田成志
篠原篤 柴田理恵 森下能幸 田中要次 大鶴義丹
尾野真千子
原作:河林満「渇水」(角川文庫刊)
監督:高橋正弥
脚本:及川章太郎
音楽:向井秀徳
企画プロデュース:白石和彌
主題歌:向井秀徳「渇水」
(C)「渇水」製作委員会
向井秀徳 OFFICIAL SITE
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映画『渇水』作品サイト
https://movies.kadokawa.co.jp/kassui/