■「私のファンやアイドルのファンは先を考えて深読みをするのが上手な賢いファンばかりなので、そういう方々には面白がってもらえるかも」(齋藤飛鳥)
映画『サイド バイ サイド 隣にいる人』(4月14日公開)の完成報告イベントが3月27日に東京・イイノホールで行われ、坂口健太郎、齋藤飛鳥、市川実日子、そして伊藤ちひろ監督が登壇した。
本作は、そこに存在しない“誰かの想い”が見える不思議な力を持つ青年・未山が主人公のリアルとファンタジーが混在する「マジックリアリズム」が息づく物語。
目の前に存在しない“誰かの想い”が見える不思議な力で周囲の人々を癒す未山役の坂口は「言語化して伝える作品が多いなかで、余白を大切にしてあえて説明を排している作品。それを投げかけたときに受け取ってくれた皆さんのなかに何が生まれるのか、楽しみです」と劇場公開後の反響に期待した。
坂口が出演した映画『ナラタージュ』の脚本家でもある伊藤監督(堀泉杏名義で脚本を担当)から「そのときから可能性のある面白い役者さんだと思った。坂口さんを撮りたかった」と言われた坂口は「とても光栄で役者冥利に尽きますね」と喜色満面。
さらに伊藤監督から「捉えどころのないところや、目の前のすべてを受け入れてしまうようなところ」が主人公・未山のイメージに合うと指摘されると、「演じていてドキッとするようなところもあって、ちょっとずつ自分の本質がバレているなと思うこともあった」と明かした。
未山の元恋人・莉子役の齋藤は、乃木坂46卒業後初の映画出演。司会から「乃木坂46卒業後…」などと話を振られた瞬間、市川が反応して「その質問はNGでお願いします!」と冗談めかして齋藤の緊張をほぐした。
さらに齋藤が「乃木坂46の私とも違うし、そんなにファンの人が喜ぶような役ではないかもしれない…」と解説すると、坂口は「いやいや、うれしいはずだよ? その姿を見たいお客さんもいるだろうし、素敵な役ですから」、市川は「あんなことをこんなことを…ねえ?」と冗談を飛ばし、そんな市川に「そんなことないです! やめてください(笑)」齋藤は突っ込みを入れた。
そして改めて齋藤は「私のファンやアイドルのファンは先を考えて深読みをするのが上手な賢いファンばかりなので、そういう方々には面白がってもらえるかも」とアピールした。
伊藤監督はそんな齋藤について「目が離せないような存在感があり、作品に出ていると目で追ってしまうような人。時が止まって年を取らなそうなイメージも莉子らしい」と講評。
齋藤は撮影期間を振り返り、「役作りの方法もわからなかったので、準備をしていったというよりも、監督の言うことを咀嚼してそれをどのように形にしていくか。何かを持って行くのではなく、監督についていきました。演じるうえでは莉子ちゃんを意識していたのが半分と、自分の素が半分だった」と打ち明けた。
未山と暮らす恋人で看護師の詩織役の市川は「(坂口との)撮影中のカメラには映っていない合間の関係性が反映される作品だと思ったので、(坂口と私の)心地よい関係性が見えるよう意識していました」と回想。
娘役の磯村アメリについては「ユーモアのある面白い子で、かわいらしいものが好きそうなのに妖怪が大好き。目玉おやじの絵を描いてくれた」とすっかり打ち解けた様子で、伊藤監督は「市川さんは日常を豊かに生きられているような方で、撮影中もたくさんのアイデアを生み出してくれた。そのすべてが好きです」と、その人柄を賞賛。
役の設定上、磯村と遊ぶことはなかったという齋藤が「私は(坂口と市川が磯村と)遊ぶのを見ていることが多かったけれど、おしゃべりや3人で遊んでいる姿がすごくきれいだったからこそ、これを体験できてよかったと思った」と述べると、市川は今にも泣きだしそうな顔で「映画の経験が少ないと言っていたので、(坂口と)ふたりで飛鳥ちゃんにとってこの映画が良い経験になってほしいと話していた」と明かし、坂口も「嫌にならないでほしいと思っていた」と先輩俳優として気にかけていたことを告白。
すると齋藤は「そうだったんですね!」とふたりの気配りに感謝するも、坂口と市川がオーバーに目頭を押さえる芝居を始めたことから、さすがの齋藤も「…これ誰が止めるんですか!?」と困惑気味に突っ込みを入れた。
最後に坂口は「一つひとつのシーンを丁寧に撮って、みんなでシーンの正解を探りながらキャラクターを作っていった特別な作品です。観終わったあとにたくさんのことが語れる作品であり、観る人の心を豊かにもする作品。登場人物それぞれの感情の機微や変化を大きなスクリーンで観てほしいです」と呼び掛け、イベントを締めくくった。
映画情報
『サイド バイ サイド 隣にいる人』
4月14日(金)TOHO シネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
出演:
坂口健太郎
齋藤飛鳥 浅香航大 磯村アメリ
茅島成美 不破万作 津田寛治 井口理(King Gnu)
市川実日子
監督・脚本・原案:伊藤ちひろ
音楽:小島裕規 “Yaffle”
主題歌:「隣」クボタカイ (ROOFTOP/WARNER MUSIC JAPAN)
(C)2023『サイド バイ サイド』製作委員会
『サイド バイ サイド 隣にいる人』作品サイト
https://happinet-phantom.com/sidebyside/