■国内初開催となった今回は、2023年以降も活躍が期待される3人の女性アーティストが、3会場で同日にライブを実施!
3月3日、『Billboard JAPAN Women In Music vol.0 Supported by CASIO』が3都市のビルボードライブで開催され、ちゃんみな、UA、eillが出演した。
米ビルボードが 2007 年から主催するイベント『ビルボード・ウィメン・イン・ミュージック』は、音楽業界に多大に貢献し、その活動を通じて女性たちをエンパワーメントしたアーティストを毎年<ウーマン・オブ・ザ・イヤー>として表彰するもの。2022年はオリヴィア・ロドリゴが、過去にはビヨンセやマドンナなどそうそうたるメンバーが受賞してきた。
国内初開催となる今回は、2023年以降も活躍を期待したい女性アーティストが、各会場異なるラインナップで登場し、1日2回公演で、同日にライブを行った。
■ちゃんみな(ビルボードライブ東京)
ビルボードライブ東京には、トリリンガルラッパー/シンガーのちゃんみなが出演。「ルーシー」の“もういいかい”との印象的なリフレインとともに、ダンサー4名を引き連れてちゃんみながステージに登場。DJも含めステージ全員が女性という、まさに“Women In Music”仕様の編成で、彼女のルーツである韓国語、英語と日本語をミックスした歌詞を、迫力たっぷりの声とハードなラップに乗せる「I’m a Pop」、都会的なサウンドと囁くようなボーカリゼーションが妖艶な「ハレンチ」などを披露した。
MCでは「みんなが思ってるより、みんなは本当に綺麗です。それをいくつになっても伝えていきたい」と改めて自分の“歌う意味”を宣言。その後の「Angel」では曲間に「本当のこと言うと、コロナ禍のあいだ大丈夫じゃなかったです私! みんなに会いたくて仕方なかった」と観客へ深い感謝を叫んだ。
最後は「ダリア」を、感情をむき出しにするように情熱的に歌唱。ふと歌を止めると「私には歌しかなかったんです。だから歌い続けて待ってました。みんな、出会ってくれてありがとう!」と熱く語り、歌い終えると客席に深々とお辞儀をし、笑顔でステージを去った。
■UA(ビルボードライブ大阪)
ビルボードライブ大阪のステージに立ったのは、オルタナティブな音楽活動を展開し、4人の母でもあるUA。幻想的な憂いを持った「記憶喪失」や「閃光」、スキャットやハーモニーの組み合わせが印象的な「JAPONESIA」で、オリジナリティに溢れた独自の世界観で会場を染めていった。特に、大ヒット曲「情熱」、そしてダンサブルなグルーヴが熱量を増しながら次々と展開していく「AUWA〜TIDA」では、UAの音楽性の幅広さが特に詰まっていたように感じられた。そしてアンコールでは第1子を妊娠していた際に書いたという「水色」を披露。美しい歌声によって、ステージは締めくくられた。
MCで、子供の頃の生い立ちや、自分の周りの女性たちについて語ったUA。300キャパという限られた空間だからこその、親密な時間が流れていた。そして、「“自分を抱きしめて自分を慈しんで愛することからスタートしたいな”と毎日思えたら」と語り「私は女性として生まれて良かったと思っています。そしてこれからも情熱と好奇心を失わず、たくさんの体験を恐れず前に進んでいこうと思います」という力強い言葉が、非常に印象的な一夜となった。
■eill(ビルボードライブ横浜)
ビルボードライブ横浜にはシルキーかつソウルフルな歌声で等身大のメッセージを発信するシンガーソングライター、eillが登場。サトウカツシロ(Gu)、越智俊介(Ba)、nabeLTD(Key)、箕輪陽介(Mani)、松浦千昇(Dr)の5人が奏でるサウンドにのせ、全身真っ白な衣装でステージに登場したeillは「ここで息をして」でライブをスタートした。
「FAKE LOVE/」「((FULLMOON))」など立て続けに披露し、時折キュートさも見せながらメロウなグルーヴが炸裂。この日はスペシャルセットでストリングス(Vln./牛山玲名、Vla./村田泰子、Vlc./今井香織)を迎え「去年の今頃、夏を思いながら作った歌です」と話した「フィナーレ。」をはじめ「花のように」まで瑞々しいサウンドを届けた。
MCでは「自分のことを愛して、ダメな自分も抱きしめてあげてください」と一人ひとりが自分らしくあることの大切さを伝え「辛くなったらいつでも背中を押します。どんなときもみんなの光になります」と「SPOTLIGHT」へ。自身もピアノを弾きながら届けた「20」やラストの「踊らせないで」まで背中を押すようなパフォーマンスによって、会場に一体感を生み出した。アンコールでは新曲「WE ARE」のリリースを発表。「みんなひとりぼっちで、ひとりぼっちじゃないんだなって。孤独を自分の盾にできる。みんなひとりじゃないからね」と語り、会場限定で初披露し、笑顔でステージを後にした。
なお、本公演は現在、U-NEXTで見逃し配信中だ。
<セットリスト>
■ちゃんみな
M1. ルーシー
M2. I’m a Pop
M3. ハレンチ
M4. ボイスメモNo.5
M5. Never Grow Up
M6. In The Flames
M7. I cannot go back to you
M8. As Hell
M9. Rainy Friday
M10. call
M11. 東京女子
M12. CHOCOLATE
M13. Angel
M14. 美人
M15. ダリア
■UA
M1. 記憶喪失
M2. お茶
M3. 情熱
M4. スカートの砂
M5. 数え⾜りない夜の⾜⾳
M6. JAPONESIA
M7. Honesty
M8. 閃光
M9. Are U Romantic
M10. AUWA~TIDA
M11. プライベートサーファー
M12. 微熱
EC. 水色
■eill
M1. ここで息をして
M2. FAKE LOVE/
M3.((FULLMOON)) ~ Perfect love ~ プラスティック・ラブ
M4. フィナーレ。
M5. いけないbaby
M6. 花のように
M7. SPOTLIGHT
M8. 20
M9. 23
M10. 踊らせないで
EC. WE ARE
TEXT BY Maiko Murata(ちゃんみな)/Haruki Saito(UA)/Rumi Miyamoto(eill)
PHOTO BY Masanori Naruse(ちゃんみな)/濱田志野(濱は、異体字が正式表記)(UA)/板橋淳一(eill)
『ビルボード・ウィメン・イン・ミュージック』特設サイト
https://www.billboard-japan.com/wim/