■「未だ嘗て感じた事のない世界観で胸がとても熱くなりました」(草なぎ剛)
草なぎ剛(「なぎ」は、弓へんに前+刀が正式表記)が主演する、映画『碁盤斬り』の製作が決定した。同作の監督を務める白石和彌監督にとっては初の時代劇映画となる。古典落語をベースにオリジナル脚本で描く本格時代劇で、京都、関西近郊を中心に撮影が始まる。
白石監督といえば、第42回日本アカデミー賞優秀監督賞受賞の『孤狼の血』、第60回ブルーリボン賞監督賞受賞の『彼女がその名を知らない鳥たち』など映画界で高い評価を受けてきた。そんな白石が、自身初の時代劇の主役にと熱望したのは草なぎ剛。『ミッドナイトスワン』で第44回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞した唯一無二の存在感を放つ草なぎと奇跡のタッグを組む。さらに脚本は加藤正人。『日本沈没』(2006)では草なぎと、香取慎吾主演の『凪待ち』(2019)では白石と組んだ加藤は、それぞれ再タッグとなる。
草なぎ剛が演じるのは、浪人・柳田格之進。“格之進”はいわれのない嫌疑をかけられ藩を離れ、亡き妻の忘れ形見の娘と共に、貧乏長屋で今日の米にも困る暮らしをしている。落ちぶれても武士の誇りを捨てておらず、とりわけ嗜む囲碁にもその実直な人柄が表れ、正々堂々と嘘偽りない勝負を心掛けている。あるきっかけで隠されていた真実が明かされたことにより、娘のために命を賭けた仇討ちを誓う。疑心と陰謀渦巻くなか、愛する者を守り誇り高く生きる武士の尊厳と、親子の情愛を描く軌跡の物語。
「格之進」を演じることになった草なぎは今回、「また新しい世界を見に、フルスロットルで行きたいと思います」と意気込みを見せると同時に「未だ嘗て感じた事のない世界観で胸がとても熱くなりました。古き良き物に宿る色褪せることない魂を演じてみたいです」とこの作品にかける思いを力強く語った。
白石和彌監督も「私にとって初めての時代劇を草なぎ剛さんと共に作れることに興奮しています」と草なぎの快諾を喜ぶ。今回の作品は「本格時代劇」であると同時に普遍的な人間ドラマであると語り、「加藤さんが書いてくれた実直な浪人柳田格之進が選択する未来に、少しだけ今の時代に必要なものが見えた気がしました」と話している。
■草なぎ剛 コメント
未だ嘗て感じた事のない世界観で胸がとても熱くなりました。
古き良き物に宿る色褪せることない魂を演じてみたいです。
白石監督は、慎吾ちゃんと仲良しなので、僕も、仲良くできそうです。
白石監督は僕自身ファンでもあるので、ご一緒できて幸せです。目一杯楽しみます。
また新しい世界を見に、フルスロットルで行きたいと思います!■白石和彌監督 コメント
私にとって初めての時代劇を草なぎ剛さんと共に作れることに興奮しています。ずっと時代劇を作りたかった。その想いがようやく叶います。加藤さんが書いてくれた実直な浪人・柳田格之進が選択する未来に、少しだけ今の時代に必要なものが見えた気がしました。
純度の高い映画の血が流れ続ける京都で、魂を静かに震わせながら作品に向き合います。■加藤正人(脚本) コメント
『碁盤斬り』は、囲碁を巡る人情話として根強い人気のある『柳田格之進』という落語を元にした物語だ。白石和彌監督とは、『凪待ち』(2019)に続いて2度目のコンビとなる。この脚本は、監督とプロデューサーと話し合い、3年半にわたって改訂を重ねて練り上げた。
白石監督は『凪待ち』ではギャンブル依存症という難役の香取慎吾さんを見事に演出しきって素晴らしい作品に仕上げてくれた。今回は草なぎ剛さんに出演してもらえることになった。草なぎさんとは『日本沈没』(2006)以来2度目の仕事となる。初めて会ったのは東宝撮影所だった。草なぎさんは、薄暗いセットの片隅で、ひとり熱心に台本を読み込んでいた。役に打ち込むストイックなたたずまいが神々しかった。今日まで、俳優として大きな賞を受賞し、めざましい活躍を続けているのも当然だ。その草なぎさんが柳田格之進を演じるということで、期待に胸が膨らんでいる。
この脚本は私の代表作だ。必ずやいい作品になると信じている。
映画情報
『碁盤斬り』
主演:草なぎ剛
監督:白石和彌(『孤狼の血』『孤狼の血 LEVEL2』『死刑にいたる病』
脚本:加藤正人(『日本沈没』『凪待ち』)
配給:キノフィルムズ
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