■「皆さまのおかげで20周年イヤーを完走することができました」(元ちとせ)
2002年2月6日、“その声は、100年にひとり”という印象的な言葉とともに、シングル「ワダツミの木」で鮮烈なメジャーデビューを飾った元ちとせが20周年のメモリアルイヤーを完走し、2月6日に満21周年を迎えた。
ここでは、デビュー記念日直前の2月4日、東京・EX THEATER ROPPONGIで開催された20周年イヤーを締めくくる『20th Anniversary Special Live』の模様をレポートする。
なお、より詳しいライブレポートが後日、元ちとせ 20th Anniversary スペシャルサイトに掲載予定。
また、ライブの模様は4月にTBSチャンネル1にてテレビ初独占放送される。ライブ映像の他、故郷であり、現在も生活の拠点としている奄美大島での撮り下ろし映像も加えたスペシャル番組となる。
さらに、新旧の楽曲、ゲストアーティストのコラボ楽曲を織り交ぜ、このライブのためだけに組まれた珠玉のセットリストと、20周年スペシャルサイトで募集したファン投票によって選曲したふたつのプレイリストが公開された。元ちとせのキャリアをバランスよく網羅したライブセットリストと、ファンならではの選曲も織り込まれたベストセレクションをぜひ楽しもう。
■元ちとせ コメント
皆さまのおかげで20周年イヤーを完走することができました。
21年目も感謝の心を忘れず、コトノハを丁寧に届けて行こうと思います。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
【ライブレポート】
元ちとせが2月4日、デビュー20周年のメモリアルイヤーを締めくくるスペシャルライブを東京・EX THEATER ROPPONGIで開催した。
デビュー21周年の記念日(2月6日)の2日前に行われたこのライブには、ゲストとして折坂悠太、山崎まさよし、岡本定義(COIL)も出演。2002年のメジャーデビュー曲「ワダツミの木」から最新アルバム「虹の麓」の楽曲まで、20年のキャリアのなかで生み出された名曲を披露した。
ライブは、三味線の弾き語りによる奄美のシマ唄(民謡)「朝花節」からスタート。バンドメンバー(鈴木正人/Ba、伊藤大地/Dr、石井マサユキ/Gu、ハタヤテツヤ/Key、神田智子/Cho)が加わり、インディーズ時代の楽曲「コトノハ」「精霊」へ。彼女のルーツである故郷、奄美大島の伝統「シマ唄」に根付いたボーカルによって、観客を魅了した。
元は「皆さん、拝(うが)みんしょうらん!」と奄美の方言で挨拶。「今日は20周年イヤーを締めくくるスペシャルライブ。いろんな思い出がありますけれど、集まってくださったみなさんに、元ちとせの歌声を届けたいなと思っています」と語り掛けると、会場から温かい拍手が沸き起こった。
このあとは、「いつか風になる日」「春のかたみ」「六花譚」「あなたがここにいてほしい」で四季の巡りを表現。ステージ後方の大きなスクリーンには曲に合わせて花や海、奄美大島の景色やCG映像などが映し出され、楽曲の世界を彩る。(案)ライブの中盤では、デビュー曲「ワダツミの木」など元ちとせの代表曲を数多く手掛けた上田現(2008年に逝去)の楽曲を集めたコーナーや、昨年7月にリリースされた最新アルバム「虹の麓」のコーナーと、20年の軌跡を実感できるような場面が続いた。
さらに元と交流のあるアーティストがゲストとして登場。まずは同じ音楽事務所・オフィスオーガスタ所属の岡本定義(COIL)と「青のレクイエム」(作詞・作曲:岡本定義/映画「初恋」主題歌)をセッション。「(元のカバーアルバム)『平和元年』に収録されたこの曲に衝撃を受けました」という折坂悠太とは、「腰まで泥まみれ」(原曲はピート・シンガーによる反戦歌)、続いて最新アルバム収録の折坂の提供曲「暁の鐘」をコラボレーションした。
最後のゲストは、こちらもオフィスオーガスタの先輩で元が親しみを込めて“兄さん”と呼ぶ山崎まさよし。DIYが得意な山崎にリクエストし、この日のために一緒に製作したという三味線スタンドも披露された(製作の模様は山崎のYouTubeで公開中)。
そんな笑いの絶えないMCから一転、元が自分の歌い方をみつけるきっかけとなった「名前のない鳥」を、山崎のアコースティックギターと元の三味線だけというスペシャルバージョンで演奏した。そして、サプライズの大きな花束を抱えた岡本が再びステージに現れると、岡本+山崎のユニット「さだまさよし」作詞・作曲の「やわらかなサイクル」では会場全体が温かい祝福に包まれた。
「これからも一つひとつの曲を大切に、心をこめて届けていきたいと思います。奄美大島のことも含めて、きちんと見つめながら、たくさんの素晴らしいところを伝えていきたいと思っています」という言葉に導かれたのは、「ワダツミの木」。奄美のシマ唄、レゲエ、J-POPが融合した名曲をしなやかに、力強く歌い上げ、ライブ本編は終了した。
アンコールでは「私にとっても大切な曲」という「ひかる・かいがら」、さらに命の連なりの大切さを描いた代表曲「語り継ぐこと」へ。大きな感動のなか、記念すべきライブはエンディングを迎えた。デビュー当時、“その声は、100年にひとり”と称された元ちとせの歌は、今もなお深みを増している。そのことを強く実感できる圧巻のステージだった。
TEXT BY 森朋之
PHOTO BY 福政良治
リリース情報
2022.07.06 ON SALE
ALBUM『虹の麓』
プレイリスト『元ちとせ 20th Anniversary Live』
https://lnk.to/zYjmqi4I
プレイリスト『元ちとせ 20th Anniversary:みんなで作るベストプレイリスト』
https://lnk.to/cT0QyTEn
元ちとせ 20th Anniversary スペシャルサイト
https://www.office-augusta.com/hajime/anniversary/
元ちとせ OFFICIAL SITE
https://www.office-augusta.com/hajime/