「針に糸を通すようなバランス感と、図書館みたいな情報量。感情を音で表現するって、これぐらい緻密なことをしないと成し得ないんだ」(緑黄色社会・小林壱誓)
緑黄色社会の小林壱誓(Gu)が、レコメンドしたい音楽を紹介する『誰だってNeed music』。第40回となる2023年1月1日放送で紹介した楽曲は、the chef cooks me「Ticket is a Love」。
「2003年に下北沢で結成されたバンドthe chef cooks me、サウンドの中心となるのは、シモリョーさんこと下村亮介さん。この曲は2021年に配信リリースされたナンバーです」とバンドと曲を紹介すると、「とてもソウルフルで奥行きがあって、細やかっていう。人生2回目なんじゃないか? ってぐらいの余裕を感じました」と、楽曲を聴いての感想を話した小林。「ブラスアレンジだったり、女性も入ってくるコーラスワークだったり、ボイスエフェクトのちりばめ方とか。それらのさじ加減が、どれも本当に黄金比なんですよね」と、楽曲を分析する。
さらに「体が揺れる音楽ってたくさんあるじゃないですか? だけど、心まで揺れるものってなかなか出会えなくて。この曲を初めて聴いた時は、本当に衝撃を受けました」と絶賛し、「フレージングだけじゃなく、抑揚や、押し付けがましくない音の駆け引きといった、本当に針に糸を通すようなバランス感を持っていて。シモリョーさんの頭の中は図書館みたいな情報量で出来上がってるんじゃないか? って思うと同時に、感情を音で表現するって、これくらい緻密なことをしないと成し得ないんだなっていうのをすごく感じました」と、この曲のすごさを熱く語った。
歌詞に関しては、「作詞は元Awesome City Clubのマツザカタクミさんということで、なんだかとても包容力のある歌詞ですよね」と基本情報を説明すると「この曲の一節で“遠い昔のラブソング/歌い繋いでいくように/愛は紡いでいく感情/ポップソング 電波に乗っていく”というのがあるんですけど。この歌詞を聴いて、僕はなんか幽体離脱したような気持ちになって」と独特な表現で感想を語り、「そんな俯瞰から世界を見ている感覚で、いつの時代もきっと地球全体にある愛の質量ってのは変わらないけど、人それぞれ、持っている愛の形は全く違って、それらが影響し合って、色が変わっていく…っていうような、壮大な映像が浮かんできました」と自らが感じたビジョンを具体的に言葉にした。
最後は「ちなみに僕のこの曲の一番のおすすめポイントなんですけど、本当に曲の最後の最後。タム回しのクレッシェンドでグワッとスパッと終わらせる、あの意外性ですね」とこの曲の聴きどころを挙げ、「曲の全てが伏線になってるんじゃないか? ってぐらい、最後のタム回しに結論が見えるんですよね。これによって、曲が鳴り止んだときの読後感が生まれてるような気がしました」と締めくくった。
『誰だってNeed music』は、J-WAVE(81.3FM)で毎週日曜午後に放送中の『SAISON CARD TOKIO HOT 100』内で、13時30分~、15時25分~(※)放送。毎回1曲ずつ、小林壱誓が自らセレクトしたおすすめ楽曲を紹介。熱量の高いレコメンドで、楽曲の新たな魅力を伝えていく。
『THE FIRST TIMES』では、放送しきれなかった小林の言葉もノーカットで紹介。radikoでは、放送後から1週間、視聴可能となっている。
『誰だってNeed music』プレイリスト
『誰だってNeed music』概要
1月1日(日)放送
毎週日曜13:30~、15:25~放送
※放送時間は毎週入替
※J-WAVE『SAISON CARD TOKIO HOT 100』内で毎週放送される120秒の長尺CM企画。
緑黄色社会 OFFICIAL SITE
https://www.ryokushaka.com/
the chef cooks me OFFICIAL SITE
http://thechefcooksme.com