■「来年もまたこうやって、笑顔で、みなさんとお誕生日をお祝いできたらいいなと思います」(滝川みう)
22/7が、グループ結成記念日の12月24日に6周年を祝うキャラクター単独配信ライブを開催した。
新メンバーを含む14人体制でのキャラクターライブは、今回が初。冠番組『22/7 計算中』などで活躍するキャラクターたちが、バラエティに富んだユニット曲やメンバープロデュースによる紅白チーム曲を通して渾身のパフォーマンスを繰り広げ、さらなる魅力を開花。2023年1月11日発売の10thシングル「神様だって決められない」への期待を、いっそう高いものとした。
ここでは生ライブならではのハプニングも特別な思い出となった、第2部の模様をレポートする。
なお、本公演で披露された10thシングル表題曲「神様だって決められない」のパフォーマンス映像が、22/7オフィシャルYoutubeチャンネルで公開されている。こちらもぜひチェックしてみよう。
【ライブレポート】
暗闇のなか、白い息を吐きながらあらわれたのは滝川みう。そこに先輩メンバーたちが続き、気心の知れたやりとりを繰り広げる。新メンバー8人が加わり、今では14人の大所帯。フレッシュな後輩たちのおかげで自分たちも変われた気がする。きっと来年も、いや明日にも何かが変わっているはず……。だから、今日のライブでは「今しかない私たち」を見てもらおう。
一方、瀬良穂乃花ら後輩メンバーたちは、降り始めた雪のなかをはしゃぎまわる。もちろん初めてのライブへの緊張もあるが、先輩たちがくれた「自由にのびのび動いて欲しい。それが、新しい風を起こすから」という言葉を思い出し、甘えるところは甘え、あとは練習の成果を出すだけだと励まし合うのだった。
そんな、それぞれの思いを抱いて踏み出すステージに「Overture」が流れ出す。華やか電飾のもと明らかになった会場にはセンターステージが設けられ、それを覆うスノードームのような円形のシールドが消滅すると、そびえ立つ巨大なクリスマスツリーとともに14人のメンバーが姿をあらわした。ステージを取り囲むペンライトの海が、この夜のどんなイルミネーションにも負けない輝きで波打つ。
暑い夏の日を彷彿とさせる「ポニーテールは振り向かせない」から始まる幕開けに意表を突かれたが、全景もアップも自在に映し出す臨場感溢れるカメラが、天井から14人のフォーメーションがハートの形を描いているのを捉えたとき、まさにこのパフォーマンスこそが、彼女たちが愛しい人たちへ聖夜に届ける“告白”そのものなのだと理解した。
クラウチングスタートで走り出す躍動的な脚さばきも見事な「覚醒」、さらに第1部では藤間桜のソロだった見せ場を氷室みず姫とのダブル乱舞で魅せた「僕らの環境」へと、ナナニジファンにはお馴染みの楽曲がキャラクターたちの魅力とともに新鮮な驚きをまとい放たれていく。
段取りを間違えて動揺した神木みかみが「うちが疲れてるんですけど…疲れたあなたにみかみんパワー♪」と言って笑わせるなど、個々の口上も愛らしい自己紹介に続き、ユニットコーナーへ。キャラクターのタイプ別に編成された3組が、その個性を爆発させていく。
全員が新メンバーとなるハッピータイプの「晴れた日のベンチ」は、ナナニジ史に残るセンセーションを巻き起こした「半チャーハン」で、大騒ぎ。客席のペンライトもメンバーの振りを真似して動き、会場一体となって盛り上がる一方、クールかつダイナミックな振りで圧倒する「君は誰だ?」で同じユニットとは思えない振り幅を感じさせる。小柄で目を引く永峰楓のダンスはパワフル。桐生塔子の真剣味、全体のレベルを上げる西浦そら、センターに立つメンバーによっても、ただ元気なだけではない魅力を放つところに惹きつけられる。MCでは、とある振り付けの元ネタだと言って某国民的アニメのキャラクターの声マネを全員でするノリの良さでも笑わせた。
マイペース揃いなゆるふわタイプの「気の抜けたサイダー」による「ソフトクリーム落としちゃった」の「ふーわふわ♪」なパフォーマンスに魅了されるうち、白銀のステージが甘くて冷たいソフトクリームに見えてくるから不思議だ。
そして「カントリーガール」では、巨大なプレゼントボックスのなかから登場…するはずだったのだが、2部では箱をつきやぶるメンバーがいたり、隠れている姿が丸見えだったりとライブならではのハプニングが発生。だがそれも、このメンバーだからこそのユーモアを持って明るく思い出に刻まれる。
セクシータイプの「蛍光灯再生計画」は「タトゥー・ラブ」で、しなやかな指先に蠱惑的な歌声を重ね、イブの夜を艶やかに染め上げる。氷室みず姫のダンスのキレと芯のあるボーカルが際立ち、斉藤ニコルがセンターに立つと全体が凛とする。「読みかけの漫画」も、彼女たちの手に掛かるとそのタイトルからは想像もつかないほど大人の曲に仕上がるのだった。曲中では先輩に負けじとセクシーに魅了した一之瀬蛍がMCではのほほんとしたコメントで見せるギャップも微笑ましい。
1部から自分だけ他のメンバーのような変わった登場の仕方をしていないことへの不満を漏らしていた丸山あかねの前で、プレゼントボックスから登場した藤間桜が「私はやっぱりみんなにとってのプレゼントだったなと思えてうれしかったです」と口を滑らせ、氷つくメンバーたち。「私はプレゼントではないと? 今すぐ楽屋へ行きますか」とすごむ丸山。
さらに『計算中』で繰り広げられる斎藤ニコルと八神叶愛の因縁関係にも飛び火してしまう。藤間は「みんなバチバチに喧嘩できるくらい仲良くなったので、来年はもっともっと楽屋でいろんなことをしていきたいと思います」と笑わせ、バラエティ番組を通して育まれた絶妙なチームワークを伺わせた。
「後輩みんなに負けないくらい輝いて、みんなでお月さまのようになりたいです!」という藤間の願いを叶えたのはサンタクロースではなく、仲間たち。「君はMoon」では、密かにじゃんけんをしているメンバーがいたり、メンバーに向けて投げキスをしていたり、微笑ましいやりとりが盛りだくさんで目が足りない。互いに交わし合う笑顔が、何よりも彼女たちを輝かせる。
そして、スモークによる演出がドラマチックだった「曇り空の向こうは晴れている」。ひとり一人の繊細な表情が楽曲に紡がれた苦悩を伝え、一瞬の暗転を経て、陽の光が差し込んで様変わりするステージにも驚かされた。
会場に鳴り響く手拍子と配信を見守るチャットの声がひとつになり、迎えたアンコールステージ。そこに用意されていたのは、ナナニジの年末恒例企画ともなっているメンバープロデュースの紅白曲だった。
2部では、まず2021年の紅白曲を披露。先ほどの丸山の不満を急遽聞き入れたのか、なんと彼女の属する白組がせり上がりで登場しエッジの効いたパフォーマンス。「ヘッドフォンを外せ!」を披露した。さらに会場に雪を降らせる演出のもと、今度は紅組が「今年 初めての雪」をキュートに歌い上げたのだった。
そして今年は椎名桜月プロデュースのテーマが採択され、またもやナナニジにありそうでなかったあらたなイメージの楽曲が誕生することとなった。「零度のダンスポップ」をテーマとした白組「最後のピアノ」(斎藤ニコル、瀬良穂乃花、滝川みう、西浦そら、氷室みず姫、藤間桜、丸山あかね)は、ナナニジ最強のダンスナンバーとの呼び声も高い。メロディアスに転調していくエレクトロニック・ダンスミュージックに乗せて歌われる、終焉を迎える世界への嘆きが、物語性豊かに想像力を掻き立てていく。
対する紅組は「秋色スクールデイズ」をテーマとする「ハレロ」(一之瀬蛍、織原純佳、神木みかみ、桐生塔子、立川絢香、永峰楓、八神叶愛)。力強くも清らかなピアノのイントロに始まり、天や大地へと思いを馳せる壮大な楽曲で、雨粒が落ちるがごとくメンバーたちの歌声が波紋を描き出すステージが美しい。織原純佳が唱える「ハレロ」が神秘的に響けば、また立川絢香の「ハレロ」の純粋さにも癒やされた。
「去年は寂しい思いをすることも多かったけど、去年の今頃は画面の向こうで見てくれていた8人と今こうやって同じ舞台に立てていることがすごくうれしいです。来年もまたこうやって、笑顔で、みなさんとお誕生日をお祝いできたらいいなと思います。今年もありがとうございました、来年も22/7をよろしくお願いします!」(滝川)
そんな滝川の弾む声に胸が熱くなるなか、最後に歌われたのは、先ごろ公開されたMVも注目を集めている10thシングル表題曲「神様だって決められない」。「空が何色か知っているかい?」。ナナニジの楽曲を語るうえで欠かせない“空”と“色”を擁し、運命を手繰り寄せる振りも頼もしい、14人で踏み出した今を象徴する楽曲だ。再び、会場に雪が降ってきた。画面越しにも伝わるその冷たさとともに、なおいっそう彼女たちのぬくもりが感じられる。
魔法のような演出とリアルなパフォーマンスが織りなす、奇跡のステージ。昨年のキャラクターライブよりさらに進化し、リアルメンバーとキャラクターが二人三脚で活動するナナニジが目指す飽あくなき挑戦の道をも指し示す、意義深いBirthday Liveだった。
リアルメンバーにおいては、2023年1月から、後輩メンバーたちが、かつて先輩メンバーたちも挑戦した定期公演『ナナニジライブ 2023』を行うことが発表されている。さらなる躍進の年となることは、間違いないだろう。
TEXT BY キツカワトモ
写真提供:ソニー・ミュージックレーベルズ
<セットリスト>
■第1部
-Overture-
01. ポニーテールは振り向かせない
02. 覚醒
03. 僕らの環境
04. 交換条件/蛍光灯再生計画
05. To goでよろしく!/晴れた日のベンチ
06. 好きになるのは自由だし…/気の抜けたサイダー
07. 読みかけの漫画/蛍光灯再生計画
08. 君は誰だ?/蛍光灯再生計画
09. カントリーガール/気の抜けたサイダー
10. 君はMoon
11. 曇り空の向こうは晴れている
[ENCORE]
11. 雷鳴のDelay (22/7 紅組)
12. キウイの主張 (22/7 白組)
13. ハレロ (22/7 紅組)
14. 最後のピアノ (22/7 白組)
15. 神様だって決められない
■第2部
-Overture-
01. ポニーテールは振り向かせない
02. 覚醒
03. 僕らの環境
04. 半チャーハン/晴れた日のベンチ
05. ソフトクリーム落としちゃった/気の抜けたサイダー
06. タトゥー・ラブ/蛍光灯再生計画
07. 君は誰だ?/晴れた日のベンチ
8. カントリーガール/気の抜けたサイダー
09. 読みかけの漫画/蛍光灯再生計画
10. 君はMoon
11. 曇り空の向こうは晴れている
[ENCORE]
12. ヘッドフォンを外せ! (22/7 白組)
13. 今年 初めての雪 (22/7 紅組)
14. 最後のピアノ (22/7 白組)
15. ハレロ (22/7 紅組)
16. 神様だって決められない
リリース情報
2023.01.11 ON SALE
SINGLE「神様だって決められない」
22/7 OFFICIAL SITE
http://www.nanabunnonijyuuni.com/