■「難民移民の人々を僕たちがどう受け止めて共存していくのか、色々考えるきっかけにもなる作品」(MIYAVI)
2023年1月6日より新宿ピカデリーほか全国公開となる役所広司主演映画『ファミリア』で、半グレ集団のリーダー・榎本海斗を演じたMIYAVIよりコメントが到着。併せて、場面写真とメイキング写真も解禁された。
この映画は、主人公・誠治と、誠治の息子・学、そしてマルコスらブラジル人の若者たちが、国籍や育った環境、話す言葉などさまざまな違いを超え、広い世界の中でめぐり逢ったことを奇跡と感じて家族を作ろうとする姿が描かれたヒューマンドラマ。
ある出来事をきっかけにブラジル人を憎む半グレのリーダー、榎本海斗役を演じたのは、サムライギタリストとして国内のみならず世界中から高い評価を得ているミュージシャンのMIYAVI。音楽活動以外に『BLEACH 死神代行篇』(18)、『ヘルドッグス』(22)といった話題作や、『不屈の男 アンブロークン』(16)、『マレフィセント2』(19)等、ハリウッド映画にも多数出演。アンジェリーナ・ジョリーとの交流をきっかけに、彼女が特別大使を務めるUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の活動に取り組み、2017年に日本人として初めて親善大使に就任。世界中で難民支援活動を行っている。
脚本を読んだ感想を聞かれたMIYAVIは、「UNHCRの親善大使として、これまでタイ、コロンビア、レバノン、ケニア等の難民キャンプに訪れました。日本にも難民として来られた方々が身近に存在していることを今まで訴えてきましたが、まだそこまで認識が高くないのが現実です。僕が演じさせてもらった海斗は、難民・移民のブラジルの方に対する憎悪を原動力として生きている。親善大使としての活動と相反する役柄なので、自分が演じるのはどうなのだろう? と当初は思いました」と振り返る。
監督と役柄について話した際に、「彼らを闇雲にいじめるのではなく、何か一つ彼がそうなってしまった理由が欲しい」と伝え、辛い過去を消化しきれない設定となったようだ。「世界には、他者を受け入れない排他的な力が働き、それぞれの正義のために争わざるを得ない側面があるのかもしれません。ただ一方で、違う国から来た方々をサポートする人達も勿論います。作品を通して、その両側面をみせるのは物凄く意義のあることだと考えました。それから、役所さんとの共演も、出演する決め手の一つでした。ずっとファンだったので共演できて本当に光栄です」と出演の経緯を明かした。
今回が初共演となる役所広司について、「ご本人にも言わせてもらいましたが、役所さんは日本のモーガン・フリーマンですね。自然体で演技に説得力があり、一言に重みがある。今回、ご一緒しながらも強く感じました。僕はミュージシャンとして色んな人とのセッションや、観客に向けて音を届けてエナジーのやり取りをしていますが、演技も一緒だと思います。台詞やリアクションすべてのやり取りによって、役所さんから沢山のものをいただき、僕も返せたのではないでしょうか。非常に勉強になりました」とコメント。
最後に本作の見どころを聞かれると、「社会や世界がどんどん分裂分断化していく今、本当の繋がりとは何か。映画の中で繰り広げられるストーリーを通じて、血の繋がりだけじゃない“人の絆”の大切さを感じられると思います。これから、難民移民の人々を僕たちがどう受け止めて共存していくのか色々考えるきっかけにもなる作品。ぜひ観て頂きたいです」と、熱い想いを述べた。
【ストーリー】
山里に一人暮らす陶器職人の神谷誠治(役所広司)のもとに、アルジェリアに仕事で赴任している学(吉沢亮)が婚約者ナディアを連れて一時帰国。結婚を機に会社を辞め、焼き物を継ぐと宣言した学に誠治は反対する。一方、誠治が住む隣町の団地に住む在日ブラジル人青年のマルコスは半グレに追われたときに助けてくれた誠治に亡き父の面影を重ね、焼き物の仕事に興味を持つ。そんな中、アルジェリアに戻った学とナディアをある悲劇が襲い……。
映画情報
『ファミリア』
2023年1月6日より新宿ピカデリーほか全国公開
監督:成島出
役所広司
吉沢亮 / サガエルカス ワケドファジレ
中原丈雄 室井滋 アリまらい果 シマダアラン スミダグスタボ
松重豊 / MIYAVI
佐藤浩市
製作委員会:木下グループ フェローズ ディグ&フェローズ 制作プロダクション:ディグ&フェローズ 配給:キノフィルムズ
(C)2022「ファミリア」製作委員会 映倫:PG12
作品サイト
familiar-movie.jp