■「ファンのいない現場、ライブはマジ辛い! あなたたちが最高なんです。大好きです」(水曜日のカンパネラ・詩羽)
水曜日のカンパネラが12月7日、『RELEASE PARTY〜LET’S PARTY3〜supported by JBL』を東京・渋谷CLUB QUATTROにて開催した。
2021年9月より、2代目ボーカリストの詩羽を中心に、サウンドプロデューサーのケンモチヒデフミ、何でも屋のDir.Fと3人で活動している水曜日のカンパネラ。本イベントは10月19日にリリースしたデジタルシングル「ティンカーベル / 鍋奉行」のリリースパーティーで、東京公演を皮切りに、広島、愛知、大阪と12月14日まで全4都市を巡っていく。
ツアーの幕開けとなった渋谷CLUB QUATTROは平日夜にも関わらず超満員。観客の熱気と期待が高まる中、19時になるとケンモチヒデフミがステージに登場。「RELEASE PARTYというタイトルにちなみ、ディープハウスやエレクトロなどのダンスミュージックのセットを中心に約15分間DJを行い、観客たちの体を揺らした。
転換の時間を経て、19時30分になると暗転。観客たちの拍手の中「みなさん、こんばんは。水曜日のカンパネラの詩羽です! 今日は後ろからスタートです。ちっちゃいけど、みつけてね!」と客席後方から詩羽が登場。大きな歓声と、緑のレーザーが暗闇で輝くなか、客席を練り歩きがら「ティンカーベル」を歌いステージに到着。オレンジをベースにしたオリエンタルな妖精のような衣装を身に纏った詩羽は、新生水カンはじまりの楽曲「アリス」を爽快に歌い会場をさらに盛り上げた。
2曲を歌い終え挨拶した後に水分補給を始めると、歓声のサンプリング音声が流れ、どよめく観客たち。「水を飲むとき静かになるから、盛り上げてくださいってケンモチさんに無茶振りをしたら、この歓声をつけてくれました」と詩羽は笑いながら解説した。さらに声出しOK公演ということも伝え、無理のないようにそれぞれ自由に楽しんでくださいと観客にアナウンスした。
そのまま次の楽曲「ディアブロ」の振り付けを観客たちと練習し、「みんなに楽しんでほしいし、今日は自分のペースで楽しんでいってほしい」とお風呂をモチーフにした同楽曲で一体感を生んでいく。リズムが特徴的な「バッキンガム」、大きな手拍子とともに始まった「卑弥呼」を披露すると、再び詩羽は客席を練り歩き後方に設置された脚立に乗り、観客たちのスマホと拳が上がる中で力強く「モヤイ」を歌い上げる。
同曲を歌い終えたのちステージに戻った詩羽は、「客席もあっちい!」と会場の熱気を伝え、デビューから本日に至るまでを回想。「約1年半の間活動してきて、めちゃ楽しいし、同時に大変だったり難しいなと思ったこともたくさんあって。好きだからなんでもやっていいわけではないし、みんな自分が好きな人たちに思いやりを持ってほしいと思った1年でした。今日めっちゃ言いたいことがあって。ファンのいない現場、ライブはマジ辛い! あなたたちが最高なんです。大好きですっていうのを伝えたい。あなたたちが必要だってみんなにわかってもらえたらなと思います。みなさんと一緒に新しくなった水曜日のカンパネラ、改めてどんどん成長していけたらと思います。自分の会いに来れるタイミングで、また足を運んで愛を伝えていただけたら嬉しいです。これからもよろしくお願いします」
そして、詩羽体制の水曜日のカンパネラを広く世に広めた「エジソン」へ。なんと冒頭のパートをアカペラで大切に歌い始め、『THE FIRST TAKE』で披露したアレンジでの「エジソン」を歌唱。続けて、疾走感のあるウワモノと多様なリズムかつロック調の「鍋奉行」をパフォーマンスすると、白い布団を持ったオオカミがステージに登場。童話をモチーフに水カン流のユーモラスさを加えた歌詞の新曲を初披露した。観客たちは初めて聴く楽曲に聴き入ると同時に、詩羽とオオカミのやり取りに固唾を呑んだ。最後にオオカミの布団の裏側が見え渋谷という文字が書かれているサプライズも客席を沸かせた。
MCでは、今回のイベント協賛であるJBLのプレゼント企画や、先日公開された『THE FIRST TAKE』での音源「エジソン – From THE FIRST TAKE」が12月9日にリリースされることの発表、新グッズの告知などを行うと、次の楽曲が「一寸法師」のスペシャルver.であることを詩羽が宣言。新しい試みとして、歌詞に登場するアイドルグループ「一寸ボーイ」を客席から募集し、ステージで一緒に踊るという。たくさんの立候補の手の中から4人を詩羽が選び、ステージ中央でメンバーたちと共にしゃがんで作戦会議。楽曲が始まると、打出の小を持った4人とともに「一寸法師」をパフォーマンス。即席グループとは思えない大きな盛り上がりを見せた。
そのままライブは終盤へ。初期水カンの代表曲「桃太郎」のイントロが流れ1番を歌い終えると、コムアイ時代の水カンから受け継がれたウォーターボールの中に詩羽が入り客席の上を転がりパフォーマンス。観客たちの度肝を抜くとともに、さらなる熱狂を生んだ。そして最後は、新生水曜日のカンパネラお馴染みのラストソング「招き猫」へ。ステージには風船型の巨大招き猫が登場し、観客たちも一緒に手で招くジェスチャーをし、さらなる一体感に包まれる中、エンターテインメントに満ちたライブは幕を閉じた。最後も詩羽は「BIGLOVE、じゃあね!」と愛を伝え、とびっきりの笑顔とともにステージを後にした。
PHOTO BY 横山マサト
リリース情報
2022.12.09 ON SALE
DIGITAL SINGLE「エジソン – From THE FIRST TAKE」
水曜日のカンパネラ OFFICIAL SITE
http://www.wed-camp.com/