■「ライブは特別で、ステージに立って直接みなさんに歌を届けることが原点であり、これからも続けていきたいなと思っています」(miwa)
miwaの2022年を締めくくる『miwa Billboard Live Tour 2022 “miwa CLASSIC Ⅱ”』が12月3日の東京公演をもってツアーファイナルを迎えた。
2021年に続き開催されたBillboard Live Tour。ツアータイトル『miwa Billboard Live Tour 2022 “miwa CLASSIC Ⅱ”』のとおり、通常のライブとは編成が全く異なる、ピアノ・アコースティックギター・ヴァイオリン・チェロという編成で開催された。
そして、横浜、大阪、東京を巡ったツアーファイナルの12月3日東京公演2nd ステージでは、2023年2月8日にEP『バレンタインが今年もやってくる』のリリースが発表された。
ビルボードライブという会場ならではの光景である、開演を前に食事を楽しむ会場にはゆったりとした空気が流れている。開演時間になり、全体に花があしらわれた清潔感のある華やかな衣装に身を包んだmiwaがゆっくりとオンステージ。
そして、会場全体が静かに見守るなか、miwa、eji(ピアノ)、村岡苑子(チェロ)の3人で演奏される「片想い」からライブは幕を開けた。
10年前の2012年リリースでありながら今の若い世代にも人気を誇るこの楽曲を、ビルボードライブという上質な空間でmiwaはしっとりと歌い上げる。ビルボードライブでしか見られないであろうピアノとチェロでの編成での「片想い」の特別なパフォーマンス。横浜・大阪と巡ってきたこのツアーで得たであろうものを丁寧に表現していく。ツアーファイナルが成功するという確信を持たせてくれる1曲目だった。
村岡苑子が一度ステージから降り、miwaのライブには欠かすことができないギタリスト オバタコウジ がステージへ。
「こんばんは、miwaです。ビルボードライブ東京へようこそ、皆さん楽しんでますか?」と会場に詰め掛けたファンに語り掛ける。観客ひとりひとりと目線を合わせながら言葉を紡いでいく。
「ゆっくりと生演奏を楽しんでいっていただけたらと思います。今日はよろしくお願いします。」と挨拶を締め、miwa、eji、オバタコウジのお馴染みの3人で披露した楽曲は、映画『君と100回目の恋』劇中歌「アイオクリ」。
男性歌唱パートはオバタコウジが担当し、長年ライブを共にしてきたふたりの息の合った歌にぐっと心が掴まれる。
続けて「ONENESS」を力強く歌い上げ、miwaの歌に合わせて観客は腕を振り、会場に一体感が生まれていく。miwaの圧倒的な歌声に会場が引き込まれていく空気を感じた。
ここでヴァイオリンの須原杏、再びチェロの村岡苑子が加わり、今回のツアーを共にしてきたバンドメンバーが全員ステージに上がる。
いつものライブでは観客を盛り上げて楽しませるMCも魅力のひとつであるmiwaが、バンドメンバーとのトークを交えながら会場の雰囲気に合わせつつMCを広げていく。本公演は生配信も行われており、生配信を見ているファンへもメッセージを忘れない。バンドメンバーひとりひとりとトークをしながら丁寧にメンバーを紹介していく。
「次はみんなが楽しめるメドレーを用意しました。会場の皆さんも生配信の皆さんも盛り上がっていきましょう!」と、昨年のビルボードツアーでもセットリストに含まれていたメドレーの2022年ver.、“みんなでお楽しみメドレー2022”をスタート。
miwaの手拍子の合図に合わせて会場も手拍子で応え「It’s you!」からメドレーが始まり、「ミラクル」、「シャイニー」、「君に出会えたから」と人気曲を続けて披露。ステージ上を端から端まで歩きながら、観客ひとりひとりと目を合わせていく姿が印象的だった。
美味しいところの詰め合わせのようなテンポのよいメドレーで会場の一体感が増していく。メドレーが終わっても会場の目はステージ上のmiwaに釘付け。その雰囲気のまま、今年の2月にリリースされた約5年ぶりのアルバム『Sparkle』に収録されている「Aye」を披露。
「Aye」は今回のビルボードライブツアー初日に初めてライブで披露された楽曲でありながら、堂々と歌い切る。
さらに、シングル「fighting-φ-girls」のカップリングでファンの人気が高い名曲「空の彼方」を歌い上げる。
MCに入ってもいつものmiwaらしく、ここまで演奏してきた楽曲についてメンバーと振り返ったりしながら心地よいトークを展開していく。観客との距離が近いこともあり、観客の反応を見ながらコミュニケーションをとりながら和やかにトークは進んでいく。
「ここからは冬らしく、ビルボードライブらしくバラードを歌おうと思います。少し日常を忘れていただいて、大切な思い出や大切な人を重ねながら聞いてください」と始めた楽曲は「またね」。
イントロがスタートするやいなや、ビルボードライブ東京ならではのステージバックのカーテンが開いていき、miwaの後ろに東京の夜景が広がる。
夜景を背負ったmiwaの歌をゆっくり聴けるという、目でも耳でも贅沢にmiwaのライブを楽しめる空間に。そして、今日のシチュエーションにぴったりの楽曲「月食 ~winter moon~」をしっとりと、会場に詰め掛けた観客にひと言ひと言を丁寧に届けた。
「みなさん、今日はビルボードライブ最終日に来てくださって本当にありがとうございました」と感謝を伝え、「今年はSparkleというアルバムを出してツアーをやったり、初めてEPを出したりして、少しずつ活動ができてきたかなと思います。私にとって、ライブは特別で、ステージに立って直接みなさんに歌を届けることが原点であり、これからも続けていきたいなと思っています。最後の曲は、みなさんの心が少しでも照らされますように心を込めて歌います。」
本編ラストの曲は、miwaの代表曲「ヒカリヘ」。会場の視線がステージにだけ向けられ、miwaの歌声をひとつも聞き逃すまいという気持ちが伝わってくる。そんな会場の気持ちに応えるかのように、miwaも思いのこもったパフォーマンスで歌い切った。
本編が終了し、miwaが退場すると、会場にはアンコールを期待する手拍子が心地よく響き渡る。
アンコールの手拍子に誘われて、再度ステージにmiwaが登場。
再びステージにあがったmiwaはグッズ紹介をしつつ、次の曲は写真撮影OKでなかなか聞く機会のないクリスマスソング「サンタが町にやってくる」をサプライズで披露。
まさにmiwaからの少し早いクリスマスプレゼントに観客も笑顔がこぼれる。さらに、miwaからファンへ嬉しいお知らせが。「大事なお知らせがあります。来年2月8日にバレンタインEPを出します! タイトルは『バレンタインが今年もやってくる』です。楽しみにしていてください!」と新しいEPのリリースを発表。
会場からは盛大な拍手が沸き起こる。「それでは最後になりますが、今日は皆さん本当にきてくださってありがとうございました。明日からもひとりひとりが自分らしく輝いていけますように、心を込めて歌います」と最後の挨拶を締める。
本公演、そして本ツアーのラストを飾る曲は「Sparkle」。今年2022年、大事な場面で必ず歌われてきた楽曲である。
5年ぶりのアルバムリリースからツアー、海外公演、大型フェスなどをともに過ごしてきた今年のmiwaを表す1曲を、大切に力強くステージで歌い上げる。「Sparkle」という楽曲との歩みで得たものを全て余すところなく表現するようなパフォーマンスに胸を打たれた。
最後に「どうもありがとうございました。メンバーに大きな拍手を! そして、お集まりくださった皆さん、画面の向こうの皆さんも本当にありがとうございました! また会いましょう、miwaでした!」と残し、ステージを後にしたmiwa。
会場にこれ以上ない充足感と満足感にあふれた空気を残したまま、本公演miwa Billboard Live Tour 2022 “miwa CLASSIC Ⅱ”は終幕となった。
【セットリスト】
01. 片想い
02. アイオクリ
03. ONENESS
04. みんなでお楽しみメドレー2022(It’s you! ~ ミラクル ~ シャイニー ~ 君に出会えたから)
05. Aye
06. 空の彼方
07. またね
08. 月食 ~winter moon~
09. ヒカリヘ
EN1. Sparkle
PHOTO BY 佐藤 薫
リリース情報
2023.02.08 ON SALE
EP『バレンタインが今年もやってくる』
miwa OFFICIAL SITE
https://www.miwa-web.com/