■「この映画に音楽がなかったとしたら観客は何を受け取ったのか、何を受け取っていい映画なのか整理がつかなかったかもしれない」(監督・新海誠)
11月11日に公開となった、日本各地の廃墟を舞台に、災いの元となる“扉”を閉めていく旅をする少女・すずめの解放と成長を描く冒険物語でもある『すずめの戸締まり』。その音楽について新海誠監督、野田洋次郎(RADWIMPS)、陣内一真が語った。
公開から11日間で観客動員数300万人、興行収入43億円を突破。圧倒的な映像美と豪華キャスト陣の熱演、目を見張るほどのアクションシーンなど、見どころにあふれている今作を彩るもうひとつの大きな要素、それは「音楽」だ。
新海作品3作連続でタッグを組むRADWIMPSが、世界で活躍する映画音楽作曲家・陣内一真と共作で音楽を担当するという、あらたな座組で生み出された数々の楽曲たち。彼らの紡ぐ音楽を新海監督は「どの映画もそうかもしれませんけど、この映画に音楽がなかったとしたら観客は何を受け取ったのか、何を受け取っていい映画なのか整理がつかなかったかもしれないなと思いました。ポジティブにも取れるし、逆にすごく重いものとしても受け取ってしまうような内容も含んでいるから、僕たちが思っていること–。出来れば世界をこういう風に感じてほしい、ということを音楽が伝えてくれているとは思います」と語っており、全幅の信頼を寄せていた様子。
今作で主題歌「すずめ」を歌ったのはオーディションで見出された十明(とあか)。彼女の魅力的な声について野田は「インタビューで『なんで十明さんの声だったんですか?』って聞かれて思ったんですけど、(オーディションの時に)うまい人はいっぱいいたじゃないですか。こう歌ってと言われたら歌える器用な人もいっぱいいて。でも、十明はどっちかって言うとまったく器用ではなかった。それでも『なんで彼女だったんだろう』って思ったときに、たぶん探してた声って、時代性がない声というか、時代を超える声だったというか。100年前もこの人はたぶん歌ってたんじゃないかな、100年後もこの声がどっかで歌われてるんじゃないかと感じるような声だったんだと思います」と、新時代の歌姫についてコメント。
そして、楽曲制作から本編のダビング作業を経て、陣内は「監督がよく耳に届く音っておっしゃっていたのが印象的で、耳に届くものっていうのは面白い一音だったり、メロディーだったり、そこはコード進行ではなくて、主張のしっかりあるキャラクターになれるものということなんですよね。今までそこまで求められることが自分はなかったので、そういった意味で自分にとってはちょっと今までにない制作っていう感じでした」と語り、今作ならではの制作を振り返った。
世界199の国と地域での公開も決定し、まさに新海誠監督の集大成にして最高傑作となっている本作。映像やストーリーと共に、作品の重要な核を担っている音楽に特化した3人の鼎談全文は映画公式サイトで、映像は映画公式Youtube・東宝MOVIEチャンネルで観ることができる。
リリース情報
2022.10.28 ON SALE
RADWIMPS
DIGITAL SINGLE「カナタハルカ」
2022.11.11 ON SALE
RADWIMPS / 陣内一真
ALBUM『すずめの戸締まり』 ※同名アニメーション映画のサウンドトラック
映画情報
『すずめの戸締まり』
11/11(金)公開
原作・脚本・監督:新海誠
声の出演:原菜乃華、松村北斗 他
(C)2022「すずめの戸締まり」製作委員会
映画『すずめの戸締まり』作品サイト
https://suzume-tojimari-movie.jp/
RADWIMPS OFFICIAL SITE
https://radwimps.jp/