■「ぶっちゃけOWV、キてます」
10月1日、東京・中野サンプラザにて『OWV LIVE TOUR 2022 -STRANGE-』の東京公演が開催された。3都市6公演を巡るツアーの初日。本記事では、第二部の様子をレポートする。
中野サンプラザはOWVにとって縁深い会場だ。2020年12月の初ファンミーティング(無観客のオンライン配信で実施)、2022年2月にはワンマンライブを開催し、思い出がたくさん詰まったステージである。3年目の第一歩となる全国ツアーの初日は、2階席まで超満員。ペンライトとともに、メンバーのうちわや自作グッズを掲げるファンで埋め尽くされていた。
開演時間を迎え、VTRが映し出されると、大量のスモークの中から4人が現れる。メンバーカラーをベースにした衣装に身を包み、「Time Jackerz」からスタート。ダンスに定評があるOWVだが、歌唱メインでのパフォーマンス。これには会場のファンも驚いた様子だった。そのまま特効の炎をバックに、中川を軸としたラップが印象的なナンバー「Slam Dog」、そしてデビュー曲「UBA UBA」を披露。中川は曲振りの段階から、流暢な英語でフロアを煽っていた。
「PARTY」のイントロが流れると、クールな曲が続いて、すまし顔だったメンバーがパッと明るい笑顔に。
「今日は本当に楽しい1日を、オンラインの皆さん、会場の皆さん全員で作りましょう! よろしくお願いします」(本田)
「皆さん、会いたかったですか?(拍手を受けて)ありがとうございます。僕も会いたかったです!」(中川)
「皆さん、すごく会いたかったです。元気でしたか?」(浦野)
「ツアーは今日からスタートです。ここで皆さんからいただくエネルギーを、最後の最後までプラスしまくって、このツアーを大成功させます!」(佐野)
と、それぞれライブツアーへの意気込みを語った。
会場がすっかりあたたまったところで、「Warai Mirai Fes 2022」「イナズマロック フェス2022」などのステージを盛り上げた定番曲「PARTY」へ。客席のQWVもリズムに合わせて器用にペンライトを揺らす。
VTRが流れたあとは、カジュアルな衣装にチェンジ。「twilight」「Alright」、そしてOWVの新しい表情を開拓した人気シングル曲「You」「Fifth Season」とスロウなナンバーを連続パフォーマンス。
歌を軸にした「聴かせる」ステージ構成で、それぞれ堂々としたソロ歌唱で会場を魅了した。本田・佐野ももはや「デビュー直前まで歌が未経験だった」という前提が不要なほど。そんな2人を、OWVの要となる浦野の高音と中川の美声が後押しする。3年目の貫禄が出てきたメンバーに、会場のファンもペンライトをゆったりと振りながら聴き入っていた。
メンバーがハケると、会場中央のモニターにVTRが映し出される。「過去の自分と向き合うクイズ」として「2020年9月の取材で、それぞれなんと答えていたか?」のクイズがスタート。デビュー当時、中川は「高校時代のキャラは?」の質問に「周りで笑っているタイプ」と回答していた。「自分がボケに行くんじゃなくて、誰かがボケているのを見て笑ってる」と補足しながら笑顔。今のOWV内での立ち位置と同じで、自然体でゆったりしていることがわかった。
「高校時代、ぶっちゃけモテた?」という質問には「モテた」と答えていた本田、「モテたかもしれない」と含みを持たせた回答をした中川、「全然です」と返した佐野、「少し」と返した浦野、それぞれイジりイジられながらも、お互いの昔の言動を覚えている絆の強さを見せた。
衣装チェンジしたメンバーが再び現れ、ここからはOWVらしいダンスナンバーを連続で歌い踊る。低音が印象的な「Sound the Alarm」、アッパーチューン「My flow」「Bling Bling」で客席を煽り、額の汗がはっきりと見えるくらいに踊りまくった。
ここでステージが暗転すると、佐野がステージを独り占めしてソロダンス。続いて前方に本田が現れ、フロアを使ったダンスを披露。そして2人のダンスバトルコーナーへ。ストリートダンス育ちの佐野と、専門学校でダンスを学んだ本田の対照的なダンスがそれぞれの持ち味を発揮していた。続いて「BE ON TOP」を中川・浦野がしっかりと歌い上げると、1stアルバム表題曲にもなった攻めのナンバー「CHASER」を4人揃って歌唱。
クールな曲で暗めだった照明が、ここでパッと明るくなり「まだまだ皆さん盛り上がっていきましょう!」という本田の掛け声で客席もヒートアップ。大きな拍手の中で「What you waitin’ for」へ。先ほどのダンスソロで気分も高揚したのか、佐野が踏むステップもいつもよりさらに豪快だった。
「いい盛り上がりでした! 今日は声が出せないですけど、心でトークしましょう!」という浦野の曲振りから「TALK TALK TALK」へ。ステージ中央のビジョンには、本日の公演前に中野サンプラザに集まったQWVの姿が映し出される。本田と浦野がカメラに向かってハートサインを送ったり、佐野が中川をおんぶしたりするなど、メンバーも戯れ合う。3年目を一緒に迎えられたQWVへのファンサービスが色濃く見られた。
ここからはMCタイム。VTR以外、トークを削ぎ落とし、歌とダンスをメインで組んでいた本公演。浦野によると「曲を詰め込みたい一心でやっていたら、MCがここになってました」とのこと。「いやだ、まだ終わりたくない!」とステージに寝そべってだだをこねる本田は、「2歳のイヤイヤ期ですね」と突っ込まれていた。
「天候にも恵まれて、快晴です。いい初日を迎えられました」と得意げな浦野。佐野からは楽屋で浦野家の手作りおにぎりが差し入れされたエピソードが語られ、「なんと、足で握ったそうです!」と、ボケていた。
グッズ紹介コーナーでは、ファンの間でも「ヴィジュ(アル)がいい」と反応が多かった浦野のうちわが話題に。変顔をしながらおどける浦野本人と比較して「別人やん!」といじられるシーンも。これには浦野のうちわを掲げていた「秀太推し」ファンも堪えきれずニヤリ。浦野自身もツッコミながら、「カメラマンさんも、僕が喋ってるのにずっと文哉ばっかり撮ってるし〜」と笑う。
しばらくして、いったん舞台袖に隠れた浦野は、全身にうちわをつけた状態で「うちわマン」として登場。一発ギャグを披露したが、なんとも言えない中途半端なボケに、カメラマンが浦野からピントを外してしまう。「ボケてる! ボケてる!」と本田がツッコみ、無事にオチがついた。これには会場もスタッフも爆笑。なにかとネタにされがちな浦野だが、いつも場の空気を読みながらOWVの歌とトークを牽引するムードメーカーだからこそ。トークでも「秀太に振れば安心」というメンバーの信頼関係が見えた。
トークでは、11月2日発売の7thシングル「Let Go」についても、改めて告知があった。「新ビジュ、好みだった人〜!」という浦野の呼びかけには、会場から割れんばかりの拍手があがる。
新曲について「今回バラードなんです。早く聴きたいよ、って人はいますか?」というメンバーからの呼びかけに、ファンは入場時に配られたハリセンをここぞとばかりに鳴らす。会場からの反応を受け、「今日は特別に、勝手に新曲やっちゃいます! しんみりした静かな曲なんですけど」という本田の曲振りから「Let Go」をパフォーマンス。愛する人との別れをテーマにした儚い楽曲を、しっとりと歌い上げた。
「昨日でデビュー2周年を迎えた僕たちなんですけど、まだまだこの先も皆さんと一緒に、いろんな道を歩んでいければと思っています。これからもOWVをよろしくお願いします! 以上、OWVでした!」という本田の挨拶で本編が終了。
アンコールが鳴り止まないなか、しばらくして「どうもありがとう!」と、ツアーTシャツに身を包んだ4人が再び登場し、タオルを振り回しながらアッパーチューン「Summer Days」を歌い上げた。
「みんなのアンコールがあったから、僕たち出てきました」と笑顔の本田に、「(踊りながら)タオルを客席に投げるマネをしたんだけど、誰も反応してくれなかった」と拗ねる浦野。すると佐野からは「誰も欲しくなかったんじゃない?」と辛辣なツッコミが入った。
記念撮影をしたあと「告知してもいいですか?」と、「Let Go」の先行配信解禁が発表されると、含み笑いをする本田。ここで「個人的なことなんですけど、このたびは本田……ドラマが決まりました!」と重要な告知が。突然の発表に、ファンもどよめいた。詳細はまだ情報解禁前ということで、これ以上は語られなかったが、本田も会場・配信で見守ってくれるファンの目の前で直接発表したかったそうだ。
そして改めて、本田からグループとして11月19日にZepp Hanedaで『OWV LIVE TOUR 2022 -STRANGE- After Party』を開催することを発表。「何をやるんだ? と思うかもしれないんですけど、僕たちが東京、大阪、名古屋に行ったときに撮った動画などとともに、思い出を振り返るつもりです。皆さん楽しみにしてください」と、笑顔で呼びかけた。
メンバーからツアー初日の感想も伝えられた。中川は、真っ直ぐな目で客席を見つめ「この会場に足を運んでくださった皆さん、オンラインで観てくださった皆さんと、3年目に向かっている第一歩の今日、中野サンプラザでのライブを成功させられて、本当に幸せだと感じました。これからもツアーは続くし、その先のOWVをこれからも末長くよろしくお願いします」と彼らしく謙虚なコメント。
浦野からは「こうやってライブをやると、皆さんのありがたみを感じるし、楽しすぎて今まででいちばん早く終わってしまったように感じるライブでした。僕は言葉ではなく行動で伝えるタイプなので…このライブで僕の熱意が伝わったでしょうか? まだまだ初日が終わったばかりなので、あと2都市。最後まで突っ走りたいと思います。QWV、ありがとう!」と、前向きな宣言が。
飄々としたトークが持ち味の佐野は、スッと真面目な顔つきに。「僕たちは結成の経緯もだし、(デビューしたのが)コロナ禍だったし、いろいろと向かい風が多いグループでした。それでもなんだかんだ2年経って、活動の幅も広がってきました。ぶっちゃけOWV、キてます。今離れたら、まじでもったいないと思う。まじで。今がアツいということで、僕らも駆け抜けていきますし、見守ってくださるとうれしいです。ありがとうございました」と、これまで不安が多かった活動を振り返り、ファンへの感謝を述べた。
リーダーの本田は「まず、ツアーを開始できたことがありがたいです。あっという間のデビュー2周年。この夏はいろんなところでパフォーマンスをさせていただいて、デカい背中を見させてもらいました。今回のツアーも、吸収したことがたくさん詰まっていると思います」と、やっと本格的にライブ活動ができるようになったこの夏を振り返った。
「皆さんも日々、何をモチベーションに生きていこうか考えることがあると思います。僕たちは、皆さんが待ってくださるから音楽を届けることができています。僕たちが皆さんのモチベーションになれたらいいなと考えています。これからも駆け抜けていきましょう。最後の曲は、僕たちが道を突き進んでいく、そしてみんなにもついてきてもらいたい。そんな強い気持ちを表した曲です。東京公演ラスト、この曲でいきましょう」という本田の曲紹介から、「Here & Now」を伸びやかな歌声で披露。最後には会場の端から端まで手を振り、「皆さんどうか、これからもOWVをよろしくお願いします。ありがとうございました! OWVでした!」と深々と頭を下げた。
11月2日に発売された7枚目のシングル「Let Go」を聴いて、Zepp Hanedaで開催される『OWV LIVE TOUR 2022-STRANGE- After Party』を楽しみに待とう。
TEXT BY 小沢あや(ピース株式会社)
<セットリスト>
Time Jackerz
Slam Dog
UBA UBA
PARTY
twilight
Alright
You
Fifth Season
Sound the Alarm
Medley ~My flow / Bling Bling / ダンスブレイク / BE ON TOP / CHASER~
What you waitin’ for
TALK TALK TALK
Let Go
-Encore-
Summer Days
Here & Now (未発表曲)
リリース情報
2022.11.02 ON SALE
SIGLE「Let Go」
OWV OFFICIAL SITE
https://owv.jp/