■「僕的には、20年以上前に作った曲と映画が与えてくれる未来のイメージ、つまり過去と未来はシンプルにもつながり得るというような、心地良さでもありました」(小林武史)
岩井俊二監督作品『リリイ・シュシュのすべて』挿入歌である「グライド」が使用された映画『アフター・ヤン』(10月21日公開)の本編映像が解禁となり、併せて同曲をプロデュースした小林武史のコメントが到着した。
本作の監督/脚本は前作『コロンバス』が世界中で話題となった映像作家コゴナダ。小津安二郎監督の信奉者としても知られるコゴナダ監督は、気鋭のスタジオA24とタッグを組み、派手な視覚効果やスペクタクルにいっさい頼らない、唯一無二の未来的な世界観を構築した。
さらにオリジナルテーマ曲を敬愛する坂本龍一に依頼。音楽はAska Matsumiyaが美しいアレンジを手掛けた。さらに本作では、フィーチャリングソングとして岩井俊二監督作品『リリイ・シュシュのすべて』で多くの映画ファンの胸に刻まれた名曲「グライド」が、Mitski歌唱による新バージョンでスクリーンに帰ってくる。
今回解禁となった本編映像は、ジェイク(コリン・ファレル)が、故障して動かなくなってしまったAIロボット・ヤン(ジャスティン・H・ミン)の体内に“メモリバンク”という記憶装置が組み込まれていることを発見し、その映像を再生するところから始まる。ジェイクら家族の誰もが知らなかったヤンの一面を覗き見る、ミステリアスなシーンだ。
映像内には、ちょうど21年前の2001年10月6日に劇場公開された、岩井俊二監督作品『リリイ・シュシュのすべて』に登場する架空のバンド、Lily Chou-ChouのロゴがプリントされたTシャツを着用したヤンの姿と、物語の鍵を握る素性不明の若い女性(ヘイリー・ルー・リチャードソン)が登場。『アフター・ヤン』のフィーチャリングソング「グライド」が演奏されるライブ会場で、心地よく音楽に乗っている様子だ。この映像が示すヤンの記憶とは果たして…?
ヤンの記憶を辿る映像が、小宇宙を旅しているような美しさで仕上がっているのも注目点のひとつ。現代の科学技術が進歩した先にありそうな世界観は、近未来の設定の本作ならではの映像といえる。
コゴナダ監督は、『リリイ・シュシュのすべて』の挿入歌「グライド」を本作に使用することについて「あの曲を甦らせることが僕の夢だった」とコメント。続けて、「映画自体は、いじめに遭っていた10代の少年の物語を描いたものでした。少年は神秘的とも言える歌手に癒しを見出し、彼女に夢中になります。それはともかく、あの歌がずっと僕の心の中にあったんです」とかねてより強く惹かれていたことを語っている。
■小林武史 コメント
AIにまつわるストーリーの最後に、アレンジされた音も歌もオリジナルより生命力を強く感じさせる「グライド」が流れます。
SF的でありながらシンプルな心地よさが溢れる映画です。僕的には、20年以上前に作った曲と映画が与えてくれる未来のイメージ、つまり過去と未来はシンプルにもつながり得るというような、心地良さでもありました。
映画情報
『アフター・ヤン』
10月21日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国公開
出演:コリン・ファレル、ジョディ・ターナー=スミス、ジャスティン・H・ミン、マレア・エマ・チャンドラウィジャヤ、ヘイリー・ルー・リチャードソン
監督・脚本・編集:コゴナダ
音楽:Aska Matsumiya
オリジナル・テーマ:坂本龍一
フィーチャリング・ソング:「グライド」Performed by Mitski, Written by 小林武史
配給:キノフィルムズ
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映画『アフター・ヤン』作品サイト
https://www.after-yang.jp