■『槇原敬之 Concert Tour 2022 ~宜候~』ファイナル公演の模様がWOWWOWで8月28日に放送・配信!
昨年10月に通算23枚目のアルバム『宜候(ようそろ)』をリリースしたシンガーソングライターの槇原敬之が、それを携えたツアー『槇原敬之 Concert Tour 2022 ~宜候~』を開催。5月14日の東京・TACHIKAWA STAGE GARDENを皮切りに、ファイナル公演となる7月22日の大阪国際会議場(グランキューブ大阪)までの全23公演を完走した。
そのうちのひとつ、東京国際フォーラム ホールAで行われたコンサートの模様が8月28日にWOWOWにて全曲ノーカットで放送・配信される。ここではその模様をレポートする。
なお、WOWOWオンデマンドでのアーカイブ配信版では、槇原敬之の歌詞の世界観をよりいっそう楽しんでもらえるよう、歌詞テロップがライブに合わせて表示される。
ミニマルなアンビエントミュージックをBGMに、大石真理恵(Percussion)、屋敷豪太(Dr)、遠藤龍弘(Ba)、秋山浩徳(Gu)、毛利泰士(Synthesizer Programmer)、松本圭司(Piano & Key)、山本タカシ(Gu)そしてバンドマスターを務めるTomi Yo(Piano & Key)という、総勢8名のサポートメンバーを率いてステージに登場した槇原。まずはアルバム『宜候』の冒頭を飾る、ケルティックなメロディが印象的な「introduction ~東京の蕾~」からこの日のライブはスタートした。
続く「ハロー!トウキョウ」を経て、自身最大のヒット曲「どんなときも。」のイントロが鳴り出すと、オーディエンスは2階席まで総立ちに。ステージの端から端まで練り歩きながら、言葉の一つひとつ確かめるよう丁寧に歌う槇原に、大きなハンドクラップで応えた。
セットリストは『宜候』を軸としつつも過去のヒット曲やセルフカバーなどを散りばめた、コアなファンからビギナーまで楽しめる内容。「遠く遠く」は槇原が1992年にリリースした3枚目のアルバム『君は僕の宝物』収録曲で、彼が故郷に住む友人に想いをはせた私小説的な内容の歌詞である。
続く「特別な夜」では、久しぶりに再会した仲間の姿に“一人で頑張っている気持ちでいたけれど/そうじゃないって気づけた”と歌い、“ノスタルジック”をテーマに掲げた「東京DAYS」では、一人でいることに寂しさを感じつつも、そんな日々を“すばらしき毎日”と結んでいる。
この日のMCで槇原は「この曲順に僕の気持ちがぜんぶ詰まっています」と語っていたが、コロナ禍で帰省もままならず、会いたい人とも会えない状況が長らく続く、私たちの「孤独」にそっと寄り添うような楽曲を並べてくれたようだ。
ライブ中盤では、今回のツアーで衣装をデザインしたBEAMSのクリエイティブディレクターであり、槇原の朋友である窪浩志が登場。シンプルなネイビーのスーツに、アルバムタイトルにちなんで“出航の紙テープ”をあしらったユニークなステージ衣装への想いを語った。
コロナ禍で自身の愛犬や、大事な友人を何人か喪った経験をもとに、“あの頃がどんなに幸せだったか/今頃気づく”、“君と同じ名前がついた/悲しみと歩いて行こう”と綴ったフォークチューン「悲しみは悲しみのままで」や、“愛してる人に愛してることを伝えきれないようじゃ/まだまだだめかもしれない”と歌うミドルバラード「花水木」、“失くしたものの代わりに/手に入れたものを数えながら歩こう”と聞き手に語りかける、マンドリンをフィーチャーした「Counting Blessing」と続くライブ中盤は思わず涙腺が緩む。
「チキンライス」は言わずと知れた、ダウンタウン・浜田雅功との共同名義による2004年の大ヒット曲。作詞を担当した松本人志による、ほろ苦くユーモラスな幼少期の“貧乏エピソード”がまた心を震わせる。
続く「わさび」は須藤晃による歌詞に、槇原がメロディをつけたピアノ曲。松本圭司のピアノをバックに、切々と歌い上げてみせると、会場からは大きな拍手が上がった。また、愛犬家で知られる槇原が、一緒に暮らしている猫の生態にインスピレーションを受けて作曲した「なんかおりますの」は、松本によるジャジーなアレンジが印象的だ。
ライブ終盤は、レインボーカラーの照明に照らされながら“多様性”を歌った「虹色の未来」、ゴスペルを取り入れた「僕が一番欲しかったもの」と畳みかけ、SMAPに提供した代表曲「世界に一つだけの花」を経てアルバムタイトル曲「宜候」で本編は終了。
鳴り止まぬアンコールに応え、「君は僕の宝物」など3曲を演奏しこの日の公演を締めくくった。円熟味を増した、それでいてフレッシュなパフォーマンスに酔いしれた一夜だった。
WOWOWでは、この公演の模様を全曲ノーカットで届ける。
TEXT BY 黒田隆憲
PHOTO BY 三浦憲治、永井峰穂(アシスタント)
■『槇原敬之 Concert Tour 2022 ~宜候~』
2022年7月13日 東京国際フォーラム ホールA
<セットリスト>
01.introduction ~東京の蕾~
02.ハロー!トウキョウ
03.どんなときも。
04.悶絶
05.遠く遠く
06.特別な夜
07.東京DAYS
08.悲しみは悲しみのままで
09.花水木
10.Counting Blessing
11.チキンライス
12.わさび
13.なんかおりますの
14.HOME
15.虹色の未来
16.僕が一番欲しかったもの
17.好きなものに変えるだけ
18.世界に一つだけの花
19.宜候
[ENCORE]
20.Home Sweet Home
21.Love & Peace Inside?
22.君は僕の
番組情報
WOWOW『槇原敬之 Concert Tour 2022 ~宜候~』
08/28(日)18:00~
【関連番組】
WOWOW『槇原敬之 Concert 2018 “TIME TRAVELING TOUR” 1st Season』
08/26(金)19:30~
WOWOW『槇原敬之 SYMPHONY ORCHESTRA CONCERT “cELEBRATION 2005” ~Heart Beat~』
09/29(木)18:30~
WOWOW『槇原敬之 SYMPHONY ORCHESTRA CONCERT “cELEBRATION 2010” ~Sing Out Gleefully!~』
09/29(木)22:15~
槇原敬之 特集サイト
https://www.wowow.co.jp/music/makiharanoriyuki/
槇原敬之 OFFICIAL SITE
https://makiharanoriyuki.com/