■「エド役の山田くんも、益々演技の感情の幅が豊かになって、とても魅力的な主人公になっていました」(原作者・荒川弘)
いよいよ5月20日に公開を迎える『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカ―』の舞台挨拶付き完成披露試写会が5月16日に都内で行われ、主演の山田涼介(エドワード・エルリック役)を始め、ヒロインの本田 翼(ウィンリィ・ロックベル役)、本郷奏多(エンヴィー役)、渡邊圭祐(リン・ヤオ/グリード役)、栗山千明(オリヴィエ・ミラ・アームストロング役)が登壇。ハガレンとの出会いや作品の魅力について語った。
エドワード・エルリックを演じた山田は「皆さま本日はお忙しい中<復讐者スカー>をご覧いただきありがとうございます。僕がこだわったポイントとしては、前作はなかったエドの触覚にこだわって作っていただきました」と、作品のスケールだけではなく完結編では衣装やビジュアルもパワーアップしたことを報告。
続いて、傷の男・スカー(新田真剣佑)とのシリアスな関係性が描かれるヒロイン、ウィンリィ・ロックベル役の本田は「ウィンリイらしさをどう表現するかというところと、ウィンリィといえばつなぎにチューブトップというイメージが原作では強いので、衣装を原作に近づけるように気を付けました」と山田と同様に漫画原作だからこそビジュアルイメージを大切にしたそう。
前作から続投し、“嫉妬”のホムンクルス(人造人間)エンヴィー役の本郷は「エンヴィーって小憎たらしいけどどこか憎めない敵キャラというか、そういった可愛らしさみたいなものを大切にして演じました」とコメント。
本作より初参加ながら、東の大国シンの第十二皇子、リン・ヤオと“強欲”のホムンクルス、グリードの一人二役を務めた渡邊は、「曽利監督とリンという役についてディスカッションを重ねる中で、皇子としての気品がどこかに滲み出るといいよねというお話をしていたので、その部分がどこかに漂っていたらいいなと思っています」と話した。
また、4月に行われた製作報告イベントでも大ファンであるというハガレンの世界へ参加出来ることの喜びをコメントし、後編の<最後の錬成>で敵対国との国境付近に位置する要塞を守る屈強な女戦士、オリヴィエ・ミラ・アームストロング少将役を務めた栗山は、「<復讐者スカー>の方ではまだ出てきておりませんが、強くたくましくて仲間想いなオリヴィエになったらいいなと思い<最後の錬成>でお芝居をさせていただきました」と、それぞれ自身が演じる上でこだわったポイントを交えて挨拶した。
原作ファンを公言している面々だが、今回はそれぞれ演じるキャラクターをイメージした衣裳で登壇。MCより衣装のポイントについて聞かれると、上下黒スーツの山田は「僕は……ハンカチで……」と少し気まずそうに話すと、「まさかこんなに本田さんがウィンリィに寄せた衣装をしてくるとは思っていなくて」とたじろいていると、本田は「ポイントは現代版ウィンリィというのを意識しました!」と気合いたっぷりにコメント。その後も作中のエドとウィンリィのように、仲の良い掛け合いを披露した。
本作に携わる前から原作の大ファンであるというキャスト陣に「ハガレンとの出会い」について聞いてみる、山田は学生時代を思い出しつつ「当時周りが読んでいたのをキッカケに僕も読み始めて、大人になって実写化という形で再会した感じです。主演が自分で良いのかなという不安もあったのですが、僕がこれを断ったら他の誰かがエドを演じるというのは悔しかったので、前作から演じさせていただけて嬉しいです」と語った。
偶然にも山田と同い年の渡邊も「とんでもない漫画が連載開始したらしいぞとクラスの中で話題になって、錬金術という当時馴染みのない言葉が飛んできたのも気になって読んでみたら小学生の自分にはキラキラして見えるようなストーリーが広がっていて、そこからどんどんハマっていきました」と当時の様子を回顧。
栗山は「高校生ぐらいの時からコミックスを読み始めまして、その後20年間ぐらいハガレンに何か起きる度に愛を育てていたので今回オリヴィエ演じさせていただけるとは思っておらず、本当に嬉しいです。20年前の自分に教えてあげたいです」と改めて喜びを語った。
原作ファンが集結ということで、代表して主演の山田が特別に私物のハガレングッズを持参! そのお宝とは、前作を公開した際に映画のワンシーンを原作者の荒川弘先生が描き下ろしてくれたという原画。映画のシーンの描き下ろしのため、この世にひとつしかない凄まじく貴重な“家宝”だというお宝を披露。あわせて猫を抱えたアルの愛らしいぬいぐるみを紹介し、部屋に飾っているというエピソードも明かした。
渡邊演じるリンや栗山演じるオリヴィエを始め、新たな敵のホムンクルスやシン国メンバーも参戦し、魅力的なキャラクターが多数登場する本作。
一番の推しキャラクターと注目ポイントについて聞かれた山田は、イチオシという部分に悩みながらも「一番側に居させていただいて、一番間近で見させていただいたという意味でも、内野さん演じるヴァン・ホーエンハイムですかね。原作のホーエンハイムのイメージのまま現場に居てくださったので、台詞のキャッチボールをする時も含めて演じやすかったですし楽しかったです」とエドの父親であり物語の鍵を握るホーエンハイムに1票。
続いて本田は「今日居るリンもそうですが、シン国の皆さんですかね。あのチームは今回重要な役どころでもあるので、推しかなと思います。箱推しです!」とあらたに参戦するシン国チームの存在感をアピール。
リンの臣下、フーを演じる筧利夫の変身ぶりにも一ハガレンファンとしてその再現度の高さに興奮冷めやらぬ様子。本郷は「ブラッドレイ大総統を演じる舘さんはめちゃくちゃ渋くてかっこよかったです。眼帯が取れた瞬間の強キャラ感というかこの作品を重厚にしてくださっている方の一人だなと思いました」と話すと、続いて栗山の現場の佇まいについても触れ、オリヴィエとしての存在感を賞賛。栗山は肉感的な印象にするため、中に詰め物を入れるなど工夫したというエピソードを披露した。
また、この日上映された<復讐者スカー>に続く6月24日公開の後編、原作の最終話までを描き切った<最後の錬成>の10分間の最新映像を特別に上映。この日のために曽利監督が特別に編集したものだそうで、キャスト陣も客席に移動し一緒に鑑賞すると山田は「色々と撮影の時を思い出しました。僕たちもまだ完成版を見れていないのですが、この映像を皆さんと共有出来て嬉しいです」、本田は「これがCGかと信じられないような大迫力の映像で感激しました」、本郷は「かっこよかったです! 僕はそんなに沢山の方と共演シーンがあったわけではないので、初めて栗山さんのオリヴィエも拝見しましたが、素晴らしいですね!」と絶賛。
渡邊は「栗山さんに流し目で見られたいし、舌打ちされたいです(笑)。10分もあるのにまだ見足りなくて、劇場でもう一度観たいです」と最新のCGを駆使した迫力満点の映像についてコメント。<最後の錬成>より満を持して登場となる栗山は、作品のポイントについて聞かれると「初めて見るシーンをまさか皆さんと一緒に見れるとは思わなかったので感無量です。それぞれのキャラクターがどうなっていくかというのが見どころですので、是非最後まで見届けていただきたいです」と完結編の公開へ意欲を語った。
また、原作者の荒川弘より長文のコメントも到着。
「実写映画1作目を観てからこのオリジナルキャストでの完結編を作ってほしいとずっと思っていたので、エドとアルの旅を最後まで描き切ってもらえて本当に嬉しかったです。原作が凝縮されているので、イベントが目白押し。本当に全部が見どころなので、原作ファンのみなさまにも是非ご覧いただきたいです。アクションもとにかく凄くて、オープニングの列車内で、エドたちとシン組が戦うシーンからワクワクし通しでした。やっぱり映画は役者さんの演技が入るので、感動が全然違いますね。エド役の山田くんも、益々演技の感情の幅が豊かになって、とても魅力的な主人公になっていました。あと翼ちゃんの泣く演技には、もらい泣きしてしまいました。本郷さんのエンヴィーもさらに板についていて原作以上に悪そうで、最近朝ドラでも拝見していたので、役者としてのギャップにもやられてしまいますね。渡邊さんのリンもこれまたすごくかっこよくて、エドとの掛け合いも良くて。『最後の錬成』ではグリリンとして二面性のある演技が見れると思うと楽しみで仕方ありません。栗山さんがオリヴィエに決まったと聞いたときは一気にテンションが上がりお祭り騒ぎでした。自分で描いたお話なんですけど、CGの進歩の凄さと相まって、あぁ、実写だとこうなるんだなと、終始新鮮な気持ちで作品を楽しむことができました。次は3作目の『最後の錬成』――スカーとブラッドレイの闘い、ホムンクルス組やお父様との最終決戦……等々もう見所だらけ、見所しか残っていません。早く観たいです!(全文)」
キャスト陣に全く知らされていなかったという、荒川先生からの熱いサプライズメッセージの発表に、原作ファンでもある一同は大興奮!
山田は「荒川先生は撮影現場に来られた時もバタバタしていてあまりお話する時間がなかったので、本当に嬉しいです。今年は何といってもハガレン20周年ということなので、その記念すべき年に実写映画化をすることが出来てとても嬉しく思いますし、まだ鋼の錬金術師を知らない方々にもこの作品の魅力が伝わってくれれば良いなと改めて思いました」と喜びを滲ませた。
最後にキャストを代表して山田は「改めて本日はご覧いただきありがとうございました。<復讐者スカー>を見た後に10分間の<最後の錬成>の映像を見て、早く見たくてしょうがないという気持ちになっているのではないかなと思っています。<最後の錬成>の方では荒川先生も仰っていたように、原作のまま最後の最後まで描き切っています。ファンの方も、まだ鋼の錬金術師を知らない方も是非劇場でご覧になっていただきたいです。本日は皆さんありがとうございました」と改めて完結編二部作への想いをコメントし、会場は和やかなムードに包まれたままイベントを締めくくった。
映画情報
『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー/最後の錬成』
5月20日(金)『復讐者スカー』
6月24日(金)『最後の錬成』
完結編二部作連続公開
配給:ワーナー・ブラザーズ映画
(C)2022 荒川弘/SQUARE ENIX
(C)2022 映画「鋼の錬金術師2&3」製作委員会
『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー/最後の錬成』作品サイト
https://wwws.warnerbros.co.jp//hagarenmovie