■「笑顔になることが正解ではないし、人間いろいろなことがあると思いますが、時間が解決してくれることもあるし、希望の光を信じて欲しいなと思います」(大原櫻子)
これまでリリースした数々の楽曲からリクエストを募集し、そのなかから選ばれた楽曲をアコースティックアレンジで届けた、大原櫻子初のリクエストツアーが4月22日、東京・Zepp DiverCity(TOKYO)公演をもってファイナルを迎えた。
全国6大都市を3~4月にかけて回ったツアーは大原櫻子に加え、ピアノとバイオリンというアコースティック編成で実施。リクエストされた曲にあらたに加えられるアレンジでどう表現されるかが注目ポイントとなっていた。
ライブは厳かなムードのなか、ファンにも人気の高い「Close to you」「きらきらきら」の2曲からスタート。
「ライブの前Twitterを見ていたら応援している方のひとりが“いちばん後ろの席で見えるか不安”と呟いていることを見つけたのですが、後ろ見えていますか?」と最初のMCでファンを気遣った大原は、「今回のツアーはセットリストのリクエスト(セトリクエスト)を募らせていただきましたが応募してくれた方いますか?」「今日はそのなかの上位の楽曲を、3人の編成ならではのアレンジで皆さんにお届けしていきたいと思います」と今回のツアーの趣旨を説明した。
続く中盤パートではライブでは久々の歌唱となった活動初期の「頑張ったっていいんじゃない」を歌唱。この曲は、もともとはアッパーなポップソングだが、この日はアコースティックアレンジで聞かせた。
6曲目は「同級生」。歌い終わった大原は「お聴きいただいた曲は『同級生」という楽曲でした。バイオリンとピアノとこの曲をやると絶対に合うだろうなと思って、お届けしました」とコメント。
そして7曲目はデビュー映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』の挿入歌「卒業」をギターの弾き語りで披露。そして、「セトリクエストをやっていて、ずっと応援してくれている人がたくさん投票してくれているのだなと感じたりしました。次の曲、私のことを知ったきっかけになった曲でもあるのではないかと思います」という紹介から高校サッカー応援歌として知られる「瞳」へと繋げた。
終盤のあたまは、リクエスト上位のなかから日替わりで曲を決めるパートとなっており、ファイナル公演では「ALIVE」を披露。そのまま「Over The Rainbow」「踊ろう」「ポッピンラブ!」などの盛り上がるナンバーが続き、「ちっぽけな愛のうた」でぐっと聴かせる終盤の大きな盛り上がりを演出した。
そして、最後のMCで大原は「楽しんでくれていますか? 今日でこの編成でのライブも終わってしまうと思うとちょっと寂しいです。あっという間でしたね。セットリストを皆さんに組んでいただいて、今までにない形でしたが、楽しんでもらえましたか?」とファンに呼びかけた。
さらに、今回のツアータイトルについて「今回、『For You~あなたが作る櫻子Live~』と名づけましたが、(コロナ渦で)リリースイベントなどができなくなって、皆さんと交流できる場所が本当に少なくなってしまって。皆さんと少しでも近い距離でコミュニケーションをとりたいなと思って、『For You』と題しました」とコメント。
続けて「3、4年前よりも一人ひとりが自分のやる仕事や、やりたいことに関して非常に責任感、覚悟を持たないと前に進めない世の中になってしまったと思います。そんななか、一人ひとりが覚悟を持って開催できたことを本当に感謝しています。そして、会場に来てくださった皆さんもすごい覚悟をもってきてくださったと思います。本当にありがとうございます。最後に聴いていただく曲は『セトリクエスト』で1位になった楽曲です。今の時代、私も含めてこの歌詞を想っている人がたくさんいると感じました。過去を振り返ったときに悔しくなるような地団駄を今踏んでいて、でも、その地団駄を踏んだからこそ、今もっと頑張れるというようなメッセージをこの曲から感じています」と、このツアーへ臨んだ様々な想いを伝えた大原が最後に選んだのはアルバム『Passion』に収録されている「Grape」だった。
アンコールで大原は「この間、(5月11日リリースのシングル『それだけでいい』の)カップリング曲の情報が出ましたが、『笑顔の種』という曲で、『セトリクエスト』1位になった『Grape』の歌詞を担当してくださった高橋久美子さんが作詞してくださっています。久美子さんとも打ち合わせをして、歌のなかで故郷を思い出してくれる曲にしたいと話をしまして。時間がかかっても“私はここで待っているよ”って言ってくれる人がいるってことを忘れないでほしいなと思って歌詞を作っていただきました。今日ワンフレーズだけ歌います」と紹介し、「笑顔の種」を少しだけ披露。
そして、最新シングル「それだけでいい」について「作詞は私です。去年、来年には世の中は元に戻っているのではないかという期待もあったのですが、まだ自由が利かない世の中で…。最近は、世界で争いごとがあったりして、想像もしていなかったことが多いです。ニュースを見ていても悲しい気持ちになったり、ため息をつく毎日だと思います。それだけではなくて、日常、些細なことから大きなことまで、普通に暮らしていても、いろいろな煩わしいことがあったり、悲しいことがあったり、怒ることがあったり…いろいろなことがあって、戦っている私たちだと思います。今、本当にみんなが苦しんでいる最中だと思います。そんなときに、ひとりでも多くの人に穏やかな心になって、希望というものを考え直せるようになってほしいなと思って作った一曲です」と紹介。
そして、「笑顔になることが正解ではないし、人間いろいろなことがあると思いますが、時間が解決してくれることもあるし、希望の光を信じて欲しいなと思います」と新曲へ込めた想いを伝え、「それだけでいい」を歌詞をじっくりと伝えるように歌唱し、ツアーファイナルを締めくくった。
なお、新曲「それだけでいい」は4月25日放送のJ-WAVE『STEP ONE』で初オンエアされる
PHOTO BY YUSUKE TAKAMURA ※ライブ写真
■『大原櫻子 Premium Concert 2022 「For You~あなたが作る櫻子Live~」』
2022年4月22日(金)東京・Zepp DiverCity(TOKYO)
<セットリスト>
01. Close to you
02. きらきらきら
03. 頑張ったっていいんじゃない
04. 遠くまで
05. Scope
06. 同級生
07. 卒業
08. のり巻きおにぎり
09. 瞳
10. Greatest Gif
11. ALIVE
12. Over The Rainbow
13. 踊ろう
14. ポッピンラブ!
15. ちっぽけな愛のうた
16. Grape
[ENCORE]
17. それだけでいい
リリース情報
2022.05.11 ON SALE
SINGLE「それだけでいい」
大原櫻子 OFFICIAL SITE
https://oharasakurako.net/