■「22歳の僕が母に贈った歌」では、スカイピースのふたりが母親への思いを話す感動的な場面も!
スカイピースが4月22日、初の日本武道館公演『SkyPeace Festival in 日本武道館』を開催した。
コロナウイルス感染症拡大の影響で、2020年は予定していた横浜アリーナでの単独公演が中止となり、2021年7月に同会場より配信したライブも無観客だったため、やっと実現した有観客初のアリーナ公演となった。サーカスをテーマにしたステージは風船や三角旗がデコレーションされ、実に賑やか。約8,000枚のチケットは即日完売し、客席は開演前から熱気に溢れていた。
オープニングではステージ中央のLEDにオープニング映像が流れ、そのLEDがど真ん中から左右にわかれ、テオくんと☆イニ☆(じん)が登場。拳をあげるふたりに、客席を埋め尽くしたカラフルなペンライトが揺れ、ライブは「証明」でスタートした。
曲おわりに「僕らは命をかけて武道館に臨んできました。だから、その目で、その耳で、その体で、その心で、すべてを感じろ!」と☆イニ☆がコメント。そこから「悪いが中二病が世界を救う」へとなだれ込み、2017年に発表した「100年後も忘れないライブを」ではライブに参加する心得をおもしろく歌うのだが、とにかくライブ(=今)を楽しもうと、歌もダンスも全力で伝えてくる。
「来たぞ、武道館!」とふたり。マイクなしの生声で「どうもぉ~スカイピース! Yeah!!」といつもの挨拶をしたあと、まずはステージからの景色を実感しようとする。(コロナ禍の制限により)声援を送れない客席に向かって、「(会場)デケー。すっごい人だけど、めっちゃ見えてます!」と声をかけ、体をほぐしましょうとジャンプの練習をさせる。「SkyPeaceのテーマソング」では、実際みんな高くジャンプし、会場が熱くなる。
ロックサウンドの「雨が降るから虹が出る」は力強く響き渡り、ラストのサビでは向かい合って歌うシーンも。「青春スプラッシュ」はタオルを振り回しながら、どんどん勢いを増していった。「激しかったね(テオくん)」「全力出しすぎた(☆イニ☆)」と吐露してしまうほど、フルテンのふたり。
この日のセットリストはメジャーデビュー前から作っていた曲もセレクトするなど、スカイピースの現時点での集大成的なライブとなっていたが、会場を楽しませたい一心で、体力のことを考えていなかったセットリストだという。
ギター、ベース、ドラムのバンドアレンジで、練習のときからずっと刺激的だったという「無計画の旅」「荒野行動あるある」と多彩な楽曲を披露していく。そして、「おバカだっていいじゃないか」ではスカイピース初だという、トロッコに乗って、「みんなのもとに向かいたいと思います」とそれぞれ会場の左右にわかれ、アリーナ中央まで移動する場面も。ステージに戻るや、ステージ前面に18連設置されたスパークラー(噴き出し花火)で、アリーナ公演ならではのど派手な演出が次々と仕掛けられる。
スカイピースでは珍しいというバラード曲「これがぼくのきもち」で聴かせるシーンもあったが、☆イニ☆がタイトルコールを間違え、感動と笑いが入り混じった貴重なシーンとなったのが「相棒」と「22歳の僕が母に贈った歌」。
大工をやっていたテオくんと専門学生で不動産会社に就職が決まっていた☆イニ☆のふたりが出会ってスカイピースになった、ふたりの原点を思い起こすように、お互いを思って作ったという「相棒」を披露する。さらに、「22歳の僕が母に贈った歌」ではふたりが母親への思いを話し出す。
「お母さんと俺の考えって真逆だったりして、いつも言葉をかけてくれるんだけど、正直本当かなって思うことがあって。笑顔でいると返ってくるよとか、それ根拠あるのかな? とかって思っていたけど、そういうお母さんの言葉が大人になってわかるようになって、何ひとつ間違っていなかったんだなって。僕はそんなことを曲に書きました」と☆イニ☆。
さらに、テオくんは「僕は母子家庭で、仕事も大変だから週に1回会えるか会えないかくらいだったんですけど、そんな状況でも誕生日に小さなケーキを買ってきてくれたことが本当にうれしくて。この話は、歌う前にいつも話すんですけど、それくらい自分のんかでは大切な出来事で。今、“テオくんいい人”“明るくて優しい”とか言われるけれど、これはママからもらった優しさです。僕もいつか返したいと思います。ここまで育ててくれてありがとう!」。アコギだけの演奏に合わせて、ふたりの思いが綴られる、心を打つシーンだった。
一転。少しの映像インターバルをはさみ、会場はダンスフロアに来たかのようにダークで妖艶な雰囲気となり、ステージには素肌にジャケットを羽織ったふたりが登場。『関西コレクション 2022S/S』でも話題になった「Sexy Dance FLOOR」では、テオくんの低音ボイスと☆イニ☆の高音が掛け合い、クールに披露。炎もあがりまくる。さらにEDMナンバー「THE STAGE」へ。レーザーもバキバキにクロスし、本編ラストのダンスナンバー「オタパリダンシン」まで盛り上げ、みんな体を動かし、クラップして楽しんだ。
アンコールは、歌ってみた(ではなく、歌ってみなかった)「グッバイ宣言」でダンスを披露し、ラストは「オタパリパーティー」。「ジャンプして汗かいて楽しかったと思って返ってほしい」とテオくん。ミラーボール、そして総勢24人のダンサーが登場し、スカイピースのふたりは赤と青のキラキラの衣装に変わり、全力でステップを踏む。最後は「スカイピースと出会ってくれて、ここに来てくれてありがとう」と☆イニ☆は涙を浮かべ、テオくんは今日いちの笑顔を見せた。
スカイピースは、YouTubeチャンネル登録者数454万人というコンビYouTuberとして日本一の記録を持つが、音楽活動も作詞をはじめ楽曲制作にも真剣に取り組んできた。とりわけ、今年の3月は全国5都市で開催したファンクラブツアー『SSS 2022』とYouTubeチャンネルの毎日投稿を同時進行するなど多忙を極めていたなかで、ツアー最終日となる4月10日の福岡・Zepp Fukuoka公演を終え、今回の日本武道館公演まで駆け抜けた。彼ら自身、不安も抱えていたなかで、プレッシャーを跳ねのけ、アンコール含め全20曲を全力で完走。見事な大団円だった。
またライブ終了後には、7月27日に発売される4枚目のアルバムタイトルが『Grateful For 』であること、さらに、全国7都市8公演を廻るホールツアー『Grateful For 』の開催も発表された。
■『SkyPeace Festival in 日本武道館』
2022年4月22日(金)東京・日本武道館
<セットリスト>
01. 証明
02. 悪いが中二病が世界を救う
03. 100年後も忘れないライブを
04. スカイピースのテーマソング
05. 雨が降るから虹が出る
06. 青春スプラッシュ
07. 無計画の旅
09. おバカだっていいじゃないか
11. 僕の夏の恋の話
12. 相棒
13. 22歳の僕が母に贈った歌
14. Sexy Dance FLOOR
15. THE STAGE
16. スタートダッシュ
17. オタパリダンシン
[ENCORE]
18. グッバイ宣言
19. Enjoy Summer
20. オタパリパーティー
リリース情報
2022.07.27 ON SALE
ALBUM『Grateful For 』
スカイピース OFFICIAL SITE
http://www.sonymusic.co.jp/artist/skypeace/