■「大人が全力でふざけているシーンもあれば、真面目に向き合っているシーンもあります。全力でこの映画を作らせていただきました」(山田涼介)
「誰もが知る“巨大怪獣”の、誰も知らない“死んだ後”の物語」を史上初めて描いた、映画『大怪獣のあとしまつ』が、2月4日に全国公開。同日、東京・丸の内ピカデリー1にて、主演の山田涼介、ヒロインの土屋太鳳、濱田岳、西田敏行、三木聡監督が登壇しての公開初日舞台挨拶が実施された。
まずは、山田から「皆さんこんばんは。まずは無事に公開初日を迎えられてうれしい気持ちですし、これだけのお客さんに初日から来ていただけることを幸せに思います」と挨拶。土屋は「最初に撮影の中断を余儀なくされたのはちょうど2年前の今頃でした。それからずっとこの作品が生まれることを大きな目標としてきました。刺激的なこの作品を末永く愛していただけることを願っています」とコメント。
濱田は「日々の暮らしにご心労が絶えないなか、来てくださってありがとうございます。わずかな時間ですが、皆さんの気分転換になればと思います」。そして西田は「いまオミクロンという名の大怪獣が暴れまわっている最中、いらしてくださった皆さんが神様のように見えます。ありがたいと思っております。ゆっくり楽しんでいってください」と挨拶。最後に本作のメガホンをとった三木聡監督が「とんでもない映画だと思います。キャストの皆さん、コロナが猛威を振るうなか協力いただいて、こうして初日を迎えられること、監督としてうれしいです。お客さんにもこんなに集まっていただいて、泣ける感じがします」と封切りへの思いを述べた。
そして話題は、撮影現場での”ムチャブリ”エピソードへ。
山田「ポスターでも背負っているロケット(ランチャー)なんですが、本編では2つ背負って作業しているシーンがあって、あれが本当に重くて…。体感で1つ10kgくらいあって、それを2つ背負って走ろうと言われたときは、”これ軽くてもいいんじゃないか?”と思いましたね(笑)。質感や画で観たときのリアルさは、この重さでないと出せないんだろうなと自分を納得させながら撮影していました」。
三木監督「リアリズムですから(笑)。重いものと軽いものでは揺れ方が画として違うので。でも、それをアクションに繋げていく山田さんの身体能力の高さは素晴らしいですよね。背負ったままジャンプしなきゃいけないシーンもあるのに」
山田「大変でした。(撮影後は)楽屋でずっとソファの肘当てで首をぐりぐりしていました(笑)」
土屋「(大変だったのは)予告にも入っている、草むらを走るシーン。特撮ヒロインらしいシーンで張り切っていたのですが、草が生えすぎていて進めなくて…しかも冬の時期で硬いし刺さるんですよ。『キャー!』って叫びながら走るんですが、本当に『キャー!』って思いながら走っていました。本当に痛くて」
濱田「ムチャブリをされたわけではないですが、秘書官として総理と密談するシーンですごく距離が近く、西田さんとゼロ距離で接した場合『釣りバカ日誌』だったら100パーセントチューしている距離なんですよね(笑)。今回は総理と秘書官なので絶対チューはダメなので、非常に悶々としていました」
西田「ムチャブリだと思ったことは無かったです。”西田敏行”という俳優の大きさでしょうか、監督をびびらせたのかな(笑)。監督の動きを見ていると情熱的に次の画の演出をいつも考えている印象でした」
三木監督「西田さんにもすごく考えていただいて、脚本に対する読解力がすごいんです。芝居を愛している、好きな役者さんたちと一緒に監督ができるのはすごい経験です。非常に印象に残りました」
続いて、劇場内に巨大怪獣の隆起を模した巨大風船が出現! 劇中でも登場人物たちを悩ませるこの巨大隆起の”あとしまつ”を任されたのは、主人公のアラタを演じた山田。「(撮影時のランチャーも)これぐらい軽かったらなぁ~」とにこやかな表情を見せながら、本作のポスターでアラタが背負っているランチャーのごとく、バズーカで巨大風船を狙撃! ミッションは見事成功し、中からは公開初日を祝福するかのように、派手な特効テープと共に大量の“大怪獣くん特製風船”が豪快に舞い降り、会場を華やかに彩った。
無事あとしまつを終えた山田は「(劇中でも)こんなに簡単に始末できたらいいなと思いました。映画だと苦戦していましたから(笑)。こんな特別なイベントを開催できるのは、初日ならではだなと感じます」と改めて公開初日を迎えた喜びを述べた。
最後に、登壇者たちからメッセージ。
三木監督「いろんな感じ方ができる映画です。ご覧いただいて感じたことを周りに伝えていただいたり、SNSなどで表現していただけるとうれしいです」
西田「小学校のとき初めて『ゴジラ』を観ました。夜トイレに行こうと外に出ると街の灯りが見えて、そこにもしかしたらゴジラが立っているんじゃないか、という恐怖をいまだに覚えています。今思えば、あの後始末はだれがつけたのか…。そこに着目した監督の発想力。面白い映画になったと思います」
濱田「内閣の部分では大いに呆れて笑っていただいて、現場で頑張る特務隊のシーンではこれぞ特撮モノというスリルを味わっていただいて、贅沢な映画が出来たなと思います」
土屋「ユキノのように誰かを見守って支えている人たちが、現実社会にもたくさんいると思います。その方々への感謝も込めて、演じさせていただきました。今日スクリーンで生まれたこの映画が、観た方々のパワーになることを願っています」
山田「この映画は、大人が全力でふざけているシーンもあれば、真面目に大怪獣に向き合っているシーンもあります。僕たちキャスト、スタッフ、全力でこの映画を作らせていただきました。ぜひ、たくさんの方々に楽しんでいただけたらと思います。おのおのの感想を共有し合っていただけたらと思います。本日はありがとうございました」
熱いコメントと共にイベントが締めくくられた。
映画情報
『大怪獣のあとしまつ』
2022年2月4日(金)全国ロードショー
監督・脚本:三木聡
出演:山田涼介 土屋太鳳
濱田岳 眞島秀和 ふせえり
六角精児 矢柴俊博 有薗芳記 SUMIRE 笠兼三 MEGUMI
岩松了 田中要次 銀粉蝶 嶋田久作 笹野高史
菊地凛子 二階堂ふみ 染谷将太 松重豊
オダギリジョー 西田敏行
企画・配給:松竹 東映
(C)2022「大怪獣のあとしまつ」製作委員会
映画『大怪獣のあとしまつ』作品サイト
https://www.daikaijyu-atoshimatsu.jp/