■超特急メンバーが10歳&20歳のときの秘蔵写真公開やお悩み相談も!「こんな僕たちですが、少しは大人になったんではないか」(リョウガ)
昨年12月に結成10周年を迎えた超特急が、1月14日にアニバーサリーイベント『超特急と成人式』を東京・日本橋三井ホールで開催した。彼らにとって新年一発目のステージとなった本公演は、超特急自身が10歳を迎えたことにちなみ、20歳の新成人と1/2成人式を迎える10歳を対象に行われたもので、客席には晴れ着姿も多数。メンバーが10歳&20歳のときの秘蔵写真公開やお悩み相談、さらに、エールに始まりファンファーレで締めくくられる、この日ならではのスペシャルなライブメニューで、超特急の2022年を華やかに幕開けた。
“10th Anniversary Special (Talk&Live) 超特急と成人式”と映し出されたステージ上のモニターが上がると同時に、場内に流れ出したのはドラマ主題歌にもなったシングル曲「Yell」の優しい音色。そこから黒のフォーマルなスーツに身を包んで登場した5人は、ボーカル・タカシの伸びやかな歌声に包容力のある温かなダンスを乗せて、人生の節目を迎えた人々にタイトルそのままの“エール”を贈る。
加えて、アリーナライブが当たり前の彼らのパフォーマンスを、コンパクトなホールの距離で体験できるという滅多にない機会に、場内の8号車(超特急ファンの呼称)も大興奮。客席でカラフルに煌めくペンライトも、まるで心を宿したかのように喜びに揺れる。
一方、活動初期はこの会場でイベントやワンマンも行っていたそうで、「8年前はカラオケをしてましたよ、ここで。今日は僕たちと同じく10歳を迎えた方々、20歳を迎えた方々と一緒にお祝いして、何よりも楽しい日にできれば」(カイ)と、ここでトークコーナーがスタート。
まずはメンバーが10歳のときの写真がモニターに大写しにされ、かわいらしい姿に悶絶する8号車をよそに、メンバーは互いの写真にツッコミを入れまくる。癖の強いタカシの出で立ちに、タクヤは「10歳でチェーンつける!?」と声をあげ、今では陰キャで知られるリョウガがブレイクダンスをキメている1枚には、「メッチャ陽キャの人いるじゃん!」とユーキも唖然。「今もできる? 1回やってみようよ」というタカシの提案に応えて果敢にチャレンジしたものの、床についた手が滑ってあえなく失敗したが、そんなレアな場面が見られるのも祝いの場ならではだ。
そしてメンバーが20歳の頃の写真も、今度はリョウガの写真フォルダから「独断と偏見で厳選」して公開。なかでも、公園の滑り台で撮られたタクヤの謎な風貌には「おじさん?」(タカシ)、「何軒も飲食店を経営してそう」(カイ)と爆笑が巻き起こり、その後に公開された衣装写真とのギャップに「若返った!」とステージ上が騒然となる。さらに、リハーサルスタジオで荒ぶるタクヤの写真も映し出され、「タクヤさんクレイジーだね」(ユーキ)と、ツッコミの集中砲火を浴びることに。本公演の模様は1月19日よりひかりTVでも配信されるので、トークの詳細を知りたい方は、ぜひチェックしてみてほしい。
「こんな僕たちですが、少しは大人になったんではないか」(リョウガ)と、10歳・20歳の8号車から事前に募集していたお悩みを“人生の先輩“として解決するコーナーでは、「どうしたら夜更かしが治るか?」「締切ギリギリまで課題を置いてしまう」とガチなお題が続々。
「さりげなく親孝行するためのよい方法を教えて」という質問には「自分は高校生のときに手紙を書いた」(タカシ)、「ビールとか注いであげれば?」(タクヤ)といった回答も飛び出すものの、最後は「生きてるだけで、みんな親孝行だよ」というカイのパワーワードに、皆、頷くばかりだ。
一方で「猫を飼いたいのに弟が猫アレルギー」という10歳からの相談になると、「猫以上に好きな動物を見つけるとか。タカシが今、かわいいと思う動物って何?」とリョウガに振られたタカシが、まさかの「象」と回答して、「飼えないから!」と周囲を慌てさせていた。
そんなタカシの「明日からまた頑張っていきたいなという気持ちになってもらえる、背中を押していけるようなイベントにできたらいいなと思っております」という真摯な言葉からは、再びライブパートへ。
振りの一つひとつが“光”を目指すストーリーを紡ぎ出す「Starlight」で、ポジティブなメッセージをドラマティックに伝えると、「超Superstar」では一転、10周年を超えて進み続ける超特急の姿を堂々たるダンスとリリックで表現。
続いて「自分にとって宝物のような存在が増えるといいかなと思うので、ぜひ周りの皆様を大切にして楽しい日々を贈ってほしい」とカイが語りかけ、「声を出せないぶん、一緒に踊って楽しんでいきましょう」(ユーキ)と始まったのは、最新アルバム収録の「Dance Dance Dancing!」だ。リズミカルなステップで観る者の心まで躍らせると、力強い身体表現で存在証明を果たす「On & On」、ハードなビートにのどかな空気感を併せ技した変幻自在のダンスチューン「Yodelic Fire」と、超特急としてのたくましい意志表明と高いダンス力によるエンターテイメントをバランスよく披露。そんなタフなパフォーマンスにガッチリついていきながら、随所でフェイクを入れて感情をリアルタイムで発出するタカシのボーカル力もすさまじい。
また、「新成人、そして10歳を迎えた皆様に幸せが降り注ぎますように!」とカイが呼びかけた甘いポップチューン「Winter Show」では、“こっち向いてハイポーズ”という歌詞に合わせて、なんとステージから客席と一緒に記念撮影も。
さらに、ユーキのレクチャーから始まった「My Buddy」では、会場が一体となってのダンスタイムに突入し、“成人式”“おめでとう”というコールに合わせて床を揺らしまくる。8号車の大切なアニバーサリーを忘れられない思い出で彩ろうという5人の粋な心配りに感激する間に、「これからの新しい旅、俺たちと歩んでいこうぜ」(リョウガ)と贈られたのは「gr8est journey」。遥かな旅路への期待を高める爽快な高揚感は、新しいスタートラインに立った新成人たちの胸を熱く打ったに違いない。
鳴りやまぬ手拍子に応えて5人が再登場し、「今回は成人式ということで、とても特別な1曲を最後に披露したいと思います。俺ら超特急がいるから未来は明るいぜ! 超特急についてきて! 毎日笑顔で過ごしていこうぜ!」というタクヤの雄々しい宣言に続いたのは「fanfare」。超特急史上最高に力強く聞き手の背中を押し、勇気を与える応援ソングで打ち鳴らすクラップのなか、汗だくで届けられる“全力で駆け抜けろ”というメッセージは8号車のみならず、彼ら自身にも向けられたものだったろう。
「やっぱり「fanfare」はいいですね! 超特急は去年の12月に10歳の誕生日を迎えることができましたが、20歳の誕生日を迎えられるように、皆さんの背中を押していけるように、誰よりも速く突っ走っていきたいと思っております。悲しいこと、辛いことがあったときに僕たちが支えになれるように、俺たちらしくやっていきます!」とリョウガがリーダー然と宣言すれば、ユーキも「2022年、最高の1年にしましょう」と約束。そこに「超特急の年やな」とタカシが続ける美しい連携プレーからも、2022年に賭ける彼らの気合が伝わってきた。
いつになく客席と近い距離でのライブに、MCでは「特別感がすごいよね」(タクヤ)、「近くで皆さんの表情がわかるライブができるのが幸せ」(リョウガ)という声も。それは8号車の側も同様で、間近で目撃できるぶん彼らのダンスの緻密さが手に取るようにわかり、メンバーそれぞれの主張の激しさや個性もしっかりと感じとることができた。もっと近くで超特急を観たい――そんな願いに応えるかのように、4月からは3年ぶりとなるホールツアー『Progress』が開催。11都市18公演に上る10周年記念ツアーで、また全国にあらたな8号車を量産してくれるだろう。
TEXT BY 清水素子
PHOTO BY 深野輝美
■『超特急と成人式』
2022年1月14日(金)東京・日本橋三井ホール
<セットリスト>
01. Yell
02. Starlight
03. 超Superstar
04. Dance Dance Dancing!
05. On & On
06. Yodelic Fire
07. Winter Show
08. My Buddy
09. gr8est journey
[ENCORE]
10. fanfare
リリース情報
2021.11.10 ON SALE
ALBUM『Dance Dance Dance』
超特急 OFFICIAL SITE
https://bullettrain.jp/